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初めての投稿です。
実話ばかりを書くのであまり怖くないかもしれませんが、お時間ある方よかったら読まれてください。
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私がまだ看護学生の頃の話。
その日は蒸し暑くて、クーラーを入れないと寝付けないほどだった。
当時、私には付き合い始めたばかりの彼氏がいて、オススメのJ-popを入れたMDをもらって浮かれていた。
中でも気に入っていたのがJINDOUの「ふゆのうた」。
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その日なかなか寝付けなかった私は、「ふゆのうた」をリピートして聴きながら寝ようと思った。
大好きな曲だから、きっとすぐに寝付けるだろうという思いがあった。
高校時代から使い慣れているコンポに入れっぱなしにしているお気に入りのMD。
慣れた手つきで「ふゆのうた」を探し当てた私は1曲リピートボタンを押して再生する。
♪~
イントロが流れ出すのを確認してからベッドに潜り電気を消して瞼を閉じた。
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どのくらい時間が経っただろう?
全く寝付けなかった私は少しぼーっとする頭で考えた。
♪~
相変わらず「ふゆのうた」は流れている。
クーラーは切れ、少しだけ涼しさの余韻を残している。
喉が渇いたな…と思い起き上がろうとしたその時、ようやく異変に気付いた。
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shake
身体がピクリとも動かない。
金縛りには当時よくなっていたので、「あぁ、またか…」なんて余裕をかましていた。
しかし、何故か足元側の先にあるすりガラス付きのドアが無性に気になる。
そのドアの向こうには左手にトイレ、右手にお風呂場があり、何となく怖いからとお風呂場へ続くドアはいつも閉めているはず。
そのドアが開いているのか、誰かがお風呂場の電気を点けたり消したりしている様子がすりガラス越しに見えた。
今更だが、私は一人暮らし。
電気を点けたり消したりしているのは私ではない。
誰がそんなことを…?と若干ちびりそうになりながら考える。
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しばらくして、電気を点けたり消したりしていた誰かが動きを止めた。
部屋の中は真っ暗になる。
皆さんご存知の通り、目が暗闇に慣れるには少し時間がかかる。
どうしてもすりガラス付きのドアが気になった私は、目が暗闇に慣れる間じっとそのドアを凝視していた。
♪~
耳には大好きな「ふゆのうた」。
しばらく凝視していると、そいつはゆっくりと現れた。
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ドアが「ギギギ…」とゆっくり手前に開き、見知らぬ女が入ってきた。
もちろん、この世の者じゃないことはひと目で分かった。
目の当たりは空洞になっていて、とにかく肌の色が白い。
白くて薄汚れたような服を着ていて、長い髪はボサボサだった。
少し俯いて、そいつはゆっくり部屋に入ってきた。
私の心の中は「え、こわっ!何これ、こわ!」。
まともにそゆのを見たのが初めてだったのでね。
無音で、すり足気味に近付くそいつ。
不意に「目をつぶっとかないとやばい!」的な感覚になったのでギュッと目を瞑った。
しかし何故だかそいつの姿が見える。
見えるというか、脳内に直接入ってくる感じ。
「えっ!?」と焦る私。
その顔面に、5メートルは距離があったであろうそいつの手がかざされた。
まるで私が起きているか確認するかのように、私の目の前でヒラヒラと手を左右させている。
怖い怖い怖い怖い…
そう思っていたら、気付けば朝だった。
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後から聞くと、そのアパートの裏にはお墓があって私の部屋はちょうど霊道になってるのだとか。
たまたま波長が合った私にちょっかいをかけたのでは?と、霊感ハンパない友達に言われた。
とりあえず、その友達は卒業するまで私のアパートには来ませんでしたw
気持ち悪いから行きたくないと。
私はといえば、「ふゆのうた」、曲をリピートでかける、部屋を真っ暗にして寝る、この三つがダメになりました。笑
作者あーやん
怖くないです。ただ、聞いて欲しかっただけです(((´・ω・`))