十六回目の投稿です。
僕はアルビノと呼ばれる先天的な病気です。
体毛が白金であり、肌が白く目は淡い赤色です。
アルビノだからという訳ではないと思いますが、物心つく頃から霊的なものを見ることができます。
まわりから変な目で見られ続けてきましたが、幼なじみの家がお寺の七海のお陰でさほど孤独な思いはしませんでした。
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あれは高校一年の雪がちらつく冬のことだった。
高校一年の冬、今僕はちょっとした『人気者』というものを味わっている。
放課後になると、僕の机の前に少人数ではあるが、女子達が列をなして並んでいるのだ。
「はい、次の方どうぞぉ!」
隣に座っている悪友の『塚原亮介』の掛け声で、僕の目の前に女子が腰掛ける。
僕は目の前の女子に意識を集中する。女子はそんな僕を好奇心の目で見つめてくるのだ。
「あなたのオーラは薄いピンク色です。」
僕が女子から感じるオーラの色を伝えてあげると、女子は亮介の方を素早く見る。
「よしきた!」
亮介はオーラ占いらしき本を開き、その女子にオーラの説明やら恋愛のアドバイスをする。占ってもらった女子は嬉しそうにその場を去っていく。
「次の方どうぞぉ!」
亮介の掛け声でまた目の前に女子が座る。
そう、僕と亮介は『オーラ占い』をしているのだ。
亮介が好きな子の気を引きたくて、女子が好きそうな占いをしようということになり、いつものように無理やり手伝わされたことがきっかけでオーラ占いをする羽目になった。
噂が噂を呼び、気が付くと学年関係なく放課後に僕と亮介のもとに女子が足を運ぶようになっていったのだ。
もちろん亮介は好きだった子に告白したが、あっさりと振られていた。
「コンコン」
教室の入り口からドアを小突くような音が聞こえた。
「龍くん、帰るよぉ」
幼なじみの七海が教室に入ってきて、僕の机に近付いてくる。
「バンッ」
七海は強めに僕の机を叩いた。
「はい、今日はもう終わりです。」
七海は並んでいる女子に淡々と告げると、僕の腕を引っ張り、無理やり僕を立たせた。
そしてそのまま七海に腕を引かれ、僕は教室から出て行った。
「ちょっ、ちょい待ちぃぃい!」
亮介は急いで教室から出てきて、物凄い勢いで僕と七海の前に立ちふさがった。
「七海ちゃん!ちょっと強引すぎじゃない?まだ俺たちのこと待ってる女の子がいるじゃん!」
「塚原くんが好きな子の気を引くために龍くんが無理に手伝ってあげてただけで、もう振られてるんだから占いなんてする必要ないでしょ?」
七海の言葉に亮介の表情がみるみると険しくなる。七海はそんな亮介をいつもの様に静かに睨み付け、いつの間にかピンと張りつめた重い空気が僕たちを包んでしまっていた。
「あ、あのぉ…」
聞こえるか聞こえないかくらいのか細い声が、僕たちの重い空気に割って入ってきた。
声のする方を振り返ってみると、そこには明るめの茶髪のショートカットで顔が小さく、かなりほっそりとした女子が静かに立っている。
大きな瞳を更に大きく開き、少しずつ僕たちに近付いてくる。
「お取込み中すいません。こちらの教室に金髪で不思議な力を持った男子がいると聞いてお伺いしたのですが…」
亮介はその女子を見ると一瞬で笑顔に変わり、声を掛けてきた女子にすぐさま近寄った。
「占いっすか?申し訳ないけど今日はもう終わっちゃってるんで、もし名前と電話番号教えてくれたら、明日一番で占ってあげますよ!」
亮介が軽いノリで話し掛けると、女子は両手をギュッと握りしめた。
「私、2年B組の倉持沙奈と申します…」
倉持さんはそれだけ言うと、ゆっくりと俯いてしまった。
「どうしたんすか?何かあったんすか?」
