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お盆が近い事もあり
仏間を掃除していました。
障子を張り替え、仏壇の飾りなどを外して埃などを綺麗にしていました。
私の家は、仏壇の横にお釈迦様のような
木像で出来たものが置いてあり
これも拭かなきゃねー。
と言いながらおばあちゃんが
お釈迦様を持ち上げました。
手が滑りお釈迦様が落ちてしまい
左手の手首辺りが折れてしまいました。
あー、折れちゃった。どうしよう。
と言っているとおばあちゃんが
接着剤で固定すると言いました。
何まなきゃいいけどね。
お釈迦様だから罰があたるかもー。
など言っていましたが
引っ付けたんだから大丈夫や。
とおばあちゃんはあっけらかんとしていました。
翌日、私の従姉妹にあたる
ゆなちゃんがやってきました。
ゆなちゃんのお母さんが
暫くゆなちゃんを面倒見て欲しいと
おばあちゃんに言っていました。
書き忘れましたがゆなちゃんは当時
三歳くらいです。
おばあちゃんは、ゆなちゃんを連れて
散歩へ行くと出掛けていきました。
一時間以上経った頃です。
何処からか泣き声が聞こえてきました。
誰かな?と姉逹と話ながら
様子を伺っていると
泣き声がどんどん近づいてきました。
私と姉逹は泣き声のする方へ
向かいました。
泣き声はゆなちゃんでした。
どうしたの?と聞いたのですが
三歳くらいだった事もあり
何を言っているのかわかりません。
私のお父さん逹と取り敢えず
ゆなちゃんを泣き止ませ話を聞くと
おばあちゃんが田んぼに落ちて
動かないと言うのです。
私逹は驚きおばあちゃんを探す事にしたのですが私の家の回りには
田んぼがいくつもあり、何処の田んぼかもわからず手分けして
探す事になりました。
ゆなちゃんが歩いてきた方向から
探して30分程したら
おばあちゃんらしき姿が見えました。
おばあちゃん!と声をかけるのですが
返事はありません。
走っておばあちゃんへ駆け寄ると
痛みで顔を歪め田んぼに肩が浸かる
体勢のまま動けずにいます。
お父さんや近所の人逹を呼び
おばあちゃんを田んぼから出し
救急車を呼びました。
私逹子供は家で待機する事になり
近所の人も家で一緒に待つ事になりました。
数時間が過ぎ、夕方くらいになった頃
おばあちゃんはお父さんと
帰ってきました。
おばあちゃんを見ると
腕から指先くらいまでギブスを
していました。
おばあちゃん大丈夫?何があったの?
と聞くと
田んぼに何かいるかと思って、ゆなちゃんに見せて上げようとしたんだそうです。
すると、田んぼの中から泣き声と共に
手が出てきて、おばあさんを掴んだんだそうです。
耳元で手がいたいよ。と聞こえたそうです。
直感でお釈迦様だと思ったそうです。
おばあちゃんはごめんなさい。と何度も何度も謝ったそうです。
お寺さんに持っていくから、ちゃんと直しますから。と言い続けたら
消えたそうです。
おばあちゃんの骨折は
お釈迦様と同じ手首から腕にかけて
でした。
後日供養と謝罪の為にお寺さんへ
行きました。
接着剤で付けたから罰が当たったのだと
反省しこれからは大事に大切に
しようと思った出来事でした。
作者プラレール