有名な都市伝説です。
この話を知っている方多いかと思いますが、投稿させていただきます。
小学生の頃この話を聞いて一人で寝れなくなったのはいい思い出です。
昔の記憶をもとに話をしますので、多少おかしな部分はあるとは思いますが、お許しください。
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あなたには仲間がいますか?
どんな苦しいことでも一緒ならば乗り越えられるような仲間たちが。
B『Aちゃん、大丈夫?』
大学生のAは彼女の優しく自分を呼ぶ声で目を覚ます。
周りを見渡すと目を真っ赤にしてAの名前を呼ぶBのほかにも、ベットの周りに友人のCとその彼女のDもいる。
A(どうして俺はこんなところにいるのだろう…あぁそうか…)
意識を取り戻したAに、次第にあの忌まわしい事故の記憶がよみがえる…
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大学の夏休みを利用して、Aはいつもの仲間たちB,C,Dと共にAの運転する車で山奥にある温泉旅館に向かっていた。
B『温泉楽しみだね♪』
C『ホント温泉楽しみだよな!!特に今回は(ニヤニヤ)』
A『激しく同意(ニヤニヤ)』
D『なんであんたたちそんなに嬉しそうなのよ?』
A『だって今回の温泉は…』
C『混浴だからさwww』
B,D『あんたたちホントサイテーッッ!!』
そんな他愛もない話をしながら、すっかり日の暮れた峠道を車は走っていた。
もう少しで旅館に到着…と思っていた時、けたたましいクラクションの音とともに、車内が明るく照らされた。
後ろからトラックが煽ってきていた。
B『なによ、びっくりするじゃない』
C『ホントだよな。おいA、あんま気にするなよ?』
でもこのとき、長時間の運転の疲れと煽られたことによるイライラから仲間たちの忠告は耳に入っていなかった。
思わずアクセルを踏む右足に力が入る…
C『おい、聞いてんのか!?』
D『ちょっとA!!危ないってば!!』
A『大丈夫だってば!!』
ますます上がる車のスピード…
ちょっとした過信だった。
仲間たちの忠告に耳を貸さなかったことが、楽しかったはずの旅行を台無しにしてしまう結果にな
ることとは知らずに…
B『Aちゃん!!前!!』
Bの悲鳴に近い声で我にかえったときには、もう目の前にガードレールが迫っており…
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A『みんな…本当にごめん。』
自分の仲間たちの忠告を聞き入れなかった行動で、せっかくの旅行をだめにしてしまった…
うなだれるAにCが声をかける。
C『もう気にすんなよ。みんな無事だったんだからさ。』
D『まぁもし死んでたら絶対許さなかったけどねwね?』
C『うん♪w』
A『B…』
Bは不安に自分の顔を見るAの目をみて、微笑みながら頷く。
不幸中の幸い。
自業自得のAがかすり傷をおっただけで、他の仲間たちは無事であった。
たったこれだけの傷で自分は罪を償ったのだ…とAは思った。
本当によかった…
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その後、Aにも目立った外傷はなかったため、すぐに退院した。
A(本当によかった…)
あの病院のベットの上では、こんなに早くいつも通りの幸せが戻ってくるとは思わなかった。
Bとのデート中ふと考える。
B『…ねぇってば!聞いてるの?』
A『あ、ごめん。ちょっと考え事してて…何?』
B『もう…。だからぁ、私こんな水着が欲しいんだけど。』
A『え?でもBにはこんな水着のが似合うと…』
B『バカッッ!!そんなの着れるわけないでしょ!!』
Bとのいつも通りのやりとりから無事だったことを実感する。
もし一歩間違えれば全てを失っていた。
そう考えるとゾッとする。
今ある当たり前の幸せを二度と手放してはいけない。
Aは嬉しそうに水着を選ぶBを見て、決意した。
ふと、B越しに店員が目に入る。
何やら怪訝な顔をしながらこちらを見ている。
目が合うと店員はフッと目をそらした。
A(なんだよあの店員。感じ悪いなぁ。男が彼女と一緒に水着選んじゃいけないのかよ!!)
