深夜2時、パトロール中に制限速度50㌔の国道を明らかに遅いスピードで走る一台のワゴン車がいた。
警官はすぐにその車を路側帯に誘導し車を止めるよう指示してその車の運転席へ向かった
どうやら運転手は60過ぎくらいのおばあちゃんと
後部座席に2人いる。2人とも眠っているようだ。
警官『おばあちゃん、この道、50㌔以上で走らないと駄目なんだよ』
おばあちゃん『なにを言ってるんだい、わたしはちゃーんと速度まもってるでないかー』
警官『おばあちゃん、明らかに50㌔でてなかったよ?』
おばあちゃん『ホレホレ、あの看板に書いとるがな』
自信満々に警官の後ろを指差した。
警官が振り向くと、
国道28号線…
どうやらこのおばあちゃんは、国道の看板を制限速度の看板と勘違いしこの道路を走っていたらしい。
警官『おばあちゃん、あれは速度の看板じゃなくて国道の看板だよ』
おばあちゃん『ありゃ、国道の看板なのかい。看板が多すぎてどれがなんだかわからないねー』
とりあえずおばあちゃんも気づいてくれたみたいだ。
警官は後部座席を振り返った。
よく見ると後ろの2人は寝ているのではなくて、気を失っている。
警官『おばあちゃん!後ろの2人どうしたの?』
おばあちゃんは後ろを振り返り不思議そうにこう言った
『おやおや、ついさっきの国道368号線を通るまでは平気だったんだがねー』
警官はおばあちゃんを県警本部へと
誘導することになった。
作者neo