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短編1
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ある通学路での出来事

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ーじゃあね、また明日。

彼女はそう言うと手を振りながら

笑顔で歩いて行った。

彼女のくれたクッキーを食べながら

私はその後ろ姿を見送った。

夕日ももうすぐ沈む、

夕暮れのいつもの通学路での出来事だった。

でもいつもとは少し違かった。

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彼女は私の見ている前で宙を舞った。

後方から車に吹っ飛ばされたのだ。

やがて硬いアスファルトに叩きつけられ

鮮血を流しぐったりと倒れる彼女は

今まで見たどんな彼女よりも

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果てしなく美しかった。

車から降りた男は慌てた様子で

どこかに電話をかけていた。

私はただ。

それを見ていたんだ。

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猫である私には何もできなかったんだ。

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汚い私に唯一食べ物を与えてくれた彼女は

その日からいなくなった。

自分が痩せ細って行くのがわかる。

何回朝が来たかもわからない。

何回夜が来たかもわからない。

彼女に会いたい。

その思いからあの時彼女が倒れた

その場所を歩いた時。

彼女の声が聞こえたんだ。

次の瞬間。

私は宙を舞っていた。

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