皆さんこんにちは。
一向に文章が上達しないふたばです。(´・ω・`)
己の練習に他人を巻き込んでやろうと、掲示板を建ててみました。
以下、ここでのルールを説明します。( ᴗ ̫ ᴗ )
↓
🌱ここは、短編の練習をする為の掲示板です。
🌱毎月単語を3つ、お題として出しますので、短編の「三題怪談」を募集します。
🌱「三題怪談」とは、1つのお話に決められた3つのお題のワードを入れなければならないという“縛り”で御座います。
🌱お話の長さの目安は、原稿用紙2枚分(800字)程度。
(あくまでも目安です、越えてしまってもヨシとします)
文字数カウント↓
https://phonypianist.sakura.ne.jp/convenienttool/strcount.html
🌱お題は毎月一日に更新されます。
🌱提出期限は毎月28日までとします。
🌱お話はいくつ投稿しても構いません。
🌱初心者大歓迎。実際私もほぼ読み専なので、文章が下手っぴです。軽い気持ちでご参加下さいませ。
🌱ここで投稿されたお話は、“ご自身で書かれたお話ならば”怖話の通常投稿にあげても構いません。
寧ろ、多くの方に見ていただけるよう、ここで試し書き、本投稿で完成品といったように使って下さいませ。
何なら他サイトでも投稿されている方は、そちらへあげるのも問題御座いません。
(※他の方の掲示板でも同じとは限らないので、その都度そこの掲示板主へご確認下さい)
🌱題名も付けて頂けると助かります(題名は文字数には含みません)。
🌱感想だけのご参加も大歓迎です。
🌱明らかな荒らしコメントは即刻削除致します。慈悲はありません。
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【11月お題】
「黄泉」「狐」「エレベーター」
投稿期間 11/1 0:00〜11/28 23:59
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ですがまぁ…建ててみたは良いものの、私が独りで短編を書き続ける寂しい場所になりそうな気がします……
そこで!ちょっとした特典代わりと言っては何ですが、ここで投稿されたお話は、私ふたばが朗読させて頂きます。ᕦ(ò_óˇ)ᕤ
具体的に言うと、YouTubeにてその月に投稿されたお題の回答を、纏めとして朗読してアップします。
素人の朗読ですのでレベルは低いですが、創作意欲の糧になれれば幸いです。( ᴗ ̫ ᴗ )
※朗読されるのが嫌だという方は、お手数ですが文末に「※否朗読希望」とお書き下さいませ。
📚過去のお題アーカイブ
【9月お題】「彼岸」「ぶどう」「ネジ」
https://youtu.be/DlNJ68yKIfA
【10月お題】「十五夜(月のみでも可)」「図書館」「菊」
(※お題提供:あんみつ姫さん)
https://youtu.be/iA4spsQlSMA
【11月お題】「りんご」「子ども」「落ちる」
https://youtu.be/UMVBBrycZqU
【12月お題】「肖像画」「塩」「M」
(※お題提供:むぅさん)
https://youtu.be/MJmFrqUqvj0
【1月お題】 「ウシ」「晴れ」「厄」
https://youtu.be/N0tX10EOJoE
【2月お題】 「僧」「遊泳」「踊り」
Extraお題「怪僧」「宇宙遊泳」「阿波踊り」
(※お題提供:嗣人さん)
https://youtu.be/9j2vK_kKzhE
【3月お題】 「風」「証」「波」
https://youtu.be/zZoV2ce7poU
【4月お題】「サクラ」「窓辺」「人形」
https://youtu.be/kZzfmq8cNvM
【5月お題】「母」「鬱」「川」
https://youtu.be/RNqUE92-K2k
【6月お題】「クラゲ」「雨」「失踪」
https://youtu.be/BM0ataca42E
【7月お題】 「天の川」「亀裂」「写真」
https://youtu.be/RcXTXfzfKUk
