夏休み、私は父と母・姉夫婦と小さい頃からよく遊びに来ていた湖へ涼みに来ていた。
その湖は結構大きく、バス釣りなどを楽しむ人も多く、もちろん避暑地としてやBBQ目的で来る人などで賑わっていた。
でも、そんな賑やかな湖だが
死体がよくあがる場所でもあった…。
女の子が行方不明になり、死体で発見された事件もあった。
きっと湖の中、今だに藻に引っかかり浮いて来れない遺体もあるであろう…。
そんな湖だった。
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トランプをしたりボートに乗ったり、バドミントンをしたり、読書をしたりと大自然を感じならがら過ごしていた。
夜になり、父は車で、母と私・姉夫婦とで別れてテントで眠りに着こうとしていた。
うとうとし出した頃、テントの周りを歩く人影と足音が聞こえた。
私「ねぇ、お母さん」
母「ん?」
私「なんかテントの周り歩いてるよ」
母「◯◯(姉)かねぇ…◯◯?」
返事がない…
が、母が呼びかけたら足音と影が止まった。
そしてしばらくしたあと、今度はテントを叩いて来た。
私「もう!!なんなん?!」
姉のイタズラだと思った私はテントを開け外を見たが誰も居なかった。
姉達のテントに目を向けてみたが、テントの中で灯りを付けていて、2人の寝そべっている影が見える…
姉夫婦たちのイタズラではなさそうだった。
私は首を傾げながらテントを閉めた。
その瞬間…
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今度は四方八方からテントを叩く手の影が!
ばんばんばんばんばんばんばんばんばんばんばんばん!ばんばんばんばんばん!!
もう私と母は何が何だか分からなかった。
あちらこちらから叩かれ、テントが激しく揺れた。
長く感じたが、きっと30秒もなかった出来事だろう…叩く手は一斉に消え、静まり返ったテントの中で母が。
「◯◯?!」
大きい声で叫んだ。
姉「あーー?」
姉夫婦のテントの方から声が聞こえた。
私は恐る恐るテントの外を見たら、姉が自分達のテントから顔を出し、目をこすりながら「なに?」と声を掛けて来た。
私と母はテントを出て姉夫婦の所へ行き、さっき起きた恐ろしい体験を話した。
姉「あたしじゃないよ?寝てたし」
母「じゃぁ、何だったのさっきの…
誰かのイタズラ??」
私「いや、絶対イタズラとかじゃないよ
あんな大人数で叩いて、逃げる足音も
何もしなかったじゃん」
母「幽霊?」
私「多分ね」
話したあと、私と母は自分達のテントに戻ろうとした時。
私はふと湖の方へ振り返ってみた。
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すると、湖の中から覗く青白い手があった。
おいでおいで…と言っている様に、
その手は私を手招きしていた。
きっとその手も、私のテントを叩いた手も
湖の中でまだ見つけてもらえてない人たちの手でしょう。
お粗末な体験話しに
お付き合いありがとうございました。
作者夏みかん