たしかに女性ばかりいる店内で彼女と一緒とはいえど、Aの存在は浮いていた。
A(まぁ試着ルームもあるし、仕方ないか…)
そう考えながら腕時計に目をやる。
A『ヤバい…』
B『ん?なに?』
A『もう15時10分前じゃん!!やべーよCたちに怒られちまう。』
今日はCたちと一緒に遊園地に行く約束をしていた。集合場所は大通りにある公園の噴水前。時間は15時。2人は急いで店を出た。
…
A『待たせてワルい!!』
焦って言ったためか声が裏返ってしまった…
その声に周りの人々も反応する。
Aは顔が赤くなるのを感じた。
C『おせーよ!!』
D『まぁいいじゃない♪恥もかいたんだし許してあげようよw』
くやしい…
1人赤面状態のAを放置して、遊園地に向かって歩き出す3人。
いつも通りの日常だ…
またそんなことを考えながらAは3人の後を追った…
しかし、一度動き出した運命の歯車はとまらない…
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…
E『おい、A。今日暇か?』
大学のキャンパス内を歩いている時、同じゼミのEに声をかけられた。
E『今日さぁ、ゼミのみんなで飲みに行くんだけど、お前もどうだ?わざわざ夏休みに教授の勝手な用事で駆り出されたご苦労さん会ってことでw』
A『あ、悪い…今日はちょっと用事が…』
E『そっか…あ、てかさー、最近お前さぁ…』
B『Aちゃん!!』
声のする方を見るとBが手を振りながらこちらに走ってくる。
A『ああいうことですから、今日はちょっとwじゃあな』
E『あ、おい…』
首をかしげるEを横目にBのもとへと走っていった。
…何かが狂いはじめていた
本人も気づかぬうちに
少しずつ…
しかし確実に…
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そして…
C『はい、撮るよー。ハイ、チーズ』
A『じゃあ次俺撮るよ。こっちむいてー…ハイ、チーズ』
夏休みも終わりに近づき、再び温泉旅行を企画したAたち。
あの日成し遂げられなかった目的を果たすために、あの温泉旅館を目指していた。
目指す宿はもうすぐ。
しかし、それは同時にあの忌まわしい事故現場を通り過ぎることを意味していました。
B『…もうすぐあの場所よね…』
A『うん…』
静まり返る車内。
C『Aにはそんな顔似合わねーよ!!』
D『そうそう♪笑顔がかわいいよ~w』
C『ほら、この写真みたいに笑えよ』
そういって後部座席からデジカメを差し出すC。
さっき撮った写真か。
Aはデジカメにフッと目を落とし、先ほど撮った画像を見た。
その瞬間、Aは自分の目を疑った。
A『なんで俺だけ…』
写真には笑顔でピースサインをしている自分しか写っていない。
おかしい…
この写真にはBとDも一緒に写っていたはずなのに…
次の画像に切り替わる…
A(これは俺が撮った写し…!?)
どうして…
A(どうしてなにも写っていないんだ!?)
頭が混乱する…
A『なんで…』
C『なんでって、生きてるのお前だけだもん』
D『そうそう♪』
え!?
よく考えたら何かがおかしい…
あの事故から…
店員の怪訝な顔…
噴水前での周りの人の異常な反応のよさ…
そして、Eの不審な目…
助手席のBの方に目をやる…
そこには血まみれになったBの姿が…
ルームミラーに目をやると
そこにはBと同じように血まみれのCとDの姿が写っている…
目の前にはあの事故現場が…
B『許さない…あなただけが生きてるなんて…』
C『許さない…お前のせいで俺たちは…』
D『まだ死にたくなかった…』
A『うわーーーッッ!!』
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いつでも
いつまでもずっと一緒に
それが
仲間なら…
作者ぼんぼる