楽しかったロンドン観光一日目が終わってホテルに帰って来た佐藤たちは疲れていたし、明日も早いのでもう寝る事にした。その夜、佐藤はある夢を見た。夢の中で佐藤は気付くと森の中にいて、ただひたすら走っていた。「一体ここはどこだ?何故俺は走っているんだ?」
佐藤は心の中でずっとそう思っていたが、体は走るのを止めない。やがて佐藤の体は限界に達してようやく走るのを止めてくれた。「ハア、ハア。」 息を整えていると目の前に一人の女が現れた。「……君は?」佐藤が息を整えながら女に質問する。「私は…ルーシー。あなたを呼んだ者よ。」
そこで佐藤は気づいた。ルーシーの声が昼間の飛行機内で自分の脳裏に助けを求めてきた者の声と同じだと言う事を。「助けを求めてきたのは君だったのか?」「ええ、そうよ。」それからルーシーは佐藤に助けてほしい内容を伝えてきた。
何でもルーシーは第二次世界大戦中に戦死した女の兵士であり、佐藤に自分の上官を助けてほしいとの事だ。「俺にその上官を成仏させてほしいって事?」「ええ。それから沢山の戦死者たちの方も頼むわ。」「な、何でそんなに沢山の霊を!?」「そうしないとこの国は大変な事になるの!」
「どういう事?」「彼ら戦死者たちが一体化してこの国を滅ぼそうとしてるのよ!急がないとどうなるか。」「その戦死者たちが一体化してこのイギリスに復讐を果たすまでに何とかして欲しいんだね?」「そうよ、だからあなたに…。」話を聞いた佐藤はやむ無く相談に乗る事にした。
佐藤はルーシーにまずは上官を助けてほしいと言われたのでその上官が亡くなった場所を聞こうとするが、突如突風が二人を襲う。「何だこの風は!?」「戦死者たちの妨害よ!上官が成仏すると彼らは怨みの力を失ってしまうから…」「ルーシー!戦死者の怨みの念と上官にはどんな繋がりが!?」
佐藤が聞こうとするも、ルーシーは忽然と姿を消してしまい、佐藤も突風に飛ばされてしまう。「ウワーッ!!」そこで佐藤は目をさます。「夢か…。でもあの夢は彼女が俺に依頼する為に俺に見せたものに違いない。言われた事をするしかないか。」
佐藤はイギリスに来てまで除霊する事にうんざりしつつもやる事にした。それからしばらくして起きた勤たちに夢の内容を話すと、二人は早速興味を持った。そこで佐藤は数珠を出して上官の霊を探す事にしたが、全くキャッチ出来なかった。
理子「ダメなの?」佐藤「ああ、何度やってもダメだ。全く見つからない…。 」勤「ロウソクとか使って見るか? 」佐藤「いや、それでも結果は同じだ。」理子「じゃあどうするの?」佐藤「もうしばらくしてからもう一度やってみるよ。」
気分転換に佐藤たちは外に出掛けた。今日も晴天であり、佐藤たちはロンドンバスに乗る事にした。佐藤(昨夜の夢の中でルーシーが言ってた上官が成仏すると戦死者は力を失って事が気になるな。もしかして…。)そう思っていると突然バスは急停止した。
「ウワーッ!!」乗客たちが悲鳴を上げる。そしてバスは車と正面衝突して大破する。これによって佐藤と勤と理子以外の乗客は全員死亡してしまう。この事故を佐藤は戦死者たちの妨害だと悟る。その後警察が来て三人は事情聴取を受ける事になった。
ようやく解放されたのは夕方だった。「あーあ、ひどい目に遭ったな!」勤が愚痴っぽく言う。理子も続いて文句を言っていた。そんな二人に佐藤はホテルに帰ってからあの事故が敵の妨害だと言う事を伝えた。勤「じゃあ、早いとこ解決しないとお前危ないじゃないか!」
佐藤「ああ、何とかしないとな。」佐藤はまた数珠を出して上官を探すが結局見つからなかった。佐藤「やっぱり本人が亡くなった場所がわからないとどうにもならないな。」佐藤が困っていると突然理子が…。「場所はスコットランドヤードよ!急いで!」と告げて倒れる。
「理子!?しっかりしろ!理子!」勤が呼ぶと理子は起き上がったが本人は何も覚えていなかった。佐藤「今のはルーシーだ!」理子「えっ?」佐藤「ルーシーが理子の体を借りて教えてくれたんだよ!」そこで佐藤たちは夜になってからスコットランドヤードに向かう事にした。
ースコットランドヤードー「ここに上官の魂がある。」佐藤はヤードを見るなりそう言った。因みにスコットランドヤードとはロンドン警視庁の事だ。
見張りの警官に見つからないように裏へ回った佐藤は数珠を出して上官の霊に呼び掛ける。
作者おにいやん
今回は前回の続きです。佐藤たちの冒険はまだ続きますが、どうぞ楽しみに待っててください。