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中編4
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麦わら帽子(南棟)

麦わら帽子を投稿したかずよしです。

麦わら帽子の一件がありながらも、学校の先生に魅力を感じた僕は、次の年もその高校で働くことを希望していました。しかし、僕の枠に正式な教員が異動してくる事になり、僕は社会人2年目を路頭に迷う危機に陥りました。そんな折、見るに見かねた校長先生が骨を折ってくださり、なんとか地元に近い別の高校に講師として勤める事になりました。

他の先生方は皆、僕は次の年も残ると思っていたらしく残念がってくれました。「来年は南棟をまかせるからな」と冗談のようにいつも言っていた2人の先生。彼らは僕よりもずっと大人で、色々な経験をしていました。

 僕が勤める3年くらい前まで、その高校には守衛さんが2名ほど配置されていて、夜の学校の警備をしていたそうです。経費削減の為、守衛さんの制度は廃止され警備システムに切り替わりました。2人の先生方は当時最年少だったので、巡回をやり方を引き継ぎ、夜の戸締まり担当になりました。その際

「絶対に1人で南棟を廻らない方が良い、それと、必ず電気をつけて廻ること」

と念押しされたそうです。戸締まりの時は電気をつけた方が明るくて良いのですが、スイッチの場所の関係でかなりの遠回りになります。当初、教えを守っていた2人ですが、慣れというものは恐ろしく、1ヵ月も経つと南棟と北棟に別れて巡回を始めました。そして、電気をつけずに廻ることで、さらに約10分の時間短縮になると考えた2人は夏休み前には、電気をつけずに北棟、南棟に別れて廻る事になったそうです。

守衛さんに「南棟に何かある」と聞いていたので、毎日ジャンケンをして南棟担当をきめていたそうです。そして、秋も深まったある日、受験勉強で遅くまで残り始めた生徒の指導を終え10時近くに南棟を廻ったA先生がまず、最初の事件に遭遇しました。

南棟の2階は特別教室が集まっており、講義室や視聴覚室が並んでいます。3階は3年生の教室になっていて、1組から8組までの教室と突き当たりに美術室があります。2階の戸締まりを確認し終えて、3階に上ろうとした時、

とたとたとたとた

廊下を走る音が聞こえたそうです。

「まだ生徒が残っているのか」と思ったA先生は足音の方向に向かいます。階段を上り切った場所から見えるのは長い廊下。人影は確認できません。僕が廻っていた北棟とは違い、正門前の外灯の明かりのおかげで微かに明るい南棟。人が動けば確認できるはずです。怖いもの知らずのA先生は怯むことなく奥へと進みます。

3組の前を通りかかった時

とたとたとたとた

今度は自分が登ってきた階段の方から足音が聞こえました。

廊下の真ん中で立ち止まるA先生。左は暗闇の窓、右は誰もいない教室。

その時になってはじめて 「ヤバい」 と感じたそうです。

しかし、体育会系数学科のA先生は戸締まりを済ませるのが優先と考え、前に進みはじめました。一通り確認を終えて2階に降りた時、また3階から足音が聞こえたそうですが、さすがに流しました。職員室に戻り、B先生にそのことを伝えると、

「警備のロックをかけてみよう、もし人がいるなら反応するはず」

早速確認する2人。結果はオールグリーン。今日の事は気のせいだと思い込み。その日は帰宅したそうです。

次の日、ジャンケンで負けたのは昨日怖い思いをしたA先生。2日連続で変なことも起こらないだろうと思い、巡回を始めました。心配だったB先生は南棟から北棟へ向かう通路から北棟を懐中電灯で照らしました。いきなり照らされて驚くA先生。B先生だと分かると手を振り返したそうです。

その時、A先生の視界からB先生の姿が消えました。そして、すぐに聞こえる駆け足の音、、、

B先生が、南棟の2階に走り込んできました。「A先生、大丈夫ですか?」息切れと共にB先生が尋ねました。事情が飲み込めないA先生はただ「うん」としか言えなかったそうです。

とたとたとたとた

また足音がしたそうです

B先生は事情を説明するのは後にして、とにかく2人で南棟を廻る事にしました。無事に南棟の巡回を終えて、北棟に移動しました。

何事もなく北棟の見回りを終えた2人が南棟に戻っているとき、

「実はさっき、A先生を照らしたときに懐中電灯の光の端に生徒の姿が見えたんです。こんな時間に生徒が、しかもA先生の後ろに見えたんでただ事ではないと思って駆けつけたんですよ。ちょうどここからこうやって照らしたときに、、、」

映し出された南棟の窓から生徒の後ろ姿が見えました。

駆け足で警備システムを確認する2人

オールグリーン

次の日に管理職に相談すると、守衛さんに連絡をとってくれたそうです。久々に学校を訪れた守衛さんは

「1人で廻ったんですね。。。あの子は元気にしていますか?」

と、言ったそうです。そして、懐かしそうな顔をしながら

「最初は恥ずかしがり屋だけど、慣れてくると調子にのるからなぁ、、、」

その学校ではかなり昔、悲しい生徒の事故が起こったそうです。それ以来、不思議な出来事が起き始めたと、、、学校に墓を建てるのもおかしな話なので、事故があった中庭に石材屋からもらってきた石を置き、花を飾ったそうです。時代が経つにつれて、その石の意味を知る人も少なくなり、そして数年前から再び、夜中に不思議な事が起こりだしたそうです。

「2人で廻った時には出てこないが1人の時にはよく出てくるんですよ」

そして、にっこりと笑いながら

「前から来られても後ろから来られてもわたしゃもう怖くありませんけどね」

「俺たちは怖い」と思った2人はそれ以降1人で廻る事は無かったそうです。

それから数年が経ち、僕がこの話を聞いた日の戸締まり。3人で南棟を廻った僕たち。上の階から

とたとたとたとた

と足音が聞こえました。

2人の先生は僕に微笑みながら上の階を指さしました。

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ぱっくんさん、あゆさん、ありがとうございます。

僕が直接聞いたのは1回だけですが、ほんと

とたとたとた、、、といった感じでした。

今、思い出しても不思議な感じです。

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悪い事はしないし夜に「トタトタトタ...」

人が好きなのか存在をわかってもらいたいのかな?
悪い子では無くてもやはり(((*>д

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とたとたとた…いやいや、慣れるとか慣れないとかじゃなくて充分怖いですよ(>人<;)

なんか悪さをするわけではないみたいですけど、うーん、見事に学校の怪談ですね((((;゚Д゚)))))))

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