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初めまして
僕は幼い頃から、不思議な体験をする事が多くありました
今回はその内の一つをお話ししたいと思います
拙い文章ですが、最後までご覧頂けたら幸いです
これは僕が小学4年生の頃の話です
僕の地元は過疎化の進んだ小さな田舎町で、バスは1日2本。コンビニやスーパーは5km先まで無いという有様でした
そのため熊や猿、猪などの野生生物が頻繁に出て危険という理由で登下校はいわゆる集団登下校と決まっていました
その日もいつもの様に、2学年下のユウキ(仮名)と帰っていました
ユウキは2年になってから転校してきた都会っ子で、都会では見た事の無い光景に毎日が驚きの連続だったようです
「あっ!何だありゃ!」
ユウキが突然叫びました
見るとそこには、
狐の死体がひとつありました
僕からしたら何ら珍しい光景ではありませんが、ユウキは初めて見る死体に興味津々。
しゃがみ込み何やらゴソゴソやっていました
「おい!もう行こうぜ」
僕が言うとユウキは立ち上がり、へへへと意味深な笑みを浮かべポケットをゴソゴソやっていました
その日は特に何も考えずにそのまま別れ、すぐにそんな事など忘れてしまいました
夜の事です
いつもより早めに布団に入った僕は、そのまま深い眠りに落ちていきました
そして、夢を見ていました
いつもとは違うリアルさに、恐怖を覚えていたのを覚えています
何もない、ただただ広く白い空間
ふいに、誰かが立っているのがみえました
距離にして50m程
雰囲気でかろうじて男の子だと分かります
(誰だろう?)
と考えていた次の瞬間
「!!!」
僕は首を締められていました
華奢な身体に不釣り合いなもの凄い力
困惑と恐怖の僕が見た男の子の顔
それは
狐
身体は少年、顔は狐のナニカ
夢とは思えない苦しさに
(し…死ぬ)
そう覚悟した瞬間
僕は母に揺り起こされていました
母の話によると、ヒトとは思えない声をあげて苦しんでいた様です
翌日、ユウキにその事を話そうと待ち合わせ場所に行くと、ユウキはすでに待っていました
寝坊癖があるユウキにしては珍しい…
そんな事を考えながら近づくと、手に何かを持っているのが分かりました
白い小さい何か
そしてひとつの可能性が頭に浮かびました
骨じゃないか、と
「お前、それって…」
僕が言うとユウキはヘラヘラして答えたのです
「うん!狐の骨だよっ!」
頭が真っ白になり、呆然と立ち尽くしていました
と同時に、ユウキは僕のランドセルを取り返すと、おもむろに中に手を入れました
僕のランドセルから出したユウキの手には
またしても骨が握られていたのです
夢に出てきた狐顔の男の子
彼が怒っていたであろう理由も訴えたかった事も、その時全て分かった気がしました
怒りを通り越して呆れた僕は、ユウキを優しく諭し、その日の放課後ふたつの骨を埋葬しました
そのお陰か、今に至るまで変わった事は起きていません
ただ今になって考えると、夢の内容より何よりも
ユウキの方が恐いですよね
作者きよ-2