「塚原くんは少し黙ってて」
七海は亮介を押しのけて倉持さんに近付き、倉持さんの背中をそっと撫でるように優しくさすった。
「倉持さん、何か深刻な悩みがあるみたいですね。私たちでよければ相談に乗りますよ」倉持さんは顔をゆっくりと上げて、七海を見つめる。
七海と倉持さんは教室の中へ入っていった。僕と亮介も後に続いた。
倉持さんを僕の席に座らせて、僕たちは倉持さんを囲むように椅子に座った。
七海が倉持さんに顔を近付ける。
「詳しく聞かせてください」
倉持さんはコクリと頷き、か細い声で話し出した。
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倉持さんは小さい頃から飼っていた愛犬の『シェル』が、一ヶ月程前に車にひかれて亡くなってしまったそうだ。
愛犬が亡くなったことで酷く落ち込んでいたが、数日経ったある日夜中に何かの鳴き声で目が覚めた。耳を澄ますとそれは外から聞こえてくる。
外の鳴き声が気になり窓を開けてみると、姿は見えないが倉持さんの部屋に向かって犬が吠えているように感じた。
愛犬のシェルが会いに来てくれたのだと思い、急いで外に出ると鳴き声が止んでしまった。シェルが来てくれたと思うと、不思議と怖い感じはしなかったとのこと。
同じようなことが数回続き、そこであることに気付いた。
シェルの鳴き声が徐々に近付いてきている。最初は家の門の外から聞こえていたが、数日後には家の玄関、玄関の中、そして寝ている部屋のすぐ外と、確実に近付いてきている。
もうすぐシェルに会えると思っていたが、シェルは部屋には入ってきてはくれなかった。部屋の外では鳴き声が聞こえるのに、ドアを開けるとどうしても鳴き声が消えてしまうらしい。
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「要するに、その愛犬の『シェル』に合わせてほしいってことですね?」
僕が尋ねると、倉持さんは静かに首を横にふ。
「そうじゃないんです。これを見てください」
倉持さんはそう言うと、右腕を前に出して制服の袖をめくり上げた。
倉持さんの透き通るような白い腕が姿を現したが、右腕には無数の傷がついている。
「これは?」
倉持さんはめくり上げた袖を戻し、右腕を引っ込めた。
「一週間程前のことですが朝目が覚めると右腕に痛みがあって、右腕を見てみると何かに噛まれて出来たような傷がついていたんです。それが日に日に増えていって…」
「もしかしたら、夜な夜な現れる愛犬のシェルの幽霊に噛まれた傷かもしれないってことっすね?」
亮介が前のめりになって倉持さんの顔を食い入るように覗き込む。そして僕と七海の方を目を輝かせて見てきた。
「ってことは、その幽霊をどうにかしなきゃっすね!俺たちの出番ってことっすね!」 亮介の軽はずみな言動には心底嫌気がさす。
倉持さんは亮介の言葉に無言になり、俯いてしまった。
「塚原くんは黙ってて」
七海は亮介を鋭く睨み付けると、亮介はすぐに大人しくなった。
「それで、倉持さんはどうしたいんですか?」
七海が優しく訊くと、倉持さんは俯いたまま答えた。
「この傷はシェルが来てくれている証拠だと思うと嬉しいんてす。でも会いに来てくれるのは本当に嬉しいんですけど、シェルにはちゃんと成仏してほしいんです」
そう言いながら顔を上げた倉持さんの目には涙が滲んでいた。その表情からシェルへの複雑な感情が伝わってくる。
「僕たちで良ければ手伝わせてください!」僕は気持ちを抑えきれずに、思わず大きな声をたしてしまった。
倉持さんは手で涙を拭き、真っ直ぐ僕の目を見つめてくる。
「お願いします」
そう言うと倉持さんの表情は少しだけ明るくなった気がした。