【8月お題】「手を振る」「扉の向こう」「呼ばれる」
(※お題提供:ラグトさん)
https://youtu.be/omL3byV-eF0
【9月お題】「アリス」「スープ」「ハサミ」
https://youtu.be/w20FnRK-bQQ
【10月お題】「バラ」「時計」「たばこ」https://youtu.be/g_zxwy1H73I
【11月お題】「無人探査機 」「提灯鮟鱇 」「地引網 」
(※お題提供:ロビンⓂ︎さん)
【12月お題】
「プレゼント 」「空席」「信号 」
【1月お題】
「トラ」「階段」「玉」
【2月お題】
「ネコ 」「チョコレート」「箱」
【3月お題】
「ウメ 」「日記」「歌声」
【4月お題】
「駅 」「看板」「ポスト」
【5月お題】
「灯り」「公園」「針」
【6月お題】
「カッパ」「アジサイ」「自転車」
【7月お題】
「浜辺」「貝」「欄干」
【8月お題】
「ニセモノ」「蝋燭」「指」
【9月お題】
「帰り道」「ビン」「コスモス」
【10月お題】
「先生」「空腹」「筆」
【11月お題】
「橋」「ゾンビ」「忘れ物」
【12月お題】
「足音」「雪」「吐息」
【1月お題】
「ウサギ」「獣道」「目」
【2月お題】
「鬼」「酒」「身代わり」
【3月お題】
「都市伝説」「ピアノ」「ボタン」
【4月お題】
「絵本」「珈琲」「霞」
【5月お題】
「シミ」「地下」「蝿」
【6月お題】
「ダム」「悲鳴」「カエル」
【7月お題】
「夏草」「鏡」「プラネタリウム」
【8月お題】
「漂流」「雲」「ラムネ」
【9月お題】
「神隠し」「お米」「カバン」
【10月お題】
「皮」「警告」「お札」
【11月お題】
「1週間」「影」「オレンジ」
【12月お題】
「ケーキ」「透明」「チャイム」
【1月お題】
「 」「 」「 」
【2月お題】
「穴」「遅刻」「節」
【3月お題】
「足跡」「惑星」「メッセージ」
【4月お題】
「卵」「楽園」「嘘」
【5月お題】
「人混み」「電話」「花瓶」
【6月お題】
「墓場」「毒」「待つ」
【7月お題】
「海」「境界」「糸」
【8月お題】
「打ち上げ」「ライト」「未練」
【9月お題】
「借りもの」「バス停」「斜陽」
【10月お題】
「骨董」「ピエロ」「姉」
※追記:ここのお話を本投稿へもアップされる方へのお願い
🌱先に述べた通り、ここに書いたお話は一般の怖い話にも投稿して頂いて構いません(そもそも著作権は作者のものですから)
🌱一般投稿分は掲示板のレギュレーションから外れますので、文字数を気にせず加筆修正しても何も問題御座いません。
🌱ですが、投稿の際には題名に“三題怪談”の文字を付けないで下さい(同じ企画系列の題名が並ぶとうんざりしてしまうユーザーが現れ、揉める為。実際、過去にそういう事がありました)
🌱また、お題の単語をお話の解説欄に載せると、その単語に気を取られて純粋な短編として楽しめないので、読者的には解説欄には“掲示板より”とだけ書いて頂けると助かります。
(コメントにお題の単語をネタバレ防止で公開するのはアリです)
(ここのページのURLは貼っても貼らなくてもいいです)
🌱代わりに、投稿作のタグ欄に、お題の単語タグ3種と“毎月お題の短編練習枠”タグが知らぬ間に付いております。十中八九私ふたばが犯人なので怖がらないで下さい。
企画というより常設となるこの場所は、細く長く続けていきたいので、何卒、ご理解下さいませm(_ _)m
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@珍味 様
おひさしぶりでございます。
だいぶ朝夕冷え込むようになりましたが、秋の夜長、思いがけず珍味様のお話を読めたいそう嬉しく存じます。
私 ふたば様のご依頼に、こんな お題を提示してしまいました。
序盤から大いに笑わせていただきましたが、ラスト一文で冷水を浴びせられたようにヒヤッといたしました。さすが、珍味様ですね。
ご夫婦なのか、それとも、仲の良い気心の知れたパートナーさん同士なのか、会話だけでは不明ですが、もしや、男性の方は、既にこの世にはいない方なのでしょうか。
