短編2
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約束のミサンガ

これはある学校でのお話。

高校2年生のRは学年数学1位の優秀な生徒だった。

そして隣にはNという女子が座っていた。

Nは成績がいい方ではなく、さらに体も弱いので学校をやすむことがよくあり、

授業についていくのも大変だった。

Rはいつも学校を休んだNにノートをかしたり、勉強を教えてあげたりしていた。

隣ということもあり、交流が多く、RとNはとても仲がよく、テスト期間には一緒に勉強したり、土日には二人で遊びに行ったり来たりもしていた。

ところがNは体調を崩し、学校に来なくなった。Rは心配したが、連絡もつかない。

1ヶ月も経つ頃にはRはNのことを忘れ、気にすることもなくなっていた。

ある日、Rが学校から帰ると、家のポストに封筒が入っていた。

「なんだこれ?」

中を開けると、ミサンガが入っていた。

綺麗な糸でつむいである、手作りのようだった。

Rはそれを気に入って学校につけていった。

そしてある日、席替えをすることになった。

Rは、大好きな信子という女の子のとなりになりたいと強く願った。

そしてくじを引いた。37番!

信子のとなりだ!!!

そして信子の隣に座ってウハウハしていると、急にミサンガがきつくしまりだした。

「い、いてっっ」

でもはずれない。どんどんしめつけていく。

気づくと、目の前には病気で学校を休んでいるはずのNがいた。

そう、Nは、いつも自分に勉強を教えてくれる、ノートを見せてくれる、自分にかまってくれるRのことが好きだったんだ。

そのミサンガはNが、この先もずっと、ずーっと、Rと一緒にいたいという強い思いを込めて作ったミサンガだったのだ。

R「N..ごめんな...お前のこと..俺..」

Nは微笑みながら消えていった。

Nはその同時刻、病院で息を引き取ったのだった。

Rはこのことを一生忘れないだろう。

20年経った今も、Rの手首にはミサンガがついている。

N...ずっと一緒だよ...

Concrete
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