ゼロさんのお話、背筋がゾクゾク…。
まだ三十話だと思うと、ますますゾクゾク…。
百物語、三十話〜三十一話、怖い話をご用意しました。
では、どうぞ…
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【三十話】
今日は大学の友達とカラオケで呑む日。
合コンではなく、男しかいない(泣)。
大人数いるわけではなく、
俺、真面目なケン、盛り上げ役のコウタ、天然(?)なカズキの四人だ。
(なぜか)俺を除いた三人が残酷な天使のテーゼを歌い終わると、ドリンクを飲みながらカズキが言った。
「アレ?このカーテンなんだ?」
カズキの目線の先にはカーテンがあった。
どうやら、窓についているカーテンではないようだ。
「最近、カラオケにも鏡がついている店舗が多いらしいからなぁ。鏡のカーテンじゃないか?」
ケンが次の曲を設定しながら呟いた。
「確かに…。鏡っぽいなぁ。開けてみるか。」
コウタはそう言うと、カーテンを開けた。
鏡には一人のオッサンが居た。
俺たちは写っていない。
困惑していると、オッサンが動き出した。
チラリとこっちを見るとニタニタ笑って気持ちが悪い。
幽霊なのか?
オッサンは縄をどこからか取り出すとスピーカーに括り付けた。
そして、こちらを見て何か言うと、首を縄に入れ、盛大に跳んだ。
その瞬間、金縛りのようなものが解けて、俺達は大急ぎで個室を出た。
カウンターの前で困惑の余り腰を抜かし、あわあわ言ってると、
店員さんが出てきて「大丈夫ですか!?」と言い、俺達を中に入れてくれた。
店員さんに一部始終、つまり幽霊のことを話すと、店員さんは首をかしげて言った。
「あれは鏡じゃなくて隣の個室が見えるガラスですよ…。」
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【三十一話】
最近ついてない…
会社の面接も落ちて、バイトも夜勤を頼まれ…
本当についてない…
今日も夜勤で疲れていた。
おかげで見知らぬおばさんとぶつかって小銭落した。
おばさん、「謝れ」って言ってたけど謝ってないな。
こんなの何回目だよ。
俺はボロアパートの102号室に入った。
とりあえず、音楽でも聴くか。
スマホにイヤホンを刺し、音楽をかけた。
でも、流れてきたのは音楽じゃあなかった。
「謝れ。謝れ。謝れ。謝れ。」
おばさん?なんだ?呪いか?
俺はスマホの音を切ろうとした。
あれ?消音だった?
パリン
音のする方を向くと、
割れたガラスと、トンカチを持ったおばさんがいた。
「謝れ謝れ謝れ謝れ謝れ謝れ謝れ謝れ…
最近、本当ついてない…
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どうだったでしょうか?
読み終わった人は灯篭の間にお進みを…
無事に帰ってこれたらいいですね…
作者山サン
短めにしてみました。
実話系になってたかな?
それにしても皆さん凄い!
僕は皆さんのような作品、書けないです。
尊敬します!
まだ三十二話。
期待が高まります。