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このお話は ある兄弟のお話です
兄と弟はいつも相思相愛で仲がとてもよかったのでした
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兄と弟は声が見分けがつかないほどよく似ていました
よく電話で兄が電話に出ると 弟と間違われることがよくありました
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ある日 弟に とても可愛い彼女が出来ました
しかし兄は弟に彼女が出来たことに少し嫉妬していました
しかもとてもかわいくて 笑顔の素敵な彼女だったのでなおさらです
そして弟は 彼女とたびたびデートするようになりました
そして
次第に兄と弟が接する機会も減っていくようになりました
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ある日 また弟が彼女とのデートをすると聞いた兄は こっそり弟を尾行することに決めました
特に何かをしようとか思っていたわけでもなく 弟が彼女とどんな風にデートをするのか気になり始めたからです
弟は待ち合わせらしきところで足を止めました
兄は物陰で弟を見張っていると
弟のほうに とても綺麗な女性が向かっていくのが見えました
二人は手をつなぎ 横断歩道を渡りながらどこかへ向かおうとしていました
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兄は当然みつからないように尾行し続けました
そして弟と彼女だと思われる女性は あるレストランへと入っていきました
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レストランの中は休日なので人がいっぱいでにぎやかでした そのことが幸いしてか兄は 見つからないように
弟の状況を探りやすくなっていたのでした
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弟とその彼女は テーブルが並んでいる方へ向かい 一番奥のテーブルのイスに腰掛けました
兄はこっそり見つからないように 弟から死角になっている場所を見つけ 腰掛けました
ふたりはとても仲良く会話をして食事を楽しんでいました
弟の彼女の笑顔はそれはそれは かわいくて 兄の嫉妬心はさらに強くなりました
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その後 兄はレストランを弟に見つからないようにこっそり抜け 家に帰宅しました
帰宅後はもうすっかりあたりは暗くなっていました
弟も家に帰ってきました 弟は満足そうに自分の部屋へと入って行きました
そして あまりにも弟がうらやましく思ったのか 兄はあるイタズラをすることに決めました
兄は弟が風呂に入っている間に 弟の部屋に忍び込みました
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当然仲もいいので
鍵もかかっておらず 簡単に部屋に入ることが出来ました
兄の思惑通り 机の上に弟の携帯電話が置かれていました
兄はその携帯電話を手に取り 着信履歴などを調べ 弟の彼女らしき携帯番号を発見し
その電話番号に電話をしました
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数秒たって 彼女が電話に出ました「もしもし〇〇君?」弟の名前が呼ばれました
「そうだよ」と兄は嘘をつきました
兄と弟は見分けがつかないほど声がよく似ているので 彼女はすっかり弟だと信じ込んでいました
兄「今日はデート楽しかったね」 彼女「楽しかったねー またどっか行こうね」
そんなやりとりが続きました
何度かやりとりが続いた後
なんと 兄は突然とんでもないことを口にしたのです
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兄「あのさ突然で悪いんだけど 俺たち別れよっか 他に好きな人が出来たんだ」
彼女「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
電話はそのまま途切れてしまいました
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次の日 なんと弟の彼女は 昨日の電話での会話を真に受け 失恋を苦に 飛び降り自殺をはかって死亡してしまいました
兄がほんのジョークのつもりで言った一言が
彼女を死に追い詰める一言になってしまったのです
作者ダダ
何気ない日常に潜む恐怖