どうも、2回目の投稿になります。
今回も実話に基づき、書かせて頂きます。
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私が中学二年生の時、
私は吹奏楽部に所属していました。
私の学校の吹奏楽部は結構盛んだったので、
日曜日以外毎日ありました。
クラスで仲の良かった友人Kは和太鼓部で金曜と土曜の2日だけ部活でした。
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部活は違ったものの、仲が良かったので
どこに行く時も一緒にいました。
Kは少し気の強い子でしたが、一緒にいて楽しい、明るい子でした。
でもある日、私が部活で音楽室に行こうと楽器を運んでいる時、「はる‼︎ ちょっと来て‼︎」と、下駄箱の方からKが私に声を掛けて来ました。
「どうしたの?」と尋ねると、泣きそうな顔をして、手を差し出して来ました。
手のひらには、シワシワになった縦1cm横2cm程の紙が10枚程乗せてありました。
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しかも、その紙1枚1枚に「死ね」だの「最低」だの 「裏切り者」などの言葉が乱雑な字で書かれています。
「これ、どうしたの?」と尋ねれば、
何日か前から、下駄箱で靴を取り出すと靴の中にこの紙が数枚、くしゃくしゃに丸められて入っていた、との事でした。
すぐになくなるだろう、と思っていたそうですが、日に日に枚数が増え、精神的にも辛く感じて私に声を掛けてきたようでした。 とりあえずKを落ち着かせ、その日は帰らせました。
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次の日、まだ少し落ち込んだ様子のKを1人にさせないよう、ずっと側にいて面白い話をしたり、と1日を過ごしました。
その昼休み、Kと同じ和太鼓部の友人HにKの側にいてもらうよう、耳打ちして私は下駄箱に向かいました。
下駄箱でKの靴を確認してみると、
昨日聞いたような紙くずは入れられておらず、靴も無事でした。
油断はいけないと思いながらも、どこかホットしている自分がいました。
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その日の放課後、私はミーティングがあったので、H、M、A (皆同じクラス&和太鼓部)と一緒に帰るようKに言い、音楽室に行きました。
ミーティングが30分程経って終わり、練習に行こうとしていると、「はる‼︎ ちょっと部活抜けて来て‼︎」とHが私を呼んでいました。
またKに嫌がらせがあったのか、と急いで下駄箱に向かいました。
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下駄箱近くの女子トイレでKが泣き顔でハンカチ片手に立っていました。
MとAは、Kの背中を撫でてあげていました。
とりあえず、今までの経緯をHに聞くと、
昨日同様紙くずがKの靴に入れられ、
しかも枚数が両足合わせて20枚に増え、すべてに昨日と同じ様な言葉が殴り書きされている、とのことでした。
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とりあえず、私はその紙くずを預かり、
「明日もこんなだったら、先生に言いに行こう。」と伝え、四人で帰らせました。
私はその紙切れを観察してみると、
ルーズリーフの端切れでラインの色があまり見かけない青色だったので(ルーズリーフが流行り始めた頃だったので…)、何人かの友人に、「この種類に似たルーズリーフ持ってる人見たら教えて?」とお願いしました。
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次の日、お願いしていた友人の1人Sから、
「見せてもらったルーズリーフ使ってる子、
うちのクラスにいたよ!
Yだよ、Y。 Yが授業中ルーズリーフを取り出して、小さく切っているのを見たの!」と昼休みに声を掛けて来てくれました。
Yとは、和太鼓部に所属していて、Kと少し前まで凄く仲の良かった子です。
私はYの自分勝手な性格をあまり好きではなかったので、話すことはありませんでした。
二年生になってからはYとKはクラスが離れてしまったこともあり、部活でしか話さなくなったようでした。
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とはいっても、Yだと確信は出来なかったので、明日の放課後にまたKに嫌がらせがあった場合は先生を頼ろう。ということで話がまとまっている、とSに伝えてそのまま別れました。
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翌日の放課後。 部活に行かずそのまま下駄箱にKと他三人とで行ってみると、靴一杯に紙くずが入れられていました。
私がKを連れて職員室に和太鼓部顧問で、物腰の柔らかい先生を廊下に呼び出し、今までのこと(Yのことはあくまで推測であるとして、)説明しました。
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先生は「そんな事があったのね、どう対処するか先生が考えてみるから、安心して? とりあえず今日は家でゆっくりしなさい。」とKを励ましました。
Kはその後友人と一緒に帰り、
私は部活のため音楽室に戻りました。
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練習をしていると、Sが「ちょっといい?」と訪ねて来たので廊下に出て話を聞くと、
「さっき、職員室前でKの事で先生に相談してたでしょ?
私も少し離れた所で先生に部活の事で話してたんだよ。そしたらね、先生達専用の更衣室とトイレのある職員室前の廊下に沿った凹んだ所あるじゃん? そこにYがいたの。
多分私がいた所からしか角度的に見えなかったと思うよ。」とのことでした。
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確かに廊下のすぐ近くにあまり目立たないように、と考えられた凹んだ造りの場所がありました。
「その場所さ、はるとKが先生に相談してたことが、聞こえる近さだよね。もし明日嫌がらせなくなってたらYで間違いなんじゃない?」と言ってSは部活に戻って行きました。
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翌日、KにSが話してくれたことを伝えると、Kが「昨日ね、Yに帰り道会ったの。」と言ってきました。
「え⁈ 何か話したの?」と聞くと、
Yは 「何故私と一緒にいてくれないのか、何故私を1人にするのか。」…といった内容を話してきたそうです。
Kは怖くなり走って逃げたそうですが…。
YはKとクラスが離れて、新しいクラスに馴染めなかったのでしょう、それに対してKは自分を忘れたかのように楽しげに過ごす様子に嫉妬を抱いたのかもしれません。
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放課後、私が確認しに行くとKの靴の中には何もありませんでした。
Kはそれ以来、Yとは距離を置き、
部活の時も極力Yに近付かなくなりました。
まぁ、距離を置いたのはKだけじゃなかったんですがね。
友人への執着と嫉妬は怖いものですね。
作者はる-2
友人からの嫉妬って怖いですよね。
特に女同士って色々と複雑なものがあるんですかね…。