すみません。どうも我慢できませんでした…自分に嘘はつけないものですね。まだ話は、ありますので、投稿させて下さい。
『六角塔・陽介の見た恐怖』
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僕には親友と言える友達が居なかった。
大学に入学して初めてだったんだ、親友が出来たのは…
聡(さとし)…彼は身体が細くガリガリで弱そうな男だった。でも何時も明るくて、僕のトリッキーな性格にも顔色変えず、合わせてくれていた。
僕は大学のサークルで軽音部に所属していた。そこで、とりわけ異彩を放っている強面な男が居た。名前をヒロアキ君…漢字はどう書くかなんて忘れちゃったけど、彼とも知らぬ間に友人になって居た。最初は不良だと思って嫌いだったけど、彼の演っている音楽が僕の好きなロカビリーに精通していることから話が盛り上がり、よく彼とつるむ様になったんだ…
その日も何時もの様に彼らと話をして居たんだけど、急にヒロアキ君が…まぁ、いつものことだけど、心霊スポットの事を聞いて来たんだ。
僕が知っているのなんてたかがしれてるけど、一つだけヤバイ場所を知っていて、教えたんだ…
「六角塔…だったかなぁ…確か面白半分で行くと頭が狂っちゃうヤバイトコで…実際にウチの大学のコにもおかしくなって、自殺しちゃったって噂、聞いた事があるよ…まぁ、噂だけどね。」
聡の引きつる顔が笑えて、僕はニヒニヒ笑っているとヒロアキ君が行こう!と言い出す。
すると、聡の顔の血色がさらに悪くなり、今にも倒れそうになって…さらに笑えて僕はプハッ!と笑ってしまった…
「おい!?陽介?…聞いてるか?行こうぜ?場所知ってんだろ…?」
ヒロアキ君がどうしても行きたいとのことだったので、僕は場所も知っている事もあって、承諾した。
…………………………
流石に聡は連れて行くのはかわいそうだと思ったがヒロアキ君が強引に彼を連れて来た…
「何で僕まで行かなくちゃいけないのさ…二人で勝手に行けばいいじゃないか…」
聡がそんな事を漏らすと、ヒロアキ君の鉄拳が飛んだ。聡は、仕方なくついて行く事を承諾して僕の車に乗り込みいざ六角塔へ…
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国道までは良かったが、何とも狭い道が続き正直、肩が凝った…
カーステレオからヒロアキ君が持ってきたザ・ネクロマンティクスのCDが大音量で流され…ギャーギャー騒ぎながら、いよいよ六角塔に着き、僕らは車を降りた。
聡は勿論、顔面蒼白………………ぷっ…ゴメン聡。
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入れる入口を探そうと建物をぐるりと回る…でも、見つからなくて仕方なく窓から入る事になった。
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一部屋一部屋見て回るが、一階には何も無い…あったと言えば、血の付いたシーツとベット位だったか…
二階。ヒロアキ君の様子がおかしくなった…
「僕、お母さんにもう、会えないかもしれない…」
は?意味がわからず、聡と顔を見合わせて居ると、急にヒロアキ君が走りだし廊下奥の窓に飛び込んでいった…
なに?どうしたのさ?
僕らは混乱して……………………………
気がつくと僕らは走り出していた。ヒロアキ君を助けなくちゃ!それしか頭に無かった…
しかし、階段の踊り場にある窓から身の毛もよだつ化け物が窓を割り侵入して来た。
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僕はその場で転びソイツに捕まりそうになったが必死で逃げた!逃げた!逃げた!逃げた!
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一階の先ほど侵入した窓を開け、飛び出した!
恐怖で足が震えていたが、ヒロアキ君を助けなければ…
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聡もようやく窓から飛び出したて来た。
車の方に走り出す聡。
ひでえ…ヒロアキ君置いてく気かよ!
……………
説得して二人でヒロアキの捜索に向かった。
さっきの踊り場で見た化け物がいませんように…と、願いつつ、ヒロアキ君が飛び込んだ窓の下まで来た…
居ない…
何処を捜しても…
この高さなら怪我はしても、死ぬ事はないかもしれない、だが、打ち所が悪くて…と言う最悪の事態も頭をよぎっていた…
草の丈が高く捜索は難航した…
こんな事をしている間に、さっきの化け物がまた、来てしまう…怖くて頭が真っ白になりかけたその時…聡が窓を見上げながら
「ひどいよヒロアキくん!僕らめっちゃビビったんだよ⁉」
と怒鳴った…
は?ヒロアキ君、中に居るの?と、窓を見上げたが、誰も居ない…なんだ?
すると聡が今度は反対側に見える塔を見上げながら煙が出ているなどと言うので、そちらを僕も振り返る……
え?なんで?今は使われてないはずじゃ…
かつてこの場所で亡くなった患者たちは、この場所で火葬されていたと話を聞いたことがあった。
あの塔はその火葬場の煙突。
しかし、今は使われて居るはずもなく、錆びれてている…嘘だろ…?なんで…
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月が眩しい位に明るく辺りを照らしている…
(ガサ…)
う…な…何かいる…
すると、聡が震える声でヒロアキ君が建物の中に居るから見に行こう的なことを口にした…
そうだね…嫌な予感がする。今すぐここから立ち去ろう…
と、振り返ると
shake
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僕は怖さのあまり尻餅をつき、言葉にならないことを叫んだ…
………………………………………
と、いう記憶が俺様の頭の中に今も残っている。
こいつの身体は居心地がいい…しばらくはこの男の体にいさせてもらおう。
この話のその後は、聡の話の通りさ…あ、いや、ヒロアキはあそこの番人の親父が…へへへ。
作者退会会員