ある程度、齢を重ねた男女間で交わされる言葉なんて、するめのような乾いた味わいなのでしょうけれど。)
このお題で書くとすれば、おそらく、漱石の「今夜は、月がきれいですね。」のエピソードは欠かせないだろうな。きっと書いてしまう人いるんじゃないかしらと思っていましたが、
もう、第一作目の段階で、珍味様に持っていかれてしまいましたね。
私の心の中、つまり意図を見透かされたようなお話でした。
なにより、全てのお題が、スムーズに違和感なく入っていましたね。
ちょっぴり、この凡庸なお題に、アイロニーも込められておりますでしょうか。
実際に、このお題をいれるとなれば、書き手側は、相当苦労するに違いありません。
重くといいますか、今風にいえば、ダサくなりがちだからです。
会話文にすることで、粋でお洒落な雰囲気にまとまりましたね。
なにより、情景がとても美しいです。
朗読向きのお話かもしれません。
あぁ、ぐずぐずしていたら先こされちゃいましたね。(笑)
この企画の主宰者である、ふたば様を差し置いて、長々とコメントをしてしまい申し訳ございませんでした。
素敵なお話をありがとうございます。
岡本綺堂は、一度きりしか読んだことがなく、また、読み直したいと思っていた矢先の事でしたので、偶々とはいえ、たいそう嬉しく存じます。
そうですね。「雨月物語」は、名作ですが、古典ですのでね。まぁそれをいうなら、夏目漱石も岡本綺堂もお若い方々にとっては、そう変りないと言った印象かもしれませんね。(笑)
いずれにせよ、秋の夜長、この素晴らしい企画に感謝しつつ、しばし楽しませていただきたいと存じます。
ではでは、このへんで。
下手の長談義。失礼させていただきます。
珍味様、皆々様、おやすみなさいませ。
2020年10月03日 22時10分
十五夜の眩しいくらいの月明かりの下、二人はそぞろ歩いている。もうべたべたくっついて歩くような間柄でもなく、微妙な距離を保ちながら歩いていた彼が突然口を開いた。
「私の好きな怪談は“雨月物語”ですが、特に“菊花の約”は秀逸なので、是非図書館で借りて読んで下さい」
「いきなりどうしたの?」
「一行でお題全部カバーしたぞ。すごいだろ」
「馬鹿じゃないの?何よ、それ?」
「この見事な月に何か一言添えたくなってね」
「でも、今のはダメでしょ。真面目にやんないと叱られちゃうわよ」
「じゃあ…月が綺麗ですね」
「それ、私に告ってるの?」
「今更君に告ってどうするのさ。本当に今夜は月が綺麗だと思ったんだ」
「でも、それって漱石がI love youの和訳例として挙げたんでしょ?」
「ところが、実際漱石がそう言ったという証拠は無いらしい。どうも都市伝説らしいね」
「なんだ。ちょっとがっかり」
「“影や道陸神(どうろくじん)、十三夜のぼたもち”」
「今度は何?」
「これは真面目に怪談絡みだよ。それも月にちなんだ物だ。岡本綺堂の“影を踏まれた女”に出てくる童歌さ」
「どんな話?」
「月夜の晩に、ある女性が、往来で影踏み遊びをしている子供たちに自分の影を踏まれた。彼女はそれを異常に気にする。影を踏まれるのは縁起が悪い、良くない事が起きるんじゃないかってね。実際、昔はそういう言い伝えもあったらしい」
「それで?」
「結論的に言うと彼女は不幸な目に会うんだが、大事なのはそれまでのプロセスだね。そっちが重要で面白いわけだが、ネタバレになるので、これ以上言わない。あとは自分で読んでみて。古い作家だから、それこそ図書館で探した方がいいだろう」
「結論がわかったら、もう読む気がしなくなったわ」
「君はいつもそうだな。結論に至るプロセスの段階こそが面白いのに……」
ふと気がつくと、微妙な距離を取って歩く彼の足が、一歩一歩じっくりと私の影を踏みしめている。
@カイト さん
こちらこそ、このガチガチな縛り企画の中、2話もお話を書いて下さり有難う御座いました( ᴗ ̫ ᴗ )
特に『叔父の白いネジ』は改稿前よりお話の背景に色が付いた感じがして「小指なのは約束という意味なのかな、それともケジメという意味なのかな」と、より妄想の膨らむお話になって、考えながら読むのがとても楽しかったです╰(*´︶`*)╯