「バンッ」
亮介が机を力いっぱい叩いた。
「そうと決まればどうします姉御?!」
亮介はギラリと七海の方に視線を送る。
「本気で黙ってて」
七海はまた亮介を睨み付け、すぐに呆れたような顔に変わった。
「私の家に丁度良い部屋がありますので、今日の夜十時に集まるということでどうでしょうか?」
「はい、大丈夫です。お家はどこら辺でしょうか?」
「私の家は○○町のお寺のところです」
「分かりました。では十時に伺います」
倉持さんはスッと静かに立ち上がり、そのまま教室を出て行った。
「可愛いんだけど、なんか変な雰囲気の人だよなぁ。年下の俺らに敬語だし」
亮介は大きく伸びをして立ち上がった。
「塚原くんと違って礼儀がなってるのよ。今日の夜は塚原くん来なくていいからね」
七海も鞄を持って立ち上がり、教室から出て行った。
「ガシッ」
僕が立ち上がると、亮介は僕の肩をがっちり掴んでくる。
「龍悟の彼女って、ほんと俺にツンデレ酷いよな…」
亮介は僕の肩をパンパンと叩き、少しニヤけている。
「亮介って、『ツンデレ』の意味ちゃんと分かってる?」
どのタイミングで七海が亮介に『デレ』を出しているのか理解できなかった。
兎にも角にも倉持沙奈さんのお困り事を解消するため、夜の十時に七海の家に集まることになった…
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《夜の十時》
顔が自然とひきつるような寒さの中、七海の家に到着した。
倉持さんはすでに到着していて、僕を見ると深々とお辞儀をした。礼儀の塊のような人だ。
僕もお辞儀をしたタイミングで、後ろから亮介の声が聞こえてきた。
「でけぇぇぇ!七海ちゃんの家ってこんなにでかいの?!マジ興奮すんだけど!」
「パシッ」
生まれてこの方、人の頭を叩いたことがなかったが、反射的に亮介の頭を叩いてしまった。
「今何時だと思ってるんだよ!亮介の声は特に響くんだよ!」
「あっ、わりぃわりぃ」
亮介はへらへらしながら頭を掻いている。
「ガラガラガラガラ」
七海の家の玄関のドアが開き、家の中から眉間にしわを寄せた七海が出てきた。
「近所迷惑になるから早く入って!」
僕たちは慌てて七海の家に入り込んだ。
「こっち来て」
七海は小声で手招きしながら僕たちを誘導した。
僕たちは誰も一言もしゃべらずに静かに七海の後ろをついていく。
「ここに入って」
七海は広い和室の部屋に案内してくれた。和室の奥には人形やぬいぐるみが数十体置かれている。
「なんか人形に見られてるみたいで怖いだけど…」
亮介はそう言いながら恐る恐る畳に座り込んだ。
「ここにあるのは、まだ供養が済んでないのばかりだから、本当に見られてるかもね。いっそのこと塚原くんのこと連れて行ってくれないかな」
七海はちょこんと畳に座り、僕は七海の隣に腰掛けた。倉持さんは丁寧に正座をしている。
「それじゃあ電気消すね」
「えっ!ちょっと待って!マジ怖…」
七海は亮介の言葉を無視して一気に電気を消した。
電気が消えたと同時に暗闇が広がり、不気味に感じる程の静寂が僕たちを包み込んでいった。
少し時間が経つと、目が慣れてきてまわりが見えるようになってきた。
まわりを見ると亮介は怖いのか体育座りをして俯いている。
倉持さんは相変わらず正座をしていて、最初の体制と変わっていない。
七海は僕に体を預けるように寄りかかっている。
静寂の中ただひたすら待ち続けること一時間。部屋の奥にある人形達が何やらざわめき始めた気がした。
そして静寂は破られた…
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「ワオォォォォォン」
