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短編2
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優しいおじいさん

あれは私が小学校五年生の時の話です。

当時の私は、色々あって、学校でクラスに馴染めないでいました。

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家でも家族ともめてばかりでいやになって、とっさに家を飛び出しました。

田舎なので特に誰にも出会うこともなく、ふらふらその辺を歩いていました。

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その時、なんで私はそうしたのか、自分でもよく分からないんですが、なぜか墓地に入っていったんです。

それで、祖父の墓の前に座って、「もう、学校も家もいやだよ。おじいちゃん、助けてよ」みたいなことをいいながら、泣いていました。

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気がついたら寝てたようで、辺りは真っ暗になっていました。

私はもっと小さいときから、よく色んなところに出歩いて、勝手に帰ってくるような子供でしたから、家族や警察など一人も私を探している様子はありませんでした。

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やっぱり帰った方がいいのかなぁ、などと思いながらぼーっとしていると、異変に気付きました。

あまりにも周りが真っ暗だと。

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ふつう、遠くにある家だとしても、家の明かりが灯っているはずなんです。

天気も悪くないし、停電だとも思えない。何かがおかしい。と私は思いました。

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ここにいちゃいけない。ととっさに思いましたが、周りが真っ暗すぎて何も見えず、動こうに動けない。その時。

祖父と祖父の兄の墓がぼんやりと明るい光に包まれたんです。

ロウソクに火がついてるわけでもない。なのに、なぜかその周りだけ明るい。

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よく目をこらして見たら、ニターっと笑った祖父が、手招きしていました。

祖父に会ったことなどないのに、顔が、鮮明にわかりました。

足が勝手にそっちに行きそうになる。

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心は拒んでいるのに、体が吸い寄せられるように祖父に近づいていく。

私は、「助けて!!!」と大声で叫んだつもりでしたが、実際には恐怖で叫べておらず、唇がかすかに動いただけだと思います。

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もう、祖父のすぐ近くまで来ていた。もう、終わりだと思った。ニターと笑った口が半開きになってこう言った。

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マッテイタヨ、 ウゥ、 ヤットキテクレタ、、

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もう、終わりだ、そう思った。

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その時、なにかに強く引っ張られた。そして、後ろにはねとばされて、塀に当たった。

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祖父は何だかとても悔しそうな顔をしていた。そして意識が飛んだ。

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目が覚めたら、墓地ではなく、ある空き家の前にいた。

その家は、幼稚園のとき、よくかわいがってくれていた、独り身のおじいさんの家だった。3年前に、亡くなった。

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私は、助かった、と思った。おじいさんに助けられたとこの時初めて理解した。

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家にかえって、特に怒られもせず、日常とほぼ変わらず、あれは夢なのか、と思ったけど、

、、、、

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帰ってズボンを見たら、誰かに掴まれたような泥の跡がついていた。

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そして、10年経った今でも、たまに祖父の夢でうなされる。そして、目が覚めたら、足が泥だらけになっています…

Concrete
コメント怖い
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いえ、私が生まれるまえに亡くなったのでそれはないかもしれません。
でも、わかりません。祖父が亡くなった直後に生まれたのが関係あるかもしれません。
他の家族は、何もないので…

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祖父さんからなにか恨まれることがあるんですか?

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