白いティーシャツとジーパン姿の男性

中編3
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白いティーシャツとジーパン姿の男性

私は今年26歳になる、

ごくありふれた独身女性です。

現在は実家で、両親と一緒に暮らしてます。

実家はかなり田舎で、

近くにコンビニもありません。

ですので、仕事が休みのときは、

隣県の賑やかな街に出掛けたりしてます。

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 この間の休みの日も、

一人でぶらっと遊びに出掛けました 

ネットとかでチェックしたオシャレなカフェで

コーヒーを飲んだり、ブティックで洋服とかを

見たりしてました。

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 あちらこちら歩いていると、いつの間にか道に迷ってしまったようで、

あ、どうしよう、と、

人通りの少ない路上で一人途方にくれてました。 

すると、

白いティーシャツにジーパン姿の男性が

前から歩いてきてます。 

年齢も私とあまり違わないようでした。 

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 彼は右肩に

かなり大きめな黒のトートバッグをかけ、

ゆっくりとした足取りで歩いていました。

私は勇気を出して、彼に声をかけました。

「あの、すみません」

男性は少し驚いた様子で、私を見ました。

「道に迷ってしまったみたいなんです。

大通りに出るには、

どう行ったらいいんでしょうか?」

私は少しどきどきしながら、

一気にしゃべりました。

男性は少し微笑みながら、

丁寧に道を教えてくれました。

私はしっかりとお辞儀をすると、

その道をたどるように歩き始めました。 

爽やかでとても素敵な男性だったので、

何かきっかけでも、と思ったりもしたのですが、

躊躇していました。

というのは、

彼に近づき道を聞いているあいだ、

何というか、生ゴミのような

悪臭が漂っていたのです。

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 私は男性から言われたとおりに、

狭い道を歩きました。 

そして次の角を曲がろう、としたときでした。

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 あまり周囲を見ていなかったからか、

私は曲がり角から出てきた通行人に

まともにぶつかってしまったのです。 

その拍子でその方はよろめき、

肩にかけていた大きめのトートバッグを

道に落としたのです。

「あ……す、すみません」

私がそう言ってその方を見ると、

それは先ほどの男性でした。 

彼が慌てて

トートバッグからぶちまけられた

モノを拾おう、としてたので、

私も一緒になって拾おうと、

落ちたモノの方を見た瞬間、

私の背中に冷たいものが

電気のように走りました。

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 それはビニールに入れられていたのですが、

間違いなく人間の手首や足先で、

道路脇まで転んでいったのは、

紛れもない人の首だったのです。

たまたま通りかかった女性の悲鳴で、

辺りは騒然となり、

男性と私の周りに小さな人だかりができました。 

男性は通報され、

近くの派出所から来た警察官に

連れて行かれました。

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 後から聞いた話では、

男性は近くのアパートに住む者で、

ある女性と同棲していたのですが、

痴話ケンカが発展し激情にかられ、

彼女の首を絞めて殺してしまったそうです。 

その後、

バスルームで彼女の遺体をバラバラにし、

押し入れに隠していたのですが、

悪臭に耐えきれず、とうとう、

トートバッグに入れて、

捨て場所を探しに歩き回っていたそうです。

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そう、普通の人こそ、一番怖いのです

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もちろん創作ですが、近頃東京であったバラバラ事件をピントにしてます

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