新しいお題は風に揺れるように静かで美しく、とてもあんみつ姫さんらしいお題となっております。
私の中では、幻想の大収穫祭の予感にずっとワクワクしております(=゚ω゚)ノ
@綿貫一 さん
有難う御座います!( ᵕ̩̩ㅅᵕ̩̩ )
ずっと、ハロウィンとクリスマスには綿貫さんのお話が読みたいと思っていたのです。
それ以外にも、読みたいお話が沢山あるんですよねꪔ̤̥ꪔ̤̮ꪔ̤̫ ꪔ̤̥ꪔ̤̮ꪔ̤̫
読ませていただきました折には、綿貫さんのマイページに連絡いたしますね( ᴗ ̫ ᴗ )
ふたばさん
お話中、割り込みでごめんなさい。
怪談朗読拝聴いたしました。優しく耳に心地よい声で、自分の作品が格段によく聞こえニヤリです。
新しいお題もありがとうございます。あんみつ姫さんの考案なのですね。静かで物寂しい、いかにも秋というお題で素敵です。
今月と参戦させていただきます。さて、どんな話にしようかな。頭捻らせていただきます(笑
@ふたば さん
私の噺でよければ、読んでいただければと思います(ドキドキ…)。
@よもつひらさか さん有難う御座います。
ご迷惑だなんてとんでも御座いません!
むしろ、よもつさんの掲示板のパクリなので怒られるのではないかとすら思っておりました…(¬_¬)
私からすれば、よもつさんのお話も綿貫さんのお話も、この企画関係無しに朗読して動画化したいくらいです| |・x・`)ヨンデイイデスカ…?
まだ朗読を始めて1ヵ月も経っていない、初心者葉っぱなのでクオリティーは低いですけれども……
@綿貫一 さん有難う御座います🌱
そうなんですよね。私もよく怪談朗読を聞くのですが、同じお話でも印象が大分変わって面白いです(^^)
ちなみに、綿貫さんのお話を朗読するにあたり、名前的に明らかにお兄さんであろう誠一君が誠二君より声が若いのは、私の声域の都合だったりします_( :⁍ 」 )_
こんな素敵な企画が始まっているなんて気付きませんでした。
多忙につき、ほぼこちらに立ち寄ることも無く日々生活に追われてましてw
しかも、ふたば様の朗読、ということは、生声をお聞きすることができるということですね?
(≧▽≦)
必ず参加します!ご迷惑でなければ・・・w
@ふたば
ふたば様、素敵な朗読ありがとうございます。
人に音読してもらうと、自分で書いたものも、なんだか新鮮に聞こえます。
書き方もそうですが、読み方、噺し方、感じ方も人それぞれ。
同じものがないから面白い、ですね。
あ、あれ……、なんで…もう、2日……
遅くなってしまい申し訳御座いません_:(´ཀ`」 ∠):
ようやくお約束のものが出来ましたので、ここにURLを貼らせて頂きます。
https://youtu.be/DlNJ68yKIfA
遅れた分、ノイズをかなり小さく出来ました。
これを作業のBGMに、また10月もご参加下さいませ( ᴗ ̫ ᴗ )
皆さま、本当に有難う御座いました。
皆さま、おはよう御座います。
本日より10月となりましたので、新しいお題を発表させていただきます。( ᴗ ̫ ᴗ )
今回のお題は、あんみつ姫さんにご協力頂きました。
本当はいただいたメッセージの全文を貼り付けたい程に、とても想いの詰まったお題ですので、私も誠心誠意取り組みたいと思います。
以下、今回のお題をコピペさせて頂きます。
「十五夜」(月だけでもよいことにいたしましょうか。)
「図書館」(学校の図書館、公共の図書館、私設図書館問いません。)
「菊」(菊花であれば種類は問わず、名前等の応用もOKといたしましょうか。)
皆さま、奮ってご参加下さいませ( ᴗ ̫ ᴗ )
※9月分の朗読は本日の夜にあげさせて頂きます⊂( っ*´ω`*)っ🌱
@カイト さん、こちらこそ有難う御座います。
私も最初は自分独りしか参加しないんだろうなぁ、とオフ会0人気分を予想しておりましたので、こんなにも素敵なお話が沢山集まって嬉しく思います。( ᴗ ̫ ᴗ )
来月もお待ちしておりますね。
ふたばさん、素敵な場をありがとうございます。
来月も楽しみにしています。
『叔父の白いネジ』
