中編4
  • 表示切替
  • 使い方

ロケット花火!!

俺がまだ20代前半だった夏の夜とだったと記憶するが。

nextpage

仕事帰り 車に付けている無線機で 何時もの周波数で何時も道理仲間を呼んでみた

nextpage

すると M君とO君から返事が返って来た 

nextpage

2人とも車で移動中だった

俺が「これから3人で茶でも行こかぁ」と誘った M君もO君もOKと言うことで3人が集まり始めた その様子を聞いていたH君が、俺も参加したいと声をかけてきた 

そんな感じで4人集まり くだらない話で盛り上がった しばらくした時 よほど暇だったんだろう H君が「ちょっと琵琶湖まで走りに行かへんか」と言い出した

nextpage

3人ともこの後予定が無いのでOKした

nextpage

4台の車で無線しゃべりながらのドライブ というより走りや状態だった

nextpage

国道24号から宇治の平等院を抜け 宇治川ラインに突入 各車スピードを上げた タイヤがキュッキュいいながらカーブを曲がる

nextpage

間もなく天瀬ダムって所で先頭を走っていたH君が急にスピードを下げ左にハンドルを切った

丁度ダムの下へと続く道へ「何処行くねぇ?」とM君もO君もマイク片手に叫んでいる 俺もそう思った 

nextpage

H君が「ちょっと涼もかぁ」と 言いながら細い下り道を降りて行く 各車H君の車に続いた

nextpage

やがて ダムの下の橋を渡った所で車を止めた「うわぁ真っ暗やんけぇ」と言いながら4人が車から降りた だらだら歩きながらさっき渡った橋の所まで行き ダムから落ちる水の音と微妙にかかる水しぶきを感じていた

nextpage

そこでまた男4人のくだらない話が勃発 いつの間にか 怖い話へとなっていった 時間はもう夜10時をまわっていた

nextpage

3人ともお化けは信じない奴ら しかし 場所が場所だけに俺が体験した奇妙な話に たばこを吹かしながら耳をかたむけていた

nextpage

話をしながら みんなに感想を聞いている時だった 

nextpage

この橋の下の川を誰かが歩いている音がして来た よ~く聞いて見ると ザブウン ザブウン と川の中を歩く音

nextpage

まさか そう思いながら 下を見た 暗くて何も見えない 当然の事だ

nextpage

どんよりとした月明かりだけが周いを照らしているだけ

nextpage

俺は、音の正体を突き止め様と車から クワガタ虫捕りに使っている強力な光を放つ懐中電灯を持ってきた

nextpage

その時O君が「あそこ誰か居ないかぁ ほらっ 何か釣りしてる見たい」と下流を指さした

nextpage

ぼやぁっとした月明かりの中、川の中央付近に何か見える 人が立っている様にも見える

nextpage

懐中電灯でその人影らしきものを照らした んぅ? 何も見えない

nextpage

で、川の下を歩く音がする方へ照らしていると 3人とも 「やっぱり誰か川の真ん中に立ってる」と言うのでそっちを照らすが何も見えない

nextpage

違うのだ 月明かりだと見えているのが懐中電灯の光で照らすと見えなくなるのだ 

nextpage

3人とも「あれ もしかして幽霊?初めて見た!怖ぁ」とか言っている

nextpage

俺も錯覚や幻覚じゃ無い事を確認の為 何回も光をその人影らしきものをセンターにし左右にライトをゆっくり動かした 

nextpage

ある地点を堺に光りの光量が多くなると奴は見えなくなるところまで確認した

nextpage

奴は俺たちに気付いているのか 俺は至って冷静だった

nextpage

何を思ったかM君が車より何か持って来た

nextpage

パリペリィとセロファンの様なフイルムを破る音と共に両手で何かもぞもぞしている

nextpage

それに懐中電灯を照らした 彼が手にしているのは 何とロケット花火!

nextpage

まさかっと思ったが そのまさかであった

nextpage

それも その橋の欄干にくくり付けてあった竹筒を引きちぎり

 そう その竹筒を花火の発射台にし あの人影にぶち込もうと言うのだ

nextpage

他の2人は「辞めとけ」と言ったが 俺は止めなかった

nextpage

花火で奴がどう反応するのか興味があったから 又、俺がやるんじゃ無いから別に祟られ無いからと思っていた

nextpage

花火を2本差し込みいよいよセット完了 もう誰もM君を止めなかった

nextpage

ライターの火を導火線に近づけた

nextpage

みんな固唾をのんだ

nextpage

点火した しゅうるるうぅ~ぅぅと導火線の火が音を立ててロケット花火本体に吸い込まれた

nextpage

一瞬オレンジ色の明るい色とピュ~ゥという音と共に花火が川の中央に向かって水平に飛んだ

nextpage

それと同時にM君が 何とも言えない声と言うより悲鳴みたいな声で叫んだ

nextpage

そして急ぐ様に自分の車に乗り込みエンジンをかけた

みんな どないしたん??て感じ

nextpage

M君の車に駆け寄り「どうしたんやぁ!」の連発 

nextpage

彼両手でハンドルをかたく握り震えていた

nextpage

とりあえず明るい所へ行こうと言うことになり 京阪宇治駅まで車を走らせた

nextpage

みんなで、震えるM君を落ち着かせ どうしたのかと聞き出した

nextpage

M君が言うには ロケット花火が発射した瞬間オレンジ色の火花と煙の中に一瞬ぶよぶよして歪んだおにぎりの様な人の顔が自分の目の前に現れたと言うのだ

nextpage

やはり奴は俺たちに気付いていたのか!それとも怒って居るのか と同時にM君の罰当たりめと思った

nextpage

M君あの竹筒どこから持って来たのだろう

 多分ダム若しくは橋から身投げした人に対しての花束を供えるものだったのだろう

nextpage

M君今頃どうしているんだろう ふと思い出して書いてみました。

Concrete
コメント怖い
5
6
  • コメント
  • 作者の作品
  • タグ

地元ネタだったので興味深く読ませていただきました。天ヶ瀬ダムですよね?
宇治川ラインは色々と話がありますね、また何かあれば書いて下さい

返信

怖いッ(((p''д`q)))
M君の罰あたりな好奇心と行動力にビックリです。

ワタシも若かかりし時に走り屋まがいに峠やダム辺りを流してましたが..確かに道の端やダム付近には枯れたお花とお花を飾る竹筒ありました。

それを発射台にするとは..(; ・`ω・´)ナン…ダト!?
破天荒吉村より凄いッ!

M君お元気にしてると良いですね。

また怖い体験談を楽しみにしてます。

返信

苦粗さん ご意見頂きありがとうございます。 別に頑張ってませんけど(笑) 丁度自分の体験談記     録するのに良いアイテムなんで!
     

返信

なかなかリアリティーもあって面白かったです。
個人的にはシリーズものはリアリティーや新鮮さを感じられず、どうしても興味が湧かないこともあって、短編ものである過去の作品も読まさせていただきましたが、そちらも大変読みごたえあってよかったです。
(決してシリーズ作品の批判ではなく、十人十色、あくまでも個人的な意見です。気をわるくなさったら大変申し訳ありません。m(__)m)
これからもがんばってください。

返信