中編3
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霊感少女

 わたしには霊感がある。

 17歳にしてようやく覚醒した。

 わたしは幼い頃からオカルトが大好きで、超能力や霊能力、そういった神秘的な力に強く憧れていた。

 少、中学生の頃は、誰々が幽霊を見ただの、あの人は霊感があるだのと噂があれば、後輩先輩、関係なく本人を尋ねて、あれこれ質問攻めにし、当時の友達をドン引きさせていたものだ。

 色々な降霊術、廃墟巡り、自殺があった場所などを観察したりしたが、一度も幽霊を見ることはなかった。

 しかし、どうやらあきらめなければ願いは叶うらしい。

 それは突然やってきた。

 その日は朝から体調がすぐれず、三時間目の授業で早退した帰り道、今まで感じた事のない様な、頭痛が襲ってきた。

 頭を支え目をつぶる、ほんの数秒だったと思う、今のは何? と思いつつ目を開けると、それはいた。

 視界の右上、ソフトボール位の大きさの黒い塊、顔の様なものが浮遊している。

 一瞬で総毛立った。やっと感じることのできた存在だ、勿論感動もある。

だが、人間の本能だろうか? それ以上に恐ろしく、すぐに目をつぶってしまった。

 次に目を開いた時にはすでにそれは消えてしまっていた。

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 先程の余韻をひきづったまま帰宅、両親は共働きでこの時間には誰も家にいない。

 とりあえずシャワーを浴びて、気持ちを落ち着かせる為バスルームに向かう。

 熱めのお湯で体を流しながら、頭を整理する。

 自然と笑みがこぼれてくる、先程の恐怖もいくぶん和らぎ、何故あそこですぐに目をつぶってしまったのかと後悔する。

 やっとだ、やっと見れた。

 あの頭痛はきっと『霊障』だろう。

 霊能力者の先生とタレントが心霊スポットを廻る心霊番組を見てると、能力者の方やタレント、スタッフなどが、どこそこが痛い、重いなどと言っている。あれと同じ現象なのだろう。

 正直あの痛みはきついが、この力の代償ならば我慢できる。

 それから、この事については両親には絶対にばれないようにしなければならない。

 わたしの両親はオカルト否定派で超がつくほどの現実主義者だ。もし、霊が見えるなどとわたしが言おうものなら、無理やり精神科に連れていかれ、カウンセリングでも受けさせられるだろう。

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 やはり、わたしは覚醒したらしい。

 あの日から度々黒い塊がわたしの前に現れた。一貫して黒い塊だが、数が増えたり、大きさが違ったりした。

 『霊障』も相変わらずだったが、いずれこの力をコントロールして痛みを和らげる方法探してみようと思う。

 霊も黒い塊だけではなく、長身でサラサラの黒髪女の霊や、向こうから凄い速度で向かってくるガリガリの子供の霊など、必ず見てやると夢を膨らまし毎日をすごした。

 それから数ヶ月たった頃、今だかつてないような強い霊障に襲われた。

 これは凄いのがきたと目を開くと、いつもと変わらない、またかと残念に思ったが少し様子が違った。

 黒い塊が風船の様にゆっくりとだがふくらんでいる。やがてそれは、視界をすべて覆い、わたしは気を失った。

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......ゆっくりと...目を開ける...

朦朧とするが...意識はある...

 ...体が動かない...薬品の...匂い...病院?...

 近くで人の声...おかあさん?...あと...しらないひとのこえ...

 脳?...しゅよう?...ておくれ?...ねたきり...?

 なんの..ハナシダロウ......

 アア...アタマガ...いたい...いたい...イタイ...いた...い......。

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