小学生か中学生のころの話し。
wallpaper:139
うちは平屋で、当時、私は家の真ん中の部屋を使っていた。
部屋の四方の一面は壁だけど、あとは障子、ふすま、アコーディオンカーテンとゆう部屋。
当時、1人で家にいて部屋でまんがを読んでいた。
すると、誰かが帰ってきた。
うちは田舎だったので、鍵は常に開けっ放しで近所の人が勝手に入って来たりがたまにあった。
しかし近所の人が勝手に入ってくるときは、必ず「いるー??」と大声でいいながら入ってくるから、近所の人だったらすぐ分かる。
入ってくるときはだいたいが、その日とれたイカとかワカメのお裾分けを持ってきてくれた時。
で、家族の場合は、足音なり帰宅時の行動パターンで分かる。
雰囲気ってゆうか、、、わかるじゃん??
で、、、このとき帰ってきたのが誰なのか、分からなかった。
誰といっても、うちに帰ってくるのは兄か父しかいないんだけど。
とにかく、足音もどっちか分からない。
行動パターンも二人と違う。
兄なら足音がドスンドスンしてるし、おとんならまず車の鍵をサイドボードに置くから。
でも、男の人なのはなんか分かるし、まあ別にどっちかしかいないから、きっとどっちかなんだろう、くらいにしか思ってなかった。
すると、その人は入ってくるなり真っ直ぐに
台所へ向かい、冷蔵庫を開け、中からなにかを取り出し、お茶碗にごはんをよそい、こたつのある部屋へ行って、そのままこたつに入ってテレビをつけてごはんを食べ始めた。
なんでこんなに分かるかというと、入口から台所、台所からこたつまで全部、私の部屋沿いなんです。
なので、誰かがごはんを食べているこたつのある部屋は、私の部屋とアコーディオンカーテンで仕切られた、すぐそこなんだよね。
で、その誰かはテレビをみながらごはんを食べ、時おりお箸とお茶碗のあたるカチャカチャって音もする。
おとんかお兄か分からないけどどっちかしかいないから、、、と思っていたから怖くもなかった。
ただ、、、なんでどっちか分からないんだろうとはずっと思ってたけど。
すると、突然、その人がテレビ、、、笑っていいともなんだけど、それをみながら笑ったんだよね。
wallpaper:532
大きい声で、アハハハハハハ!!!って。
え?????って思った。
だって、その笑い声はおとんのものでもお兄のものでもなかったから。
誰?誰?誰?誰?誰?
私はその声をきいて瞬時に、ガーっとアコーディオンカーテンを勢いよくあけた。
怖いとか考える暇もなく、どっちの笑い声でもない、と分かった瞬間に勢いだけであけた。
誰なのか知りたいとか見たいとかじゃなく、本当にただ勢い。
そしたら、そこには誰もいなかった。
誰もいないどころかテレビもついてなくて、ごはんを食べたあともなかった。
お茶碗もないし、こたつに人がいた感じもない。
笑ってる最中に開けたのに、もういなかった。
なんてゆうか、誰かがいた気配すらなかった。
ゼロってゆうか、無ってゆうか、、、、、マイナスってゆうのが近いかな??
邪気とかじゃないんだけど雰囲気が、冷たいってゆうか、ほんとに人のいた気配ゼロ。
からっぽって感じ。
怖くなったってゆうより、やばい、いちゃいけないって急に思って外に飛び出した。
自分のなかで警報が鳴ってる感じ。
そんで、そのまま家族が帰ってくるまで、ずっと外にいた。
外にいたってゆうか、入れなかっただけだけど。
結局いまでも、なんだったのか分からないけど、帰ってきた誰かがごはんの準備をして、それを食べながらテレビをみて、そして笑った、、、笑った瞬間に開けたのに、もう無だったことが、いま思うとちょっと怖い。
作者野沢