中編3
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プリン

風呂上がってカラダがぽっかぽか

冷たいものないかと冷蔵庫を開ける

上の棚に3個入りの旨そうなかぼちゃプリンを発見

誰のか知らんが一個はいただきます

テンション上がって一口で食う

自室のソファーにドシ~ン

足伸ばしてくつろぎまくる

嗚呼、一日つっかれた~

テーブルのケータイ取って、彼女ちゃんからのメールチェック

返信無し(T_T)

ちょっと凹む

そのままケータイのブックマークから速報ネタを読みあさる

すると部屋の扉をノックする音

トントントントントントントントントン…

ああ、ノックで誰だかわかる

兄貴だ

開いてるよー

「おいプリン食べただろ?」

食った。

「…」(無表情)

一個くらいいいべ~?

「ふざけるな、買ってこい」

いやいやいや、あと2個あるだろ?

「…」(無表情)

悪かったよ明日買っとくからさ

「勝手に人のものを食べるな、返せ」

だからごめんて

「買ってこい」

やだよ、もう遅いし今日はもう勘弁してよ

「買って来たら許す、分かったな」

バタン

でたよ、糞兄貴

今年で35?二次元の世界に生きる引きこもりのニート

謎に嵐のファン

ママンに買ってもらったプリン、弟に食われたくらいで切れんのかよ

ガキか

兄貴が部屋の扉を閉めた瞬間、分かるように即鍵を閉めてやった

今外に出て、わざわざプリンを買いに行くのはめんどうだ

シネニート

気分悪い

寝ちまうか

おやすみ、皆

で、目覚めたのが夜中の3時

トントントンガチャガチャトントンガチャガチャガチャガチャトントントントントンガチャガチャ…

ニートに睡眠を妨害される~

耳栓しても、聞こえる~

うるっせえええええええ!!

言ったら、パタッとノックが止まる

翌日、部屋の扉を開けると、廊下の壁に張り紙

《プリンをたべたのはおまえだゆるさないころす》

玄関の扉に張り紙

《プリンをたべたのはおまえだゆるさないころす》

車のガラスに張り紙

《プリンたべたのはおまえだゆるさないころす》

俺の出勤する際通るルート全てに張り紙

車に関しては、ガラス全面に貼られていた

コピー機こんなつまらねーことに使うな!

車に関しては、貼りすぎ!

ってゆーか、ガラスに直接テープはんじゃねー!

跡付いたら承知しねーぞこら!

フロントガラスの張り紙をベリっと剥がすと、兄貴の顔が現れた

車の中に兄貴がいる(無表情)

こっち見んな!

張り紙をベリっと一枚剥がす度

兄貴がガラスに顔を寄せてくる

こっち見んな!

フロントガラスと、運転席側の紙をベリベリ剥がす

後ろのガラスに手を伸ばしたとき手が止まる

《プリンたべたのはおまえだゆるさないころす》

の紙がクッシャクシャのヨレヨレ

紙の端の部分をつまんで剥がす

兄貴の顔が覗く

満面の笑みだ

後ろのガラスに張り紙は四枚あって

四枚共、真っ赤に染まってた

車を一周して全ての張り紙を剥がし終える

よく見ると兄貴が笑みを浮かべ、ケータイを耳に当てている

兄貴はケータイなんて持っていない

友達がいないからだ

見覚えのあるケータイだ

見覚えのあるキラキラしたストラップが揺れている

♪♪♪♪♪♪♪♪

背広のポケットでケータイが鳴っている

ケータイを取り出し開くと

着信:彼女ちゃん

ケータイは狂ったようにチカチカと彼女ちゃんの名前を表示する

兄貴は相変わらず、満面の笑みだ

通話ボタンを押すと、兄貴が口をパクパクさる

時間差でケータイの電話口から兄貴の声が聞こえた

「俺のプリン食べただろ」

トランクが自動開閉でパカンと開く

音につられそっちを見る

トランクの中が気になり、無意識に足が動いた

嫌な臭いがした

後のことはあまり覚えてない

俺はただ、トランクの前で立ち尽くすだけだった

トランクの小さなスペースに、女性が変な姿勢で折りたたまれている

彼女ちゃんだ

おっぱいが片方、切り取られている

トランクを閉めると

車の中で兄貴がそれにしゃぶりついていた

Concrete
コメント怖い
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