一気に体中の毛穴から冷や汗が噴き出した。急に犬の鳴き声が聞こえ、僕も七海も驚いて体が一瞬跳ねた。
亮介に、関してはひっくり返っているみたいだ。
「シェル…」
倉持さんは目を瞑り、両手を胸の前で組んでいる。
七海は僕の服の裾をギュッと握り締める。
「今の犬の鳴き声、家の外じゃないね。もうこの部屋のすぐ外まで来てるみたいだ」
僕はゴクリと唾を飲み込み、両腕に着いている数珠を外した。
「カリカリカリカリカリカリカリカリ…」
和室の襖を爪で引っ掻く音が鳴り響く。
僕は意を決して襖の方へ近付いていく。
「ドスン…」
後ろの方で誰かが倒れたような音が聞こえた。
振り返ると、倉持さんが仰向けに倒れている。
「倉持さん!倉持さん!」
七海が倉持さんの肩を揺すり声を掛けるが、倉持さんの反応はない。
僕もすぐさま倉持さんに駆け寄る。亮介は相変わらず体育座りのままだ。
僕と七海が倉持さんの顔を覗き込むと、倉持さんは急に眼をカッと見開いた。
「倉持…さん…?」
七海の声に倉持さんはギョロっと七海の方に眼球を動かした。倉持さんの眼はどんよりと濁っているように感じられる。
「バッ!」
急に不自然に倉持さんの上半身が起き上がり、首がゆっくりと七海の方を向いた。
「七海離れて!」
僕の声とほぼ同時に倉持さんは両手で七海を押し飛ばした。
「きゃっ!」
倉持さんの華奢な体からは想像もつかないような力で、七海は部屋の隅まで飛ばされたのだ。
「七海!」
僕が七海の方へ駆け寄ろうとすると、倉持さんはスクッと立ち上がり僕の目の前に立ちはだかる。
倉持さんはグルンと首を回転させ、今度は僕の方を向く。
「お゛っ お゛っ お゛っ お゛っ…」
地の底から響いてくるような低い声を上げて、僕のことを濁った眼で睨みつけてくる。
僕は倉持さんの目を見つめ、意識を集中する。
「ガッ!」
倉持さんは僕の両腕をがっしりと掴んできた。
僕はその手を振り払おうとしたが、掴んだ手は微動だにしない。僕の腕を掴んでいる力がどんどん増していき、腕にじわじわと痛みが襲ってくる。
「カカカカカカカカ…」
痛みで僕が顔を歪ませると、倉持さんは無表情で笑い声のようなものを上げだした。
そして倉持さんは僕の両腕を掴んだまま、乱暴に右へ左へと僕の体を無理やり動かし始めた。
抵抗することが出来ず、されるがままの状態で左右に体が激しく流される。
「あ゛あ゛っ!」
倉持さんの発する奇声と共に、僕の体は重力を感じなくなった。
とっさの出来事にまわりの景色がスローモーションのようにゆっくり見える。僕の体はゆっくりと天井へと上がっていく。
天井が近付いてくる!と思った瞬間、僕の体は再び重力を取戻した。
「ドンッ!」
「うっ…」
背中と腰を強く打ち付けてしまったため、呼吸することが出来ない。頭を打ったのか意識が朦朧とする。
「カカカカカカカカ…」
気味の悪い笑い声が聞こえる。
必死に声の方を見ると、倉持さんが無表情のまま僕に近付いてくる。そして倉持さんは不思議なことをしているのだ。
自分の右腕に噛みついている。ミシミシと骨の軋む音が聞こえてくる。
僕の目の前まで来ると、噛んでいた右腕をだらんと下に垂らし、僕を見てニマリと笑った。
さすがにヤバいと思ったその時…
「だああああああ!」
亮介が倉持さんに飛び掛かった。亮介は倉持さんの体を両腕で抱きしめるようにして、動きを静止させた。
倉持さんは体を激しく動かして亮介の腕を解こうとするが、亮介も必死にこらえる。
「塚原くん、そのまま!」
七海はゆっくりと立ち上がり、倉持さんに向かって手を合わせてお経を唱え出した。
「があ゛あ゛あ゛あ゛…」
倉持さんは苦痛に満ちた表情になり、体が痙攣し始める。
「パチン」
僕は両手で自分の頬を叩き、立ち上がった。
