中編3
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ワンニャン大行進

「~♪」

国道を一台の車が走る。

時刻は夕方、季節は秋。この時期、夕方ともなればすぐに暗くなる。山のなかを進んでいれば尚更だろう。

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「~♪」

国道を一台の車が走る。

車内は一人カラオケ状態だ。

運転手は僕、緑の野菜。

なにを歌っていたかって?

マキシマム●ホルモンです。

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向かっていたのは田舎の動物病院。

なんでそんな場所に向かっていたかというと、現在は違いますが、前に病院や動物病院などで採血した血を調べる臨床検査の仕事をしていました。

その動物病院に行くためには線路を渡り、現在では使われなくなった釣り堀を通り過ぎてようやく辿り着くという判りにくい構造。

最初行ったとき、迷ったんじゃね?

て思ったほどでした(笑)

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左右を確認。電車は来ない。

カンカンカンという音もしない。

するのはスピーカーから流れるデスボイスのみ。

ブレーキを離しアクセルを軽く踏み込む。

shake

違和感。

急に体が重くなったような…………風邪かな?

釣り堀が見えてきた所で違和感の正体に気づく。

「お、、、おふ………………」

釣り堀の先には野原が広がっていてさらに先は山が見渡せるのだが、見渡せたのは巨大な

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目玉

目玉

目玉

目玉

目玉

目玉

目玉

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「これヤバイやつじゃね?」

そのときはさすがにシャレにならないと思いました。

仕事柄病院とは切っても切れないので心霊系はしょっちゅうでした。

ただ、「あー、いるな」とか「こっちみんな!」とかどうにでも出来るものばかり、また、見えないので別に気にしなかったのですが、さすがにこれは…………

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急いで動物病院に向かい、車から降りる。

また…………

次は足廻りにかなりの数が絡み付いてくる。

が、無視

「どーもでーす」

なに食わぬ顔で裏口から入る。

さすがに「ここ来るまでにヤバイの居ましたねー」なんて話せない。

普段の1.5倍のスピードで仕事をして急いで車に戻る。

エンジンを入れると流れてくるマキシマム●ホルモン

まだ足元ではナニかがウロチョロしているのか重い。

先程通った道を進む。

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目玉?見ない見ない。

僕には見えないそんなの知らないお化けなんて嘘さ♪

かなりの目力を感じつつ踏み切りを渡る。

踏み切りを渡りきるとフッと体が足が軽くなった。

原因?そんなのはいい急いでこの場を離れる!

オーディオのボリュームを上げ逃げるかのように、というか急いで会社に逃げました。

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後日。

昼間に再びその動物病院へ行きましたがそのときはなにもありませんでした。

この話を元・拝み屋で親友のWにしたところ

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「霊木あった?」

あった。病院のさらに奥へ行くと霊木があり、死んだ犬猫はその木の下に埋めるのだと調べたらわかった。

「やっぱな。死んだ動物霊が踏み切りを境にしてさ迷ってたところに野菜が来たから、ジャレついたんだろ」

体が重くなったのはそのせいか

「目玉は知らん。似たような原因だとは思う。で、病院着いて霊木に導いたのはいいけど、かなりの数がいたんじゃねーの?またすぐ憑かれたから踏み切り抜けるまで重かったんだと思うわ。釣り堀あったならなおさらだろ水場なんだし」

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つまり僕はハーメルンの笛吹みたいに犬猫を霊木に導いたけど導ききれなかったヤツにすぐ憑かれたわけね。

「そ」

で、だ、Wよ

「なに」

早く霊力アップしたいんだがどーすりゃいい?

「しらねーよ」

僕の霊力があがるのはそれから数年後の話です。

Concrete
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