短編1
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いつものこと。

深夜、コンビニに行った時のこと。雑誌コーナーで立ち読みしていたら、近くで「チリーン」と鈴の音がした。

嗚呼、誰かのストラップとかキーホルダーに付いてる鈴が鳴ったんだな。そう思い、雑誌に目を落とす。また近くで「チリーン」と澄んだ音がした。

しかし、よくよく周囲を見ると、店内には私の他に客の姿はなかった。あれっと首を傾げると、また「チリーン」と音がする。

空耳かと思ったが、確かに聞こえるのだ。気味悪くなり、雑誌とお茶のペットボトルを持ってレジに向かった。レジには若い男の子の店員が気怠そうに立っていた。彼がレジを打っている間も、「チリーン」と鈴の音は聞こえてきた。

この子には、あの鈴の音が聞こえているんだろうか。ふと気になり、「あのう…」と声を掛けると、彼は虚ろな目を私に向けてボソリと、

「…いつものことなんです」

私は差し出されたレジ袋をひっつかむと、お釣りも受け取らずにコンビニを飛び出した。

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まめたろう様。コメントありがとうございます。

怪談耳袋といえば、ショートストーリーのホラードラマでしたか。あれは私も好きで、以前にDVDで観たことがあります。

オススメな話があれば、教えて頂けたら幸いです。

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心霊大好き様。コメントありがとうございます。

嫌ですよね。私も仮にこんなことを言われたら、そのコンビニに行きたくなくなりますね(笑)。

コンビニに纏わる怖い話はネットでも多く出ていて、読んでいて面白いです。新たな発見があったりするんですよね。

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血赤様。コメントありがとうございます。

恐らく「いつも店内で鈴の音がしてるなんて、滅茶苦茶気持ち悪いじゃん。こんな所にいられるか!」……と、語り部の「私」は思ったのだろうと思われます。

一説によりますと、鈴の音が聞こえるというのは、あの世で修行中の霊が現世の様子を見にきているそうです。また、供養が足りていない先祖霊が気付いてほしくて、鈴の音を立てるとか。

分かり辛くて申し訳ありません。

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こんな風にゆわれたら、もうこのコンビニ行け無いですね。

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え?どうしたの?

いつものことって言われたから逃げたの?

ん?わかんない…

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