ある夏の茹だる様な暑い日。
私が通っていた高校の近くに、古い旧トンネルがあり、そこは心霊スポットとして割と有名な場所でもありました。
部活の仲間たちと、先輩、先輩の友人数人で肝試しをしよう!となり、そのトンネルへと向かいました。
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肝試しと言っても、まだ日も落ちていなく
明るい時間からのプチ肝試し。
その旧トンネルは新トンネルの隣りにありました。
まだ空が明るいせいか、噂の心霊スポットとは程遠い雰囲気…
私「何だ、意外と普通だね」
期待はずれと言わんばかりに肩を落とした。
先輩「まぁ、とにかく中入ってみよーぜ」
トンネルの入り口には板が打ち付けてあったが、心霊スポットとして有名な場所だったので、誰かが剥いだのだろう、人が通れるくらいの隙間が作られていた。
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トンネル内は暗く、水が溜まっていてジトジトとした嫌な空気が立ち込めていた。
H「ははっ、結構中は雰囲気あるじゃん」
先頭を切って入って行った先輩の友人Hが楽しそうに言った。
M「怖い…やだ!ムリムリムリ!!
奥まで行くの?むっちゃ怖いし……」
ぶりっ子の部員Mが赤ら様に恐がる。
H「大丈夫だよ、夜じゃないし
別に何か出たりしないでしょ、多分」
M「えー?多分なの?!」
S「怖いなら入り口で待ってれば?」
先輩のSが呆れた顔でMに言った。
M「えー!行きます行きます!!
1人で待つとか無理ですってば!!」
たわいも無いやり取りをしながら奥へ奥へと進んで行った。
トンネルの長さは然程長くは無く、出口が薄っすらと見える位だった。
ちょうど半分を行くか行かないか位で異変に気付いた。
その異変に気付いたのは1番後ろを歩いていた私だ。
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私「ねぇ、何か聞こえない?」
M「ちょっ!やめてよ!!」
Y「何が?何も聞こえないよ?」
Mの親友Yが首を傾げ私の方へと振り返る。
S「天井の雫が落ちる音とかじゃなくて?
何が聞こえたの?」
私「………… アシオト」
H「え?」
私「気のせいかも知れないけど、
私の後ろから足音が聞こえた…」
M「やめてよ!!怖いってば!!」
Y「だって◯◯の後ろって誰も居ないじゃん」
その言葉を聞いて、分かってはいたけど、より一層恐怖を感じた。
S「出口まで急ごう!!」
先輩のその一言でみんな一気に早歩きになった。
私たちが歩く足音に遅れ
ぴちゃん ぴちゃん ぴちゃん
まるで濡れた素足で廊下を歩く様な、そんな足音が聞こえた。
みんなソレを聞いたのか一斉にトンネルを走り抜けた!!
いやぁああぁ!!!!
うわあぁぁ!!
走り出したらトンネルの出口は直ぐだった。
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トンネルを出て明るい景色へと戻った。
みんな一気に走り、息を切らしてうなだれる様に自分の膝を手で抑え、呼吸を整え様としていた。
M「はぁはぁはぁ…助かったの?」
私「はぁはぁ…分からない。
MもYも、先輩達も聞こえました?」
H「聞こえた…なにあれ、マジか…」
S「………」
H「どーした? S 」
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S「 脚が多い… 」
作者夏みかん