父の友人の体験談。
夜の闇も濃くなった頃、Aさん(友達のあて名)は仕事の残業が終わり、家に帰る道を歩いていた。
しばらく歩いていると、なにやら人がもめているような声が聞こえてきた。ちょうど目の前の店の間の路地からそれは聞こえてきた。
なんだろうと思ったAさんは、そっと店の前から顔を出して覗いてみた。
すると、暗くてよく分からないが男がなにかを両腕でつかんで、ばしばしと壁に打ち付けていた。「なんでだよーなんでだよー」と言いながら。
Aさんはああ喧嘩でもしてるのかなっと思い一応見てしまったんだからとめようと思い立ち、仲裁に入ろうとした。
ちょうどその時月明かりがAさんとそして前のこうけいを照らし出した。
Aさんは、一つの間違いに気づいた。男が壁に打ち付けているのは人間ではなく、マネキンだった。そうして何度も「なんでだよーなんでだよー」と繰り返していた。
とっさのことに驚いたAさんはダッシュでその場を逃げ出した。翌日またその路地に通りかかってみると、もうマネキンもあの男の姿もなかった。
ここまで、読んで下さった方ありがとうございました。多分この話は本当だと思います。Aさんが家で俺に話してくれているときちらちらと窓を見て、外の様子を伺ってましたから。彼は何をきにしていたのでしょうか。
怖い話投稿:ホラーテラー メアさん
作者怖話