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初めに…
明晰夢(メイセキム:夢の中で夢だと認識して見る夢)
を見る自信のない人は止めておいてください
せめてヤバイとおもったら夢から目覚めるくらいはで きないとどうなるかわかりません
では…
俺も夢を見ました
それは生臭い、黒い闇からあいつが来るそんな夢を…
事の発端は、一回り歳の離れたいとこのAが相談して来たことから始まりました
Aが言うには、その夢を見始めたのは会社の同僚が最近ある夢を見るんだ…と、相談を持 ちかけてきて その後、消息をたってからだったのだという…
この時点でオカルト狂の俺は気付いてすぐに突っ込む
『待て、その相談を俺が聞いたらきっと俺のところに何か嫌な流れがくるんだろ?そうゆう負の連鎖的なことに俺を巻き込むな』
無視して話続けようとするあたり血筋にはさからえないんだよなぁと思う
Aはウルウルした目をこちらに向けながら頼む変わってくれよぉ~と懇願した…
その失踪したAの友人は明るい奴で仕事も真面目にこなし 人望もあつかった
Aも彼から仕事を教わっていたらしくしたっていたのだが、
最近家庭で上手くいってないらしくいろいろ話を 聞いていた
すると問題は夫婦間ではなく
夜寝れないという 肉体的にも 精神的にも 辛いと言うものだった
彼は夢を見るのだと言う
毎回何も見えない暗闇の中から始まる
外なのか 室内なのか もよくわからない
視界を奪われ
匂いも
音もしない
少したつと目が慣れ始め
遠くの方に人影が見える
そしてその人影の方から
べちゃ…
と何かが地面に落ちる音が聞こえてくるそうだ
気味が悪いとは思いながらそれがなんなのか気になり 目が放せない
少したつとまた
べちゃ…
影はその音がなるたびに少しずつ近づいてくる
べちゃ…
べちゃ…
べちゃ… べちゃ… べちゃ… べちゃ… べちゃ… べちゃ… べちゃ… べちゃ… べちゃ… べちゃ…
べちゃ…
影はいつの間にか自分に手が届くところまで来ている
もう気味が悪い…
「やめてくれ…」
彼はとっさにそう思ったそうだ
その瞬間バッと跳ね起き汗だくで目が覚めるという
こんな夢を何度も何度も見続けたそうだ
その影はなんなのかわからない
進展しない夢 朝まで繰り返される悪夢
そんな日々が続き Aに相談した次の日
彼は失踪した
それがちょうど3日前の話
その夜からAは彼の言っていた夢を見るようになった
一昨日はまだ遠い段階で近づいてくる前に夢をね じ曲げ目覚めた
昨日は一昨日の続きだった
それも暗闇の中に入ったのを感じるとすぐ目の前に影 が立っていた
目をギョロっと飛び出さんばかりに見開きAを見ていた
慌てて夢をコントロールしようとし
念じたそうだ…
「目覚めろ…」
「目覚めろ…」
強く念じた
次の瞬間Aは文字通りバッと跳ね起き 気持ちの悪い汗をかきながら背筋が凍りつき全身の毛 が逆立つのを感じていたそうだ
荒い息を落ち着かせるのは一苦労だった
安心するまで目を見開き 暗い部屋の中少しの光を探し回った
『そうだ…携帯、携帯…』
携帯を手にもって とりあえずボタンを押した
このボンヤリした光にすがる自分が情けないと笑いなが ら
ふぅ…と安堵のため息をはいた
その時 深いため息をはくために吸った空気に混じった異質な臭いが鼻を突く…
べちゃ…
生臭い…
自分の顔の横に影がいる
まだ夢の中にいるのか!?
Aにはわからなくなった
その瞬間 気を失ったのか ファラオ(愛犬)の吠える声で目が覚めたのか
Aは何も変わらずベッドに横になっていた
ただファラオは扉に向かって吠え続けるのをやめなかったという
もちろんその後は寝れなかった おかげで今日1日寝不足で仕事がつらかったそうな…
はぁ…それを俺に擦り付けてくな…心底そう思うのに聞き続けるのはなにもAを助けたい一心だけではない
俺も数多くいる好奇心旺盛な怖がりの1人だからだ
そしていろいろ考えていて同僚の言った言葉が気にな った
『いろいろ聞いてくれてありがとな、
これで楽になれるよ…』
楽になれる?
楽になったなら話の流れでわかるきがするが
楽になれるよ
ってなんだ? まるでこの夢がAの方へ流れてくることを知っていた みたいじゃないか
まぁ強烈な話だったから覚えていて見たのかもしれな い
なんにしろ今となっては彼にも聞けない
誰も彼がどこにいるのか知らないのだから
かといって俺は経験したくないので…
確かめられるとすればこの話を読んだ貴方のところに もこの夢が伝染する事…
そうすれば俺も楽になれる…
今夜
俺のところに来ないことを願って
変わってくれませんか?笑
作者Incubus
一回り歳下ないとこのAと俺のトラブルメーカーな2人がだいたい自業自得な目にあうシリーズ物です
ゆっくりですが更新していくつもりですのでよかったらどうぞ