実話なのですが、未解決のためよくわからない点等があります。
初心者なので読みにくいかと思います。
あとかなりの長文です。
ご了承ください…
私には霊感というものが全くありませんが、昨年の夏から奇妙なことが起こり始めました。
一番最初に起こったのは、朝起きると、妊娠中の大きなお腹に血が滴るほどの引っ掻き傷がヘソから足元に向かっていくつもできていたことです。
こんなに血が出るほどの傷じゃ夜中に起きるはずだし、この傷のできかたは自分じゃできないはずなのにどうして…?
と、多少気味が悪くなりましたが、数日もたてば忘れていました。
そしてその日から、ある押し入れの天井の板がずれるようになりました。
私の家の天井は細い柱のようなものが横に並び、その上に薄い板が乗せられている構造になっていて、軽く上に押しながら横にずらせば簡単に屋根裏に入れるようになっているのですが、今まで2年も住んできて一度もずれことがなかったのに、夏の怪奇現象以来頻繁にずれるようになったのです。
しかもずれるのは決まって、北側の部屋の一番右側の天井だけでした。
それが何度も続き、今度は玄関をノックする音が聞こえるようになりました。
でも、ドアスコープを覗いても誰もいない。
正直このころから怖くなりはじめ、近くの神宮に相談しましたが相手にしてもらえず、そんなに気になるならお札でも買っていったらどうだと言われ、気休め程度にいくつかお札を購入しました。
モノは試しと、さっそく玄関にかざってある絵の後ろにお札を張り付けました。
その晩のことです。
私の母から「今からいくね」とだけ電話があり、待っていると勢い良く玄関が叩かれました。
私はちょうど夕飯の準備で揚げ物をしていて聞こえなかったのですが、主人がビックリしてあわててドアを開けにいきました。
しかし、ドアの前には誰も居なかったのです。
その日、いつまでたっても母は来ず、連絡してみるとそんな電話した覚えがないとのこと。
主人も、母と話している私の姿をみているので、そんなはずはないと言うのですが、母は本当に連絡していないみたいで、終始ごめんね、間違ったのかも、と申し訳なさそうにしていました。
私はこの時、もしかすると霊的なものが家の中に入るためにわざと玄関を開けさせたのではないかと思っていました。
それからも同じように天井があく日々が続き、一年がたとうとした時です。
クーラーを効かせるために寝室を締め切っていたのですが、隣の部屋との境目の襖がガタガタと鳴り出したのです。
これには息子も驚いて泣き出してしまい、主人も何事かと飛び起きましたが、襖が尋常じゃないほど揺れていて、さらに隣の部屋が例の天井があく部屋だったので、とてもじゃないけれど襖を開ける気にはなりませんでした。
ガタガタなるのが一向にやまず、ふと襖を見てみると襖には1枚のお札が貼られていました。
いつもは開けっ放しにしてあるので、重なっていて見えなくなっていたのですが、前にわたしが貼っていたのを忘れていました。
寝る前に気づいていたのですが、眠すぎて剥がす気になれず、そのままにしていたのです。
きっとこのお札のおかげだ!
そう思い、押し入れの奥から半年ほど眠っていたお札を引っ張りだし、もうひとつ通路があるので、そちらのドアに貼り付けました。
しばらくして襖のガタガタがやみ、息子もおとなしくなったので、明日もういちど神宮へ行こうという話になって眠りにつこうとした瞬間、ベランダにつづくガラス戸からドーン!という大きな音がなりました。
恐怖に怯えながら、主人がカーテンをひくと、そこには顔と手をガラスにおしつけた人のようなモノがはりついていました。
真っ暗で顔と手以外は認識できませんでしたし、目は大きく見開かれていて、女性なのか、男性なのかもはっきり分かりませんが、多分女性だったと思います。
人間あまりにも恐怖にさらされると悲鳴すらもでないようで、息がつまって全身の血が引いていくのがわかりました。
主人も同じように呆然としていましたが、私の手からお札をひったくると、両手でガラスに押し付け、セロテープをとってこいと怒鳴りました。
幸い、寝室にテープがあったのでそれでお札を貼り付け、カーテンを締めました。
しかし、ガラスを叩く音は止まず、一晩中どんどんと鳴っていました。
翌朝、カーテンをあけると、ソレの姿はもうありませんでした。
近隣の方に、うるさくしてしまって申し訳なかったと謝りにいくと、なんのことだと首をかしげられてしまいました。
誰も夜中の音を聞いていなかったのです。
さすがに怖くなって、お払いに来てもらいましたが、結局なにが原因なのかはわかりませんでした。
お払いの後は天井が開くこともなく、平和に過ごしています。
作者ぷー