子供の頃なら誰もがした
硬貨を入れて回すとカプセルに入った玩具が出てくるアレね♪
表のパッケージには音が沢山出るキーホルダーだとか、壁にくっつくタコの人形だとかどうしてもやりたくなる賞品が沢山あるけどなかなか出ませんよね。。
そんな体験談を一つ…
高校の修学旅行はヤンキーだらけのまとまりが無い学校の為か毎年スキー場と決まってました。
理由は簡単、みんな山奥に閉じ込めた方が管理が楽だからですね。
街になんか出られると問題が起こるに決まってますから。
だから自由行動しようにも何も無いのでヒマを持て余します。
「修学旅行なんて来なきゃ良かったよ。」
「まったくだな。共学ならともかく山奥に閉じ込められて男ばっかりで何が楽しいんだか…。」
「工業高校の悲しい現実だな。まぁお前の頭じゃヨソは無理だろうけどな♪。」
「うるせぇよ!何サラリと喧嘩売ってんだよ!。」
俺のグループは修学旅行前にほとんどが停学になり、旅行には仲が良い奴が3人と更に退屈さを増していました。
そんな中、古い駄菓子屋を見つけました。他に行く場所が無いのか、他の生徒もヒマそうにイチゴ水を肴に一服している姿も見えます。
「どいつもコイツもやる事が無いみたいだな。」
「寒いし駄菓子でも買って麻雀でもするか?…おっ♪懐かしいな〜。」
俺の言葉に反応した友人Aが嬉しそうに声を出す。
「ガチャガチャか♪昔は何処行っても有ったよな。小さい頃は親にくっついて良くせびってたっけな。」
「へぇ〜、お前にもカワイイ時代があったんだな。」
その後ろで嫌味が効いた友人Bの一言が笑いを誘う。
「コイツの可愛さピークは五歳だろ?あとは降るだけだけどな。」
友人Cも続く。
「…村田(仮)、何があるんだ?」
付き合うと長くなるのを知って無視して俺に話し掛ける。
「う〜んと…フィンガーボード(指で遊ぶスケートボードの玩具)か。こんなの入ってんだ♪俺が一発で当ててやるよ。」
別に興味はあまり無かったが修学旅行に来れ無かったツレにスケボー好きな奴がいて、お土産に持って帰ってやる遊び心から小銭を取り出す。
ガチャガチャ…ガコッ!中から半透明のカプセルが出てくる。見ると本当に一発でフィンガーボードが出てきたのだ!
欲しいわけじゃ無かったが得意げに見せる。
「お〜!やるじゃん♪いいよな〜、俺もやってみよ。」
負けじと友人Aも硬貨を入れて回してみる。
ガチャガチャ…ガコッ!
転がり出て来たのは黒いカプセルだった…。
「ん?黒って珍しいよな?大当りじゃね〜の?」
たしかに見たことがあまり無い。本当に大当りなのかとみんなテンションが上がる。
「…なんじゃこりゃ〜!!!?」
動きが止まる友人A。中身をみた友人BとCは大爆笑。
「お前、本当に大当りじゃん。」
「気持ち悪り〜。こんなのガキが喜ぶか?お前で良かったじゃん。」
見てみると、それは心霊写真だった…。ご丁寧に小さなお札まで入っている。
「この写真ちょっとすごいな。本物じゃね?」
「でも何で…。」
徐々に笑いが消える。そんな重い空気を消すように
「ふざけんな!!!こうしてやる!!!。」
友人Aはカプセルに詰め直し隣の川に投げ込んだ。底の石に当たりカプセルは割れ写真だけが流れてゆく。
「あ〜あっ、勿体ない♪」
「いらね〜よ。ってか、菓子でも買って早く帰ろうぜ。」
「そうだな♪」
…この時は何も思わなかったが捨てるべきじゃ無かったしあのお札の意味は…
「…でもあの目はすごかったな。」
ポツリとAが言った。
思い出しても不気味な表情…、その後にした体験はまた機会があれば…
怖い話投稿:ホラーテラー 村田(仮)さん
作者怖話