友人の命日には手を合わす

中編3
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友人の命日には手を合わす

友人の命日には手を合わす。

高3の夏休み。たった一度しか会った事の無い友人が死んだ日に、なんとなくそう思った。

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2004年12月某日。

ちょうど友人が死んで1年がたった。

しかし、当時携帯に届いたメールで、事を知った私。

そのメールは保存をしていたが、当時の携帯は紛失して今では確認ができない。

人の決意なんてものは曖昧で、1年たつと、命日すらうろ覚え。

ただ手を合わそうと思った事と、「大体6日くらいだった」と言う大まかな記憶だけを頼りに、いまいち顔も思い出せなくなった、故人をしのぎに神社へ行き手を合わす。

友人についてきてもらった神社の帰り道、食事をして帰宅をすると深夜を回っていた。

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「カチャン」

紐を引っ張るタイプの照明をつけた時、目の前に手があった。

その手は顔の左側から右側へ動いてき、その手を目で追った。

スッと消えたその手の先には、電子時計。12月7日。

「命日は7日だ」急に現れた手に友人の命日を思い出させられたのだった。

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2005年12月7日

私は急に先輩からアルバイトのシフトを変わってほしいと頼まれて、了解し、少し仮眠をとる所だった。当時の私は、ホテルのシーツやタオルケットを洗う夜勤のアルバイトをしており、連絡を受けた18:00頃から携帯のアラームをセットし、22:00頃まで寝ていた。

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「トゥンルンルンルン・・・・・・・」

携帯の音で目が覚める。しかし真っ暗な部屋の中で起きるのもめんどくさい。

ふと時計に目をやると21:50。 まだ違和感には気づかない。

「10分損した。」

もう少し寝れたことを後悔しつつ、携帯のアラームを切ろうと手を伸ばす。

すると携帯は鳴っていなかった。 まだ寝ぼけている。

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 どこからなっているかわからない携帯の呼び出し音。高校の時に流行った「○○アリ」で使われていた「呪いの着信音」が流れている。 いい加減鬱陶しい。 

自分のアラームの音はこんな音ではない事に、自分がアラームをセットしたのは22:00であることに私は気づいていない。 ベットを降り、音のなる方へ進んでいく。部屋の電気を付け、どうやらタンスの方からだ。

タンスを開けると段ボールの上で携帯電話が光っている。

二つ折りの携帯を開くと、音が止み、メールが開かれていた。

「本日○○さんが事故で無くなられました。告別式は・・・・・」

私はまた忘れていた。今日が命日であることに。

そして思い出した。この携帯が1年半程前に紛失したものだと言うことに。

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ふと時計を見ると15分程経っており、バイト先に向かう事に。その携帯を持って。

バイト先に着いた。

「お疲れ様です。」 一緒に入る先輩はもうついていた。

着くなり私は早く誰かにこの事を話したくて、

私「実はさっきへんな事があったんです。」

先輩「何あったん?」

私「これ見てください・・・あれ?」

ポケットに入れたはずの携帯はなかった。

バイトが終わり、部屋に戻るが、やはり携帯はなかった。

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その後、8回程の12月7日を過ごしてきたが、何事も無く、ただ気がかりなのは、

約8年ぶりに振り返った12月の友人の命日は本当に7日だったのかということだ。

もし間違っていたら、また不思議な方法で、教えに来るのかもしれない。

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