クリスマスや年末が近づいた冬のある日
僕は終業式を終え、午前で学校が終わりました。
僕の地元には、スーパーや薬局、コンビニ、本屋、そしてオフィスなどが1箇所にかたまった所があります。
下校途中にあり、便利なので、時間がある時はよく本屋に寄ったりしていました。
その日も時間があったため、本屋でマンガを物色していました。特に欲しいものも見当たらず、隣のコンビニに寄って帰ろう思うと、やはり昼時ということがあって昼休憩のサラリーマンやOLさんがパンやお弁当を物色しているのがみえたのですが、ふとコンビニから若い女性が出てきました。
茶髪ですこしカールがかって、赤いコートを着た後ろ姿に、高2で思春期の僕は瞬時に あ、かわいい と思ってしまいました。
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コンビニに寄らずにそのまま彼女のあとを追い、外に出ると、ふと彼女の姿が見えなくなったのです。
あれ?などと思いながら少し立ち止まっていると、後ろから女性が僕を追い抜いていきました。
その姿はまさしくその女性で、なぜ後ろにいるんだろう…?と思いながらも、まあいいかと思うと、彼女はオフィスビルに入って行ってしまいました。
諦めて家に帰ることにし、ぽちぽちとスマホをいじりながらのろのろ歩いているとすぐ横をまたあの女性が追い抜いたのです。
なんだろう…?とは思ったのですが、昼時で外は明るいですし、なによりその女性の顔は見えないはものの可愛いと確信していた僕はそれ以上なにも不思議には思いませんでした。
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自宅のマンションが近づいた頃になって、お腹がとても痛くなり、早歩き気味に家へ向かい、ロビーを抜けて、エレベーターを見ると、運良く1階にエレベーターがいたので、なんとも嬉しい思いでした。
意味はないとわかっていてもエレベーターの上ボタンを連打して、開くと同時に食い気味にエレベーターに乗り込むと、そこにはあの女性がこちらに背を向けて立っていました。さすがに驚いた僕は女性に話しかけてみることにしました。
「あの…降りますか?」
すると彼女は
無言で首を180°回転させて
とてもニヤニヤした顔でこちらを見ていました。
こう文字にするとさほど怖くないですが、
思い出すと今でも鳥肌が立ちます。
作者そら-3