杉下さんと叫ぶ女はあれ以来出てこない。もちろん、鍵もポストの口も開かなくなった。
ただ友人の父が亡くなりそこを引っ越すことになった。
原因は脳梗塞だった。
友人は父の死はあの女がもたらしたものだと考えたそうです。
そこでその女が住むマンションに向かうと異様な空気？臭い？忘れましたが、女がいる部屋の扉には何重にも鎖と南京錠が張り巡らせ封印してるようだと思ったそうです。まあ開けるなんてできないので、諦め女がいるマンションを後にして自宅の部屋の片付けを始めました。
しばらくすると友人はいつも通りにタバコを吸うためにベランダにでると、やはりあの女が友人と同じタイミングでベランダに立っていた。女は終始不気味な笑みを浮かべながら頭をユラユラと揺らしていたらしい。
よく見ると女は口パク？何かを喋っているようだった。
友人は部屋に戻り片付けの終盤まで差し掛かるとピンポーン…ピンポーン…チャイムが鳴り扉についた小さな窓？から覗くと誰もいない。またしばらくするとピンポーン…ピンポーン…友人は勢いよく扉を開けるとそこには猫、鳩の頭部がない状態で幾つも置かれていた。友人は警察に通報し取り調べの時に、女の話をしたそうです。
警察は汗を流しながら
『この女に似ていたか？』
友人はその写真を見て驚いたそうです。『ハイ…でも、こんなに綺麗な人があんな風になるなんて』
警察は他の刑事と顔を合わせ
『いや、この女は数年前に部屋で変死体として発見されたんだ、まだ殺人なのか自殺なのか、わからないんだ』
友人は数年前の女の写真を裏返しにし『僕は明後日で引っ越すんで
帰っていいですか？』
警察は頭を掻きながら『あぁ…手間取らせて悪かったね…マンションまで送るよ』
友人はパトカーに乗り自宅に向かうとマンションの入口にあの女が立っていたそうです。
『君…あれが見えるか？』
友人は後部座席から前を見ると確かにあの女が立っていた。
『嫌な予感がする…君の実家はここから遠いのか？』
友人は焦る警官を見て友人も焦る『ハイ…めちゃくちゃ遠いです』
警官は汗を流し『そうか…ここで降りてくれないか？』
友人は『いや、友達の家が近所なんでそこに行きましょう！』
警官は何度も頷き『よっよし！案内を頼むよ』
結局、家には帰れず友達の家に泊まり朝方に自宅に戻り引っ越す準備を始めていた。
休憩を挟みベランダにでると向こうのベランダには女はいない
友人はホッとしてタバコを吸っていると、ガチャ…友人は固まった
その扉が開く音が後ろから聴こえたから…ヒタ…ヒタ…と裸足の足音。友人はタバコを落とし震えていると『杉下…杉下…杉下…』
友人は恐る恐る振り返ると、そこには誰もいない…
友人は疲れているかもしれないと思いソファに座り気付いたら寝てしまっていた
重たい瞼を開くと目の前にあの女が立っていた。
その女はあの時、カメラに写っていた仮面を被り奇声をあげていた。『アァァァァァ！グァバラ！グァバラ！ヒヒヒヒヒッ！！』
身体は金縛りで動かない…
女の身体は人間の動きとは思えない動きを繰り返していた。
女は『杉下ァァァァァァ！』と叫び頭を激しく上下に振り出した
仮面をしているせいもあり
気味が悪い『クッククククククッ！アハハハハハハ！！』
女はピタリと動きが止まり友人のほうへと振り向く
仮面を外し友人に近付く
身体は動かない…
『おい！君！大丈夫か！』
昨日の警官だった、ライトの光を当てて名前を呼ぶ
女は金切り声をあげベランダから飛び降りた
警官は慌ててベランダから下を照らすが女はいない…
警官は署に応援を依頼。
女がいると思われるマンションに向かう。部屋の鎖と南京錠は切られ部屋に入る。
数年間は誰も出入りが無かったにも関わらず天井、部屋一面に鳩、猫の死骸も無数にあった。
そして壁には『杉下は床に眠る』
と謎めいたメッセージが彫られていた。すると、そこに大家さんが駆けつけた『なんてことを…あの子は殺されたんだ！あの杉下という男に！！』警官は大家さんを抑える『杉下という人物はいません！』『違う！私がこの部屋を封印した理由は杉下を閉じ込めるためだよ！！あの子は…悪くない！』
大家さんが言うにはあの狂った幽霊女はあの部屋を守る守護霊？的な存在で杉下という悪霊をその部屋に封じ込める役目があったという。しかし、守護霊だとしても力及ばず杉下が抜け出し彷徨うことがあり、だからあの狂った幽霊は抜け出した杉下を探すためにこの周辺に姿を現すということでした。鳩、猫の死骸は大家さんが杉下を封印するために集めたそうです。結果、大家さんは逮捕。
長文失礼しました( ´Д`)y━･~~
まだまだ続編を書くつもりなので応援よろしくお願いします。
作者SIYO