しかし、上官の霊は姿を見せなかった。佐藤「おかしい、何故だ?何故姿を現さないんだ!?くっ!」ガン!佐藤が腹を立てて壁を殴る。するとそこへ一人の男が走ってきた。勤「やべっ!見つかった!?」走ってきた男はそのまま理子にぶつかる。
理子「きゃっ!」男は理子にぶつかった勢いで持っていた鞄を落としてしまった。勤「おい!危ないだろ!!」勤が英語でそう怒鳴ると男はすぐにその場を立ち去った。勤「何だよ、アイツ!最悪だな!」しばらくしてから一人の警官が走ってきた。
怒られる!と思った勤だったが、警官は三人の傍に落ちていた先程の男が落として行った鞄に注目していた。警官がその鞄を開けると、中には大量の札束が詰まっていた。その後勤たちはロンドン警視庁でまた事情聴取されるハメになった。
佐藤が話を聞いてみると、どうやら先程の男は三人組の銀行強盗犯の一味であり、あの大金は銀行から盗まれた金らしい。それからしばらく事情聴取を受けたが数時間で終わってようやく佐藤たちはホテルに帰れた。
勤「いやー、まさかあの男が銀行強盗犯だったとはな。」理子「ほんと!ビックリよねぇー!」佐藤「俺は降霊に失敗した事が未だに気になるよ。」佐藤は降霊に失敗した事をまだ根に持ってる様だ。勤「気にするなよ!ちょっとしたスランプだよ、スランプ!」
理子「そうよ、きっといつか成功するわよ!」佐藤「だといいんだけど。」その後勤たちは時間が遅い為にもう寝る事にした。その夜、佐藤はまたも夢を見ていた。気付くと佐藤は昨夜と違って廃墟と化した街にいた。街のあちこちからは煙が上がっていたり炎上したりしていて、まるで戦争による被害を受けた街の様だった。
「これは…まさか第二次世界大戦中のイギリスの街か!?」佐藤がそう直感すると目の前にまたもルーシーが現れ、「その通りよ、さすがね。」と佐藤の思ったことを決定づけた。佐藤「ルーシー、一体どうして上官の霊は現れないんだ!?」ルーシー「それは彼ら戦死者たちが強い霊力であなたに分からないようにカムフラージュしているからよ。」
佐藤「なら、どうすれば上官と対話できるんだ?」ルーシー「上官と対話するには彼ら戦死者たちから上官を切り離さなければいけないわ。」佐藤「その上官と戦死者たちは一体どんな理由で繋がっているんだ?」ルーシー「それは…」ルーシーが話そうとしたら突然飛行機が現れ、爆弾を投下してきた。
佐藤「ウワーッ!!」ハッ。そこで佐藤は目をさます。「また夢か…。しかしまたしてもルーシーに上官と戦死者たちにどんな繋がりがあるかを危機損ねるなんて。それも二晩続けてか…。これも敵の妨害なのか?そうなると奴等戦死者たちと上官とどんな繋がりがあるのかますます分からない。それさえ分かれば。」
佐藤は朝になるまで考えたが結局何も分からないまま朝を迎えた。翌日になって勤たちに今日はホテルに残る事を伝えてもう一眠りする事にした。佐藤は横になると同時に一気に深い眠りに落ちた。するとまたも夢を見ていた。それはある軍隊たちが戦争に出て大勢死亡する夢だ。
さらによく見てみるとその戦死者たちの中にはルーシーの姿もあった。「ルーシー!?って事はまさかこの軍隊はルーシーの所属していた部隊?それじゃあこの軍隊がルーシーが言っていた、上官を強い霊力で俺に分からないように擬装していた戦死者たちか!」
佐藤は即座にそう直感した。そこで佐藤は目覚める。「今のは…ルーシーが俺に知らせるために見せた夢か?それとも偶然見ただけか?佐藤は疑問だったが答えは出なかった。「よし!こうなったらあの戦死者たちに照準を合わせて霊査してみるか。」そこで佐藤は早速数珠を出して戦死者たちの霊に探りをいれてみた。
しばらく意識を集中していると何かが 見えてきた。よく見てみると、それはかなりたくさんの数の戦死者たちの霊だった。「これが俺の邪魔をしてきた戦死者たちか。」さらによく見ると、微かだが上官らしき人が見えた。「あれがずっと探してた上官か。やっと見つけたぜ!」
それからすぐに佐藤はロンドン警視庁に向かった。ーロンドン警視庁ー「よし、着いた。さて、誰にも気付かれないように昨夜の所に行くか。」佐藤は昨夜同様裏に回った。そしてもう一度数珠を出して、今度は上官ではなくて戦死者たちの降霊を始めた。
すると目の前に戦死者たちの霊が現れた。そこで対話を試みた。佐藤「戦死者たち、今すぐ上官を解放しろ!さもなくば俺が力ずくでお前たちから上官を切り離してやる!」戦死者「やなこった。誰もお前の言うことなど聞くものか!」
佐藤「なら仕方ないな。」そう言って佐藤は戦死者たちから上官を切り離そうとした。しかし、その最中に突然頭に激痛が走って佐藤は意識を失ってしまう。
作者おにいやん
今回で「夏休みの大冒険」は三度目になります。短い上に文章がよくないので読みづらいと思いますが是非読んでみて下さい。最後に佐藤渉に一体何が起きたのかは次回明らかになります。続きが気になるでしょうがお待ちください。