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中編4
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さくらいろvol.2

早番からのラストまでの仕事が終わりアパートに帰ってきた。

暦の上では夏が終わったといえ忙しい日はやはり汗ばむ。

私は一日何回もお風呂に入る。少なくても2回は入る。シャワーだけじゃなく、湯船に浸かる。

母にはよく怒られるし、先輩にはその乾燥肌はお風呂の入り過ぎから来てると指摘された。

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それでもお風呂に入りたい。

さて、母は買い物に行くと言い先ほど出掛けた。これなら文句を言われずゆっくり入れる。

わが家は母と私の二人暮し。父とは物心つく前に離婚していて、離婚後の父のことは知らない。

◇◇◇◇◇◇

湯船に浸かりながらぼんやりする。

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一日に何度もお風呂に入り、その度に顔、頭、体を毎回洗う。その割にバスアイテムは特にこだわりはない。

オイルクレンジングでメイクオフしてウォッシュで顔を洗う。

ヘアシャンプーは取り敢えずノンシリコン。それと、美容院でなんだかんだと勧められたヘアトリートメント。これはせっかく買ったし勿体無いので使ってる。

コン…コン

あれ…お母さん帰ってきたのかな。随分早いけど、忘れ物でもしたのかしら。

なーにー?

…とは言ったものの応えはない。

気のせい、…だったみたい。湯船から出てトリートメントを流し、コンディショナーを馴染ませる。

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コン…コン

音がしてすぐに後ろを振り向いたが、お母さんはいなかった。

お風呂のドアはすりガラス状で脱衣所に誰かいれば透けて見えるわけだが、そこに母の姿はなかった。

まぁ、気のせいにしておこう。お風呂場は音が反響するから。

コンディショナーを流すため、またシャワーで髪を流した。

軽くタオルドライした髪をざっくりまとめて、体を洗ってお風呂を出た。

お風呂から出るときに気付いたが、薄ピンクのうすぺらいものがすりガラスの脱衣所側に張り付いていた。

手に取りゴミ箱へ捨てる。

指先大のそれは、思いの外なめらかな肌触りでティッシュより薄かった。

スキンケアもそこそこに、髪を乾かす。けれど、この時期ドライヤーを長く使うと汗ばむので、頭皮に近い部分だけ手早く乾かしてスイッチを切った。

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今日はこの後、友達と遊ぶので自室に戻り化粧を始める。

テレビではお笑い芸人がネタを披露していた。見るとはなしに化粧を続ける。

カタン!!

後ろの棚で音がした。突然のことで驚き、振り返ると棚の上に置いあるお気に入りの香水の瓶が倒れていた。

丸っこい瓶なので倒れることはまず無いのに。

が、右のつけまつ毛を付けてる最中なので、席を立つことはできない。出掛ける前に戻すことにして、左に取りかかる。

約束の時間が迫り急いで仕度をして家を出た。

香水の瓶のことはすっかり忘れて。

◇◇◇◇◇

待ち合わせの場所に着くと友達は既に車から降りて待っていた。

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あれ?しのー、助手席だれー?

私を見つけて寄ってきた友人が車の中を覗き込みながら言う。

ぽかーん。私、ものすごく呆けた顔をしてたと思う。

ほのか、何言ってんの??

え?あ!気のせいだったみたい!!ごめんごめん!

マジ、ビビらせんなってー!!

ほのかには先日の怖い体験を話してあったので、からかわれたと思った。

イラッとしたらお腹が空いた。ほのかに驚かされたので、夕飯は奢ってもらった。

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でもさー、しいの。さっきホントに隣に誰か見えたんだよ。先輩か誰か乗っけてるのかと思って。

また、コイツ怖いことを…。けど、最近身の回りでなんとなく不思議なことがあるのは確か。

あれ?って思う程度で怖くないから気にしてない。

なのに…。

ねぇ!しいの!先輩も言ってたけど、お祓いとかしてもらったら?悪いものだったらイヤじゃん?

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ほのかの心配性は日頃からだ。だから待ち合わせも彼女の方が絶対早く着く。

そういえば、ほのちゃん。さっき助手席に見えたってどんな人だった?

ほのかにはあの時ホテルで見たひとの特徴を細かくは言ってない。

んーとね。服装までは分からないけど、髪はボブだったよ。色は暗かったかなー。横顔綺麗だったよ!でもなーんか暗かったんだよねー。顔も白いし。白いってか青白い感じ?あ、女の人ね!

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マジか…。

あの時見た人と一致する。なんで助手席に??私憑かれてんのかな。やばいかなー。。。

黙り込む私を心配してほのかは、やっぱりお祓い行こうよ!!と勧めてくれる。

これは行った方がいいんだろうか。

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◇◇◇◇◇◇◇

自宅に帰ると母が寝ていた。寝るにはまだ早いだろうと思いつつ、近くにあったひざ掛けをかけた。にしても、そこ、ソファーだよ?なんて起こす無粋な真似はしない。寝ている母のほうが静かでいい。

自室に戻りながら香水の瓶のことを思い出した。そうだ!忘れてた。起こそうと思ってたのに、急いでいて転がしたままだった。お気に入りなのに可哀想なことをした。反省しながら、棚に寄る。

お気に入りの香水瓶。その周りにある小物たち。あのときは瓶の他にも色々倒れてたなー。

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けれどそれは綺麗に並んでた。

え?私、直して行ったのかな。。。なんでだろ?

今日は不思議なことが少し多い気がする。そんなことを考えてたら、

shake

後ろからぞくりと視線を感じた。

続く

Concrete
コメント怖い
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来道様。
しーちゃんに憑いていけばまた功くんに会えますしね(*´ω`*)
自宅には女性しかいないので難しいでしょうから( ・`ω・´)

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あゆ様。

そうなんです。どうやら憑いてきたようです。けど、すごーく地味な霊障なんですよね。何が言いたいんでしょうか(゜_゜)
気になりますね(*_*)

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や、やはり!

複数プレイがしたかったんだ(;´Д`A

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あらら...憑いてきちゃいましたか?
派手な霊障が無いけど現実に自分にも起こっていそうな地味不思議現象が余計に身近で怖い!(  Д ) ゚ ゚
続き気になるのですぐ読ませて頂きますッ!

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彩貴様。

なんと!受験生でしたか!?それはそれは気にならせてごめんなさいΣ(゚Д゚)
書いてる私も続きが気になっちゃって、一気に書いてみました( ・`ω・´)
投稿したので、お勉強のキリのいいところで続きもよろしくお願いします(^^ゞ
そういえば受験シーズンなんですね!志望校合格を祈ってます(*^^*)
こちらこそ、今年もよろしくお願いします。m(__)m
大人になってもアニメのコナ○を見てるローザより。

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続くーーー!!笑 どんなタイミングですか!! 名探偵コ○ンの前編の最後みたいでしたよ!笑
もー、続きが気になってゆっくりコ○ンも読めないです…
まぁ受験生なので読んでる暇もないのですが…笑
続きを楽しみにしてます!
あ、今年もよろしくおねがいします(^-^)

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霞様。
コメントありがとうございます(*^^*)ラストはぞくりとしますね(^_^;)それに車に乗ってたらイヤですよね(´Д⊂ヽ
さて、あの女性は人なのか、人ならざるものなのか…お楽しみに(*^_^*)

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読み終わると、ぞくりとしました(ー ー;)
怖いですね。けど、それより続きが気になってモヤモヤします…>_

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