縁側で葡萄を食べていると、突然叔父がやってきた。
「よう」
少しぎこちなく私の隣に座る。
「兄貴は?」
「ママと墓参りデート」
「なんだそれ」
お彼岸なんて頭にないであろう叔父は、勤め先のネジ工場の薄汚れた作業着姿だ。
だらしがない、と父はいつも文句を言っている。私は可愛がってくれる叔父が大好きだが、半年前の離婚は女と金にだらしなかったせいだと聞いたときには、さすがにドン引きした。
その後の落ち込みようには、少々同情してしまうが。
「どうぞ」
私は葡萄を勧めた。叔父の大好物だ。
口に運ぶとプツッと皮が弾けて、迸った赤紫色の果汁が叔父の作業着にシミを作る。
と、一滴だけだったはずのシミはみるみる広がり、たちまち作業着を赤黒く染めてしまった。異様な光景に私は言葉を失う。
しかし、叔父はそれを一瞥もせず胸のポケットを探ると、なにやら白く小さなものを取り出して、私に差し出した。
「これ、やるよ」
それだけ言って、さっさと立ち去っていった。
我に返って残されたものを見ると、それはごく小さな白いネジだった。
金属にしては軽く、プラスチックにしては表面がザラついている。薄気味悪く、それでいてなぜか温もりを感じた。
・・・・・
連休明け、叔父は職場で死んでいるのが見つかった。死亡推定時刻は連休前夜。
状況と遺書から、自殺に間違いないが、不思議な点もあった。
叔父の両手の小指が、おそらく死の直前に切断されていたこと。
指の切断後に切削工具を使った痕跡があること。その証拠に、工具も作業着も叔父の血に塗れていた。
小指も作ったはずのネジも、どこにも見当たらなかった。
そして、死亡推定時刻以降に叔父に会ったという私の証言。
しかし疑問はあったものの、結局は自殺で片がつき、数日後に身内だけで葬儀を行った。
叔父の元妻も参列してくれた。
彼女がハンカチとともに握りしめていたもの。それは、私が叔父からもらったあの白いネジと、同じであるような気がした。
【797文字】
「ネジ」の存在意義を考え直して書いてみました。
『峠の怪』
儂の爺さんの若い頃の話だよ。
峠のバス停あるだろ? 昔そこに、女の幽霊が出ると噂が立ったんだ。
幽霊は、なにかブツブツ呟いて立ってるだけなんだが、まぁ通る村の衆は気味が悪くて仕方ない。
ちょうど、修業中の山伏がお山から降りてきてたから、そいつに幽霊退治を頼んだんだ。
爺さんは当時二十歳で、山伏の先導をかって出た。血気盛んな若い衆は幽霊なんて信じてなかったから、尤もらしく引き受けた山伏がどうするつもりか見てやろうと思ったんだよ。
薄暮の頃、二人は彼岸花の咲く道を峠へと向かった。
すると逢魔時とはよくいったもんで、そこには本当に女がいたんだ。紫色の着物にざんばら髪。噂通りブツブツなにか呟いていた。
爺さんは腰を抜かしかけたが、山伏の手前もあるもんだから、虚勢を張って女の顔を覗き込んだ。
するとびっくり仰天。
女の両目には、大きなネジが突き刺さっていたのさ。ネジはギチギチと回り、女の目から赤黒い血がじわりじわりと滲み出ていた。
爺さんは、声も上げずに失神した。
気がついたときには、山伏の髭面が目の前にあった。
山伏は弄んでいた小さな二つのネジを爺さんに見せて言った。
「そこのエビカズラの木が、これを抜いて欲しいと言うてな。どこの悪童の仕業か、このような小さなネジでも身の内にあれば痛かろう」
恐る恐る近づくと、確かに道の脇に生えるエビカズラの根元には、小さいが痛々しい穴が二つあったという。
それから峠では、恐ろしげな幽霊の噂はなくなったんだ。
今もあのバス停のあたりには、エビカズラがたくさん生えてるよ。ん? あぁ、山葡萄のことだよ。爺さんは、去り際の山伏の白い口髭が、所々赤紫に染まっていたのを見たそうだよ。
そうそう。だからあそこは「えびの峠」というのさ。
ちょうど彼岸の今頃にはバスの車窓から、あそこに立つ紫の着物姿の女が見えることがあるらしいよ。
大丈夫、もうネジは抜けているからね。きれいな顔をしているそうだよ。
【796文字】
特に思い入れのなかった「地蔵様」をあっさり廃してみました。
わー、ギリギリなんとか訂正分が間に合いました!
