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前田くんのノートより最後のページ

短編2
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前田くんのノートより最後のページ

彼は彼女を文章の中で苦しませる事にした。

ここから先、グロあり。

彼女を主人公にしてある時は彼女の両目は頭についたまま、焼かれ、またある時は灼けたハサミで腹部を切り裂かれ、子宮を、直接犯された。

彼女を主人公にして不幸にする度に彼は罪悪感を感じ心の底から彼女に詫び、また心から愛する気持ちを実感するのであった。

病んでいる。

自分でそう気が付く事は難しい。

段々と彼の狂気は増していった。

彼の、いや、彼らの不幸は高いプライドに邪魔され普通の人を装った狂人を野に放ったままにしたことだ。

やはりというか、当然というか、火をつけたロウソクに油紙を近付けたら燃え上がるのと同じくらい当たり前の様に彼は現実と、虚構の区別がつかなくなっていった。

「やぁ」

「お疲れ様。どうだった?サークルのみんなに文集読んでもらったんでしょ?」

「ははっ、才能溢れる異端児を受け入れられないのは愚かな大衆には仕方のないことだよ」

「何、中二病みたいな事いってんのよ。そうやって褒められても自分の意に染まない感想だと受け入れない、それが君の悪いトコだよ」

もぅダメだ。僕は彼女が生きて五体満足で元気に僕を慰めている光景に我慢できない。

僕に背を向け何やら前向きな事を語る彼女に、鉄パイプを振り下ろした。先ほど、サークルの皆に使ったモノだ。

3回ほど振り下ろすと彼女は倒れこんだ。

あぁ、よかった。ひと気のない所で呼び出してくれて。君の愛の深さには感動するよ。

そして僕は、彼女の素晴らしい魅力の要である声帯を切り開き眺めた。そして食した。

僕は今までにないくらい性的に興奮していた。

美しい手足、そして首をそれぞれ切り離した後、彼女がやっと正常に戻ったと思った。

ふと、我に返り周囲を見渡すと彼女の荷物、中にはトンカチ、ノコギリ、そして不自然なクーラーボックス。

彼女のノートには僕がぐちゃぐちゃに殺される詩ばかりが並んでいる。

あぁ、そうか、僕達は本当に愛し合っていたんだ。

ヤるかヤられるか、は性交と等しいと言ったとは誰だっけ?

気がついたら耳の中に誰かがいた経験はない?

アルミホイルを頭に巻くと洗脳されないって知ってた?

あはは、もうだめだ分かっていたのに殺してしまった。

狂人のふりを、して、天才のふりをしてみんなを欺いてきたけど本当に殺すつもりはなかったんだ、狂人のふりだけならぼくもここまでしなくてよかったのに、

あはは、ぼくの人生は終わってしまったよ。

Concrete
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