短編2
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あまり話さない方がいい

母の引っ越しの手伝いをしたときの話。

両親と俺、妹の四人で荷物をまとめたりしていた。

途中、必要なものを買いに行くために母親ともう一人が出掛けることになった。

母は俺に声をかけた。

俺も承諾し、二人で買い物に行った。

これがマズかった。

いつもなら母は妹に声をかける。

いつもなら俺は断る。

俺たち四人家族は霊感が有る、無いが綺麗に分かれていた。

有るのが母と俺。

無いのが父と妹。

つまり霊感の無い二人が家に残ることになっていた。

買い物中、母の携帯が鳴る。

妹からだった。

内容は父親が怪我をしたということ。

それがかなり酷いものだということ。

それを聞いた時真っ先に霊的なものが関係していると感じた。

父は病院で手当てを受け、事なきを得た。

俺は家族のなかでも一番霊感の強い祖父に電話をかけて確認することにした。

今回の事について、

霊的なものが関係しているのかと。

祖父は、

「いや、大丈夫や。心配しなくてええ。」

そう言った。

分かる。

俺も勘は鈍くない。

ホントは違う。

きっと俺を心配させまいとしているんだ。

そんな気がしたから母親からも祖父に電話で確認してもらった。

母からの話に祖父は

「これはかなり強い奴だ。転換期に悪さをしてくる奴はたちが悪い。」

「この話はあまりしない方がいい。聞いた方にも害が及ぶこともある。」

俺の勘は当たっていた。

<奴>に心当たりもあった。

身内の話にはなるが、母は離婚していて前の父親が嫌な奴だった。

もちろんソイツは生きてる。

生き霊だからたちが悪い。

そして再婚し、引っ越そうかと言う時に事は起きた。

間違いない。

ソイツは母が新しい父との間に出来た子供の出産後にも悪さをしてきたが長くなるのでまた別の機会に。

皆さんも何かの節目や転換期にはいつもと違ったことには気を付けてほしい。

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