おかげさまで、なんだか納得いく作品になった気がします。ご笑覧ください。
『刹那の華』
斉藤は拘束されていた。
右腕の手首から上腕に掛けて、無機質な矯正具が真っ直ぐに取り付けられている。
「流石は最強の武道家さんといったところかしら。頑丈な体ですわね、素敵ですわ」
昏い部屋で、少女が笑う。
「お父様にお願いした余興でしたが、正解でしたわ。一対一のデスマッチ、それに敗北した貴方は私の玩具」
スクスクと笑いながら、矯正具のネジを締める。
ギチギチと音が軋み、伸ばされた右腕がより一層強く引っ張られる。
「これでも声を上げないなんて素晴らしいですわ。これはどんなお花が咲くのか、楽しみですわね」
更にネジを回すと、ミチリと軋む。
「…もう直ぐですわ」
耳元で囁かれる。
ギチ…ミチ…
少女がまたネジを締めた時、斉藤の腕は破裂した。
ゴキリと骨の外れる音がし、一気に引っ張られた皮膚が千切れて反り返る。
一本一本の筋肉の繊維がブチブチと引き千切れ、雄蕊のようにバラバラと広がった。
血飛沫が上がり、絶叫が響く。
斉藤の腕は、紅く咲き誇る彼岸花のようだった。
「あらあら…折角綺麗なお花が咲きましたのに、煩いですわ…」
拘束の解かれた斉藤は地面に呻く。
「ですが、あぁ…本当に美しいですわ。刹那にのみ咲く彼岸の花。まるで花火のよう…いえ、それ以上ですわ。
だって、花火ではこんな飛沫を浴びる事なんて、出来ませんもの」
くすくすと微笑う少女は血を纏い悦に浸る。
(どうせ逃げられやしないなら…)
斉藤は咆哮した。
立ち上がり、右脚で少女の首元を蹴り狙う。
ドスッ、と渾身の一撃が直撃する。
「…武道家さんって、案外お馬鹿さんなのね」
痛みに耐えながらとは言え、常人ならば首が折れる程の強烈な蹴りの筈だった…
「あの闘技場で貴方をいたぶったのが誰なのか、もう忘れてしまったのかしら?」
直立不動のまま、紅い少女は言う。
得体も知れぬ恐怖に体が動かない。
嗤う少女の背中から無数の触手が伸び、再び斉藤を拘束する。
「さぁ、貴方の右脚は、どんな花を咲かせるのかしら」
【800文字】
皆さま、本日28日の23:59を持ちまして、9月のお題の締め切りとさせていただきます。
これを過ぎましたものは無効となりますので、御了承下さいませ( ᴗ ̫ ᴗ )
@とっつ さん
私もわりと機械音痴でしてね……
実は動画作成が出来るスペックのpcを持っていないので、スマホで録音・編集なんですよね、ですのでクオリティについては期待しないで下さいませ( °-° )
投稿するのは、今月の終わりに…と言いたいところですが、来月の頭になるかも知れません…… _( :⁍ 」 )_