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短編2
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不意打ち

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私が、中学生だった時のことです。

うちの家族構成は母と私と弟(2人)で、母以外霊感のレの字もありませんでした。

母は、よく金縛りや霊らしきものをみたり不思議な体験をしたそうです。

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一方、私はそのような体験は全くなく、むしろ、霊体験をしてみたいと思っていました。

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ある時、昔飼っていた猫の話になり、

その猫は、突然いなくなってしまったので、

『何処に行ったんだろな、車にひかれてしまったんだろか。』

『もう年寄りだったからな、猫は死ぬ時、何処かに行くって言うしな。』

『可愛かったなー、また猫飼いたいな。』

などと言う他愛もない話をしていました。

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その日の夜、寝床についた時、ふと飼っていた猫のことを考えていました。

たまに車にひかれている動物を見ますが、あんな風に死んでしまったのかと思うと、可哀想で仕方ない気持ちでした。

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そんなことを考えながらも、いつの間にか寝ていたらしく、ふと目が覚めました。

夏なのに冷んやりして、肌寒く、耳鳴りまでしてきました。

今度は身体が動かないことに気がつきます。

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これが【金縛り】か。

などと呑気に考えていると、猫の鳴き声が聞こえてきました。

それも部屋の中から。

飼っていた猫が会いにきてくれたんだ、と思い目を開けると…

目の前に、お爺さんが。

まさかの猫じゃなくてお爺さん。

そんな不意打ちに私は、気を失いました。

shake

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これは推測なのですが、うちの住んでいるマンション(昔は動物の飼えるアパートにいたので猫が飼えました)は数ヶ月前に、お爺さんが自殺していました。

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顔を知らなかったので確かめようがないですが、あの夜いたのはそのお爺さんだったのではないかと思います。

なぜ、猫の鳴き声をしていたかはわかりません。

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でも、今も忘れられません。

無表情で見つめ、暗闇に浮かぶ、お爺さんの顔が…

Concrete
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「お爺さん来てるから、驚くなよ!」と一声鳴いたのかな?

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