そして再度倉持さんに意識を集中する。僕の体は真っ赤なオーラに包み込まれていく。
「倉持さんから離れろ!」
僕が倉持さんの肩を強く叩くと、倉持さんの体から黒いオーラが天井に向かって放出された。
黒いオーラが抜けると、倉持さんの体は力無く地面に崩れてしまった。天井には黒いオーラがうごめいている。
「いったい何が起こってるんだよ!説明しろよ!何で倉持さんが急に暴れて急に倒れ込んでんだよ!」
亮介は興奮して息が上がっている。亮介には黒いオーラは見えていないようだ。
「亮介助かったよ!でもまだ終わってないんだ。まだ悪霊が…」
「塚原くん逃げて!」
七海の声も虚しく、天井に漂っていたオーラは一瞬にして亮介の体内に入り込んだ。
亮介の眼は生気を失ったかのように濁り始めた。
亮介を包む黒いオーラは先程以上に禍々しく亮介のまわりを漂っている。
亮介の口元は完全に緩み、涎をだらだらと垂らしながら僕と七海に近付いてくる。両腕をだらりと垂らし、一歩足を前に出すたびに体が大きく揺れる。
僕と七海が身構えたその時…
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「ワオォォォォォン」
鋭い鳴き声と共に僕たちの目の前に白い閃光が走った。
「うぐぅ…」
白い先行の正体は真っ白い犬のようであった。その姿は大型犬より更に大きく、狐にも似た顔立ちで、全身は白い炎に包まれているように見える。
その白い犬は亮介を押し倒し、亮介の体の上に乗っかっている。
「ガルルルルゥゥ…」
白い犬は牙を剥き出し、亮介に向かって威嚇している。
急な出来事に僕も七海も動けないでいると、白い犬は首を倒れている倉持さんの方へ向け鋭く吠えだした。
とっさに倉持さんの方に目をやると、あることに気が付いた。
倉持さんの右腕にはパワーストーンのような石で出来たブレスレットが着けられていて、そのブレスレットから黒いオーラが放出されている。そしてそのオーラは亮介の体へと繋がっているのだ。
僕は急いで倉持さんに近付き、右腕のブレスレットを両手で掴んで一気に引きちぎった。
バラバラとパワーストーンが散らばり、黒いオーラは静かに姿を消していった。
亮介の方を見ると、すでに白い犬は消えている。恐る恐る亮介のそばに行ってみると、亮介は大きないびきをかいて寝ている。
僕はそんな亮介を見て、安心して大きくため息を吐き出した。
「う、うぅぅん…」
倉持さんの体が少し動いた。
「倉持さん!」
七海が横になっている倉持さんに声を掛ける。倉持さんはゆっくりと体を起き上がらせた。
「大丈夫ですか?」
「ええ、なんとか…」
倉持さんは眩暈がするのか、片手で頭を押さえている。
僕と七海は今起こったことを倉持さんに細かく説明した。その話を聞いて倉持さんは自分の右腕を掴み、肩を震わせている。
「倉持さん、パワーストーンのブレスレットはどこで手に入れたんですか?」
倉持さんは俯いてしまったが、すぐに顔を上げて僕を見つめてきた。
「これは同じクラスの子にもらったの。その子が自分で作った物みたい…」
僕はその言葉を聞いて、嫌な予感を感じずにはいられなかった。
七海がギュッと僕の服の裾を引っ張るのが分かる。
僕が落胆していると、倉持さんは更に続けた。
「それと、私の愛犬は黒の小型犬です…」
その言葉の後に襲ってくる嫌な静寂が、僕の心を支配しようとしていた。
作者龍悟
遅くなりすぎましたが、やっと新年一発目の投稿が出来ました!皆様本年も宜しくお願いします!
いつも題名を考えるのに一時間くらい掛かる時があります。今回も散々題名を考えた結果、こんな題名になってしまいました…
この話は続きがあります。もう少しお付き合いいただけたらと思います!