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短編2
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交通事故

ある日の夜、友人のUから電話があった。

時刻は12時をまわっていて俺も、そろそろ寝ようかとしてた時で少し不機嫌で電話に出た事を覚えている。

「あぁ?何した?」

俺が聞くと奴は、少し震えた声で…

「あ、J?あのさ…ちょっと○○○まで来てくんね?」

はあ?と思ったこれから寝ようとしてたのに急に何処何処に来てくれって、冗談じゃない。断ろうとすると。

「いや、マジ、やべえ事になっちまって…頼むよ…助けて…」

人から助けを求められるのは生まれて初めての経験だった…だが面倒は嫌だった。だいたい時間が時間だし…やはり断ろうとするが、さらに奴の声は力なく震え、お願いだから…と頼んで来た。

仕方なく着替えを簡単にし、出かける事にした。

十数分で奴が待つ場所に到着し、どうしたのか聞いたのだが、正直、俺は固まった…

人を引いちまった?マジか?

返す言葉はひとつしかなかった。

「救急車は呼んだのか?警察は?」

首を横に振る。

「その引いちゃった人は?何処?」

首を横に振る

「黙ってちゃわかんねえよ、何処?」

奴はようやく震える声で

U「こ…この先に電話ボックスあるだろ?そのもう少し向こう行ったとこ」

俺「そんなとこに放ったらかしにしてなんで救急車呼ばず俺なんかに電話したんだよ!」

U「多分あれ、死んでるし、救急車呼んでも無駄かなって…」

俺「いや、わかんねえだろ死んでるかなんて!」

U「いや!あれは絶対死んでるって…俺見て来たもん、顔が…その……とにかく死んでんだよ!」

これじゃ埒が明かない…俺は奴とその事故現場に行く事にした。嫌だと言っているが無理やり引っ張り連れて行った…

「そ…その辺りだ。」

歩いて数分あたりで奴が言った…が…

…?

何もない。「う…う…嘘だろ?」と、奴は完全にパニックになっていた。何処を探しても奴の示した場所には死体は転がっていなかったのだ。

「もっと向こうだったんじゃないか?」

俺がそう尋ねるとそんなはずないと辺りをキョロキョロと見回している。

しかし、見つける事は出来なかった。

きっと生きてたんだろと俺はまたさっきの待ち合わせ場所に戻る事にした。

奴は納得出来ていないのか、曖昧な返事をしながらも小走りでついて来ていた。

車の置いてある場所に着き、俺はとにかく、人を引いた事は事実なので、一緒に行くから警察に行こうと奴に話した。

奴は声にならない感じでウンと返事をし、

両者自分の車に乗り込み警察署に向かう事にした…奴の車が前を走る形になり俺は後ろからついて行く、車道に出た…その時、俺は目を疑った…

奴の車の後方バンパーに顔の潰れた死体がしがみついていた…死んでいたかは定かでは無いが…

Concrete
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