中編4
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ねこまた

皆さん、ねこまた…いや

猫又ってご存知でしょうか?

色々説はありますが、私の知っている

猫又は長寿を迎え、死んだ猫が

尾を2つにして生き返ってくる

という話です。

今回は私の飼っている猫、

Mとしますが、その猫の

不思議な話です。

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私の家族は、皆動物が大好きです。

母は子供の頃から牛や鶏を始め

猫やネズミなどを飼っていて

結婚後、私達が産まれてからも

犬や猫、ハムスターや兎などなど

凄い数になります。

そんな動物達も野犬に襲われたり

共食いを始めたり、ゲージから

脱走したりして、現在は

知り合いに頂いた猫1匹に成りました。

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その猫がMちゃんです。

床屋さんで飼われていた為

とても人懐っこく、ウチに来て

2日間いなくなりましたが

3日間には戻ってきて家族の

一員になりました。

Mちゃんは、もうお婆ちゃん猫

ですが、毛艶が良く顔も凛とした

灰色の毛並みが似合う美猫です。

(これ以上は親バカになるので控えます)

私も動物好きなので、沢山愛情を

注ぎました。

そのおかげか、家族の中でも特に

私に懐いてくれ、猫に何かあると

家族から

「ほら、あんたの彼女が鳴いてるよ」

と、言われるほどです。

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そんなM(以降、M猫にします)が

ウチに来て3年位が経ったころでしょうか、

お婆ちゃん猫だけど長生きしてくれてる

そう家族で話していた時、M猫が

目の前でオシッコをし始めました。

今まで布団にされたことはありましたが

トイレの砂が汚れてたり、外に出していた時でした。

今回は普段通りいつも使用してる

猫砂に新しく変えて家の中に

あったのに、放尿をしたのです。

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それからです。M猫は少しずつ

おかしくなりました。

雷雨の日では無いのに

テーブルの下でガタガタ震えていたり、

普段風呂場に入らないのに

夜中に風呂場の鏡を立ち上がって

覗いていたりという事が続き

私は不安になりました。

そして遂に、食事を取らなくなりました。

この時は流石にショックを受け

必死に水でも飲むように頭を

抑えますが、拒みます。

母だけは、猫が寿命で死ぬのを2回

も見ていたので悟っていました。

泣き出す妹や私達に、

「もう寿命なんだよ、最期まで

可愛がってあげよう」

そう言いました。

頭で理解していても、感情は否定して

パソコンで病気なのではと

検索しましたが、症状の似た病気

がありましたが、治療に耐えられる

体力はありそうも有りませんでした。

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「このまま逝かせてあげよう。母の言う通り最期まで可愛がってあげよう」

私は覚悟を決めて、今まで以上に

可愛がってあげました。

shake

しかし、二日後M猫はいなくなりました。

猫は死ぬ時、縁の下など人目に付かない

ところで死ぬ。

母にそう聞いていたので、

遂にきたか

と、思って悲しみの中諦めました。

最後に見たM猫は、ガリガリに痩せ

毛並みが荒れてて見る影も有りませんでした。

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居なくなって、最初はきつかったですが

学業もあり、少しずつ悲しみが

薄れ始めて二週間が経とうとした

ある日、私がパソコンの電源を

消してボーっとしていた時、

黒い画面にM猫が写りました。

「え、M猫?」

そう思って後ろを振り返ると

確かにM猫がいました。

でも、そこにいたのは

最後に見た悲惨な姿のM猫

ではなく、生き生きしていた頃の

肉付きが良く毛並みの美しい

猫でした。

しかし、見た目も鳴き声も

確かにM猫。

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その数日間は家族みんなで

喜びました。

もう死にそうだった猫が

凛として戻ってきたのですから。

私が恐怖を覚えたのは

その数日後です。

その日、帰宅した私は

パソコンをつけYouT○beを

見てました。

夕方、夕日が居間を赤い空間に

作りあげていました。

急に見ていた動画が止まり

パソコン画面が真っ黒になりました。

そこには私を見つめるM猫が。

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私は少しビクッとして

後ろを向くと

「にゃーにゃー」

M猫が鳴いています。

テーブルの影で黒く見えたのが

印象に残っています。

「どうした、遊びたいのかー?」

私は耳掻きを取り、目の前で

左右に振りじゃらそうとしますが

無反応で鳴き続ける。

「にゃーにゃー」

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不気味に感じた私は

ふとこんな事を口にしました。

「お前、あんな事もあって帰ってきて驚いたよー。ただ死にそうだったのに、どうやって復活したんだ?」

M猫に話しかけても

「にゃーにゃー」

苦笑しつつ

「実は、猫又になったのかもな」

冗談のつもりで言いました。

でも、そう言った後

そこにいたのは

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shake

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無表情で沈黙し、私を

見つめる真っ黒なM猫。

勿論、猫に表情なるものは

ありません。

しかし無表情としか言い表せない顔で

何か禍々しい雰囲気を醸し出して

見つめてくるM猫。

影の所為なのか目が真っ黒。

その真っ黒な目で私を見つめてくる。

何分経ったのか私は目を離せず

その場から動けませんでした。

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いきなりM猫は動き出し、私に向かって

きました。

「う、うわっ!」

思わず声が出ました。

しかし、M猫は私を通り過ぎて

玄関に。

同時に

「ただいまー」

弟の声が玄関から聞こえました。

「おぉー、M猫出迎えご苦労ー!」

「にゃーお」

そのやり取りが聞こえ

私はその場でへたりと腰を落として

しまいました。

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その後、M猫は普段通り私に

接してくれますが

私は偶に怖くなります。

あの日を思い出して。

あの時、M猫が人語を話したら

私は家を飛び出していたと思います。

勿論、今もM猫は尾は分かれていませんし

人語を話したりしませんw

心霊的な話でなくて

期待していた方々は

スミマセン。

しかしあの日の恐怖は

文章に表し難い程でした。

Concrete
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