皆さんも毎日、風呂に入っていることだろう、
これは、俺の元カノが体験した悲劇である。
……バケツにはホロぬるい湯が張られている。
あたしは、いつもの様に小さな桶で湯をすくい、体を流した…
我が家には風呂桶なんてたいそうなモノは無い、仕事も、ろくすっぽしない父のお陰で、あたしの家は、ひど過ぎるほど、貧乏だ…
…臭いと言われることなんか慣れたもんで…あたしはその言葉を褒め言葉にさえ感じている…でも…
ある日、街の酒場、(今はそんな呼び方しないの?)BAR??…まぁ、あたしの行きつけの店があったのね。そこで、ある男性と知り合ったの。で、いろんな話をしてる時、急に彼がおかしな事を言いだしたの。
「あのさ、京子ちゃんってさ、ちゃんと洗い流せてる?」
あたし…は?って顔で彼を見たの…そしたら彼、こう続けたの
「いや、なんっうの?あの、えぇ…と、霊?違うか…エッと…幽霊?そう!幽霊!!あのね…なんか…五人くらい憑いてんだけど…」
気色悪い…
何でさっきまで、あんなに、いい感じだったのに、そんな事言うかなぁ…つか、洗い流せてる?って。。意味わかん無いんですけど?
急に彼が言った言葉にムッとしていると、店のマスターがこう言い出したの。
「あぁ、京子ちゃん、こいつ…なんか…幽霊とか見えるみたいなんだよ…」
気色悪!
何それ?あたしにそれをどうしろと?その時に急に彼から発せられた言葉がこれ…
「風呂、入ってる?」
カッチーーーーん!!!!!!
何それ!
最低!
信じらんない!
(まぁ…バケツ風呂ですけど?)
「馬鹿にしてんの?あんた!」
「ちげぇよ?いや。マジで!…で…でも、…五人連れってのがさ…」
あーたーしーはー!連ーれーてーる!!つーもーりー!!無いんですけっど!!??
すると、彼が続ける…
「風呂とか入るとさ、流れるのしってる?
これマジなんだよ!排水と一緒に怨念も流れちゃうんだぜ!いや、マジで!」
信じろっての?…はっ!?馬っ鹿みったーい!
完全に馬鹿にした顔で見てんのにさらにつづけるの。
「下水の工事やったことあんだけどさ。。本当っやばかったぁんだわー!!ウヨウヨいんだぜ?地縛霊とか、かなりやべぇのも!いや、マジで!」
だからなに?
「クッソ本当の話、風呂はいれば落ちんだよ、怨霊。」
マジ顔?本気なの?つまり…あたし…憑いてる?
五人だっけ?…分かった今日銭湯行く。。
落ちなくて呪われて死んだらあんたを呪うからね?覚悟してね…
作者退会会員
この彼女から感じたのは、この子を本当に愛してる感じの霊だった…
落ちなかったのは、内緒。