見えすぎる人のスポーツ観戦

色々なものが見えすぎる我が妻、レイミ。

今回はそんなレイミがいかにスポーツ観戦が好きかどうかというお話。

nextpage

separator

レイミはスポーツ観戦が好きだ。

テレビで放送されていれば、家事をする手すら止める。

どんなスポーツでも、である。

本人曰く、特に大相撲とサッカーが面白いらしい。

だが、一緒にスポーツ中継等を見ていると不可解なことがある。

普通の人、俺や画面の向こうの観客がワッと湧くような場面でもレイミは割りと冷静に観ている。

しかし、そうでない何もない様なシーンで突然レイミだけ盛り上がっていたりするのだ。

nextpage

ある日相撲を観ているときだった、とある一番でレイミが異様に盛り上がっているのだ。

レイミ「うほっ。すっげ!めっちゃバキバキや!これめっちゃバキバキやで!!!」

とか言っている。

釣られて画面に目をやると、名前は詳しくないから分からないけれど、二人の力士がお互いにまわしを取ったままフリーズしていた。粘りのある一番の様だ。確かにこのように拮抗した対戦は観ていて熱くなる。

しかし、レイミの盛り上がりは普通じゃない。

レイミは尚叫ぶ。

nextpage

レイミ「よしっ!光った!ここやで!」

……………。

聞き間違いか。

光ったと聞こえた。

力士は光ったりしない。

いや、熱い魂をぶつけ合っていてその魂の煌めきとか、

流れ出る汗のきらびやかさとか、

そういうのであっても、流石に「光った」とは言わないだろう。

ましてやまわしを取り合ってフリーズして睨みあっている状態で「光った」は無いはず。

「のこった」の間違いじゃないのか。

疑問に思いながら画面を見た。

二人の力士は突然動きを再開する。

それはもう見事な立ち回りだ。

互いに顔が土俵に付きそうに成る程バランスを崩すが、踏みとどまる。そして土俵際に追い込んだと思いきやクルリと入れ替わる。まるで息を合わせているかのような、そうダンスでもしているかのような激しい立ち回り。

成る程確かにこれは良い勝負だ。

レイミ「ほらっ!めっちゃ出てる!!次これ当たったら間違いなく倒れるよ!」

…………。

聞き間違いか。何かが出ているようには見えない。

力士からは何も出ない。

いや、そりゃ熱く煮えたぎる闘志や、

激しい攻防に飛び交う汗と汗、

そういうのだったら出ているだろうけど。

「ほらめっちゃ出てる」とは中々表現しないのではなかろうか。

nextpage

俺は頭を抱えた。

え、めっちゃ気になるやん。

もうこの勝負の行方とかどうでもいいくらい気になるやん。

何、光ったって。

何よ、出てるって。

光ったり出たりを特に注意しながら観戦しているうちに、この一番は終わった。

良い勝負だったはずだが、感想が全く出てこない。

むしろ、光ったり出たりを確認出来なかった事が残念で仕方なく、映画やドラマで超大事な場面を見逃してしまった時くらい悲しい気持ちになっていた。

損した気分になった。

相撲中継で、だ。

nextpage

あまりにも悔しかったのでレイミに訪ねる。

俺「あのさぁ、なにその光ったり出たりって。アホほど気になるんやけど?」

レイミはキョトンとしている。いつもの事である。

レイミ「あー、そっか。□は普通にしか見えないんだよねぇ。可哀想だなぁ。」

哀れみ!?

俺「普通にしかって?いや、普通にしか見えなくて当然だし、それを全国の人は楽しんで観てるんだと思うが?」

レイミ「私みたいにオーラ的な物を強く濃く見える人達ってさ、プロやオリンピックとかハイレベルなスポーツ選手の試合ってすごく華やかに見えるの。」

ほぅ。実に興味深い。

続けて訪ねる。

俺「華やかっていうと?例えばドラゴンボールや他の漫画みたいに、【気】的なものがぶつかって見えるとでも言うのか(笑)」

少々冗談交じりでふざけて見せた。

レイミ「そうそう!もう大相撲とかオリンピックの柔道やレスリング、対戦相手と身体を組む競技って凄いの!格闘ゲームのエフェクトあるじゃない?」

俺「スト２とかキングオブとか、色々あるな。何か光ったり出たりするけど…………。」

俺は自分で言って気付いてしまった。

俺「え、ウソやろ?さっきから言ってた光ったり出たりって、まさかそう言うこと!?」

まさかである。

レイミ「そうそう、ウチには目が一瞬光ったり、まわしを掴む腕が光ったり、張り手や足で払う時に何かボッって出ててカッコいいのよ!!」

俺はそんなレイミがいう光景を想像してみた。

すると1つ、YouTubeにある動画を思い出した。

「鬼無双シリーズ」といったその動画は、若干古いものの誰かが趣味かなにかで大相撲の取組にCGでエフェクトを付けている動画で、結構見応えがある。好きな動画だ。

それをレイミに見せてみた。

レイミ「そうそう!音はこんなに派手じゃないけど、見た感じはかなり近いよ!これ作った人すごーい!」

という。スポーツがいつもこん感じに見えているとは、

超羨ましいと思った。

かなり娯楽性が高まって見える。退屈しないだろうなぁと思った。

皆様も、レイミがスポーツを見るとき、

どういう風に見えているか観てみたいという方がいたら。

「鬼無双シリーズ」とかで検索すれば観れると思います。

レイミ曰く、限りなく近いんだそうです。

オーラって一体なんなんでしょうね。