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中編3
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看護婦の採血

僕が小学生の頃、

学校の健康診断か何かで、”鼻炎の可能性がある”という事で、耳鼻科へ行く事に。

医師:『アレルギー鼻炎の可能性があるので、血液検査をしましょう。』

別室に通され、

ベッドに寝て待っていた。

すると、

若い看護婦が2人来て、

看護婦A:『じゃあ、採血しますね〜。

…あぁ〜、血管が全然見えな〜い。』

僕は元々、血管が細く目視では、ほとんど見えないのだ。

学校での集団接種の時、確実に時間がかかる為に後回しにされる程だ。

予想していた事態なので、

「あの…、僕、血管が細いから見えにくいんです。

だから、一回では(採血)難しいかも…。」

看護婦A:『え〜、そうなの?んじゃ、まぁ試しに一回!』

「え?!ためし…イタッ!!!」

血管の位置を、さほど確認しないまま、勢いよく針をさした。

採血用の針は、ワクチンを接種する時の針と比べ、やや太い。

だからか、勢いよくさされた僕の腕に激痛がハシッた。

看護婦A:『あ〜、やっぱ失敗!もう一回!』

「イッ!!!」

また確認もせず、何のためらいもなく、さしてきた。

看護婦A:『ん〜、またダメかぁ…。』

針を抜く時も、勢いよく引き抜く為、激痛がはしる。

看護婦B:『反対の腕でやってみれば?』

位置を変え、反対の腕に。

が、先程と同様のやり方で失敗。

とんでもなく下手クソな3回の注射の痛みで、僕は泣きそうだった。

容赦なく、また針がさされて引き抜かれる…。

歯を食いしばるが、涙がこぼれてきた。

看護婦A:『やだもぅ〜。また失敗!』

看護婦B:『何やってんの?次、あたしがやってみるわ。』

看護婦さん2人は、ケラケラと笑っていた…。

声に出して笑っていた。

まるで、楽しんでいるかのように…。

看護婦Bに交代したが、この人もAと同じだった。

さしては、引き抜く…

何回か繰り返すうちに、意識がもうろうとなった。聞こえるのは、看護婦さん達の笑い声だけ。

(もう、ヤダ。お父さん、お母さん、助けて…。)

『何やってんだ!おまえらぁぁぁ!!!!』

とてつもない怒声で、僕はハッとした。

看護婦さん達は、注射器を持ったまま唖然としていた。

声の主は、

医師だった。

あまりにも採血が長いので、不審に思ったらしい。

医師:『もういい!!俺がやる!!』

また刺されるのか、と恐怖で固まったが 、

医師の採血は、痛みもなくスンナリと成功した。

看護婦さん達は、医師に連れてかれ、

僕は痛みで動けないので1人でベッドで休んでいた。

やっと激痛から解放された安堵で涙が溢れてきた。

しばらくして、母親が迎えに来た。

腫れた両腕に涙で真っ赤になった目の我が子。

院長から看護婦達の話を聞いて、母はブチ切れていた。

帰る間際、

看護婦さん達と目が合った。

ボソッと聞こえた…。

『あたし達、悪くないもん…。』

次に病院に行ったら、2人ともクビになっていました。

大人になった今でも、若い看護婦さんが恐いです。

怖い話投稿:ホラーテラー 葉月さん  

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