短編1
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パッシング

ある男性が夜遅くに車を運転していた時のことだ。

対向車線を走る一台の車が、すれ違いざまに彼の車に向けてパッシングをしていった。

時間が遅いので道を行く車はまばらであったのだが、その後も彼の車とすれ違う車のほとんど全てがなぜか彼の車に向けてパッシングをしていく。

いったいなんなのだろう?

彼は疑問に思いながらも、後で車を調べてみればいいと思いそのまま走り続けていた。

その時、突如彼の車の背後から騒音が響く。

彼の車の後ろにぴたりとつけた大型トラックが、彼に向けて何度もクラクションを鳴らしてきたのだ。

トラックの運転手はなぜか上の方を指さし、次に彼に向かって車を路肩に止めるように合図した。

彼には何が起きているのかさっぱり分からなかったが、とりあえず指示に従い車を路肩に止める。

続いてトラックも路肩に停車した。

彼は車から降りるとトラックに向かい、運転手に「いったい何があったのですか?見たところ、わたしの車に異常は無いようですが・・・」と尋ねた。

すると、その運転手は青ざめた顔でこう答えたのだ。

「あんたの車の屋根の上におかっぱ頭の女の子が座っていたんだよ。あんたが車を停めたとたん、すーっと消えちまったがな・・・」

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