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中編3
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お婆ちゃん

夏休み。始まる前はうきうきしていた。友達と遊ぼう。釣りに行こう。ゲームをいっぱい進めよう。

だけど。

今は厭だ。

僕はお婆ちゃん家に居た。

厭だなあ。

この臭い。

臭いなあ。

僕は廊下に立っていた。

嗚呼。厭だなあ。

臭い臭い。トイレなんて外にあるし。大体、座るトイレじゃないし。

何なんだよ。

トイレも臭い。何か、大きいのと、小さいのが混ざり合った臭いじゃない。

それ以上の臭い。

家事態が臭い。トイレとはまた違う臭いだ。

婆臭いというのか。お婆ちゃんと同じ臭いがする。

お婆ちゃんは好きじゃないよ。

もう、一樹も大人になったのだからお婆ちゃん家に1人で行きなさい。なんて。

冗談じゃないよ。

僕はお爺ちゃんが好きだったんだよ。

あのニカッと笑う笑顔が好きだったんだ。

お婆ちゃんはお爺ちゃんを毛嫌いしていたみたいだけど。

お爺ちゃんは死んだ。

お婆ちゃんが殺したんだ。

絶対にそうだよ。

あの、お婆ちゃんは何処か厭だ。怖いというほうがいい表現かもしれない。

あの、目が一番怖い。

厭だなあ。

「かずき。かずきや」

お婆ちゃんが僕を捜している。あの声も嫌いなんだよなあ。

はやく死んでくれないかな。

「かずき。ここで何ボーとしてんの」

無視をした。厭なんだよ。臭いんだよ。嫌いなんだよ。お前が。

「何か見える?」

お婆ちゃんも僕が見ているほうを見た。

厭だよ。近づくな。僕に触れるな。臭いんだよ。

僕は駆け出した。

何なんだよ。あいつは。はやく死んじまえ。

嗚呼、お爺ちゃんにもそういうことを思った時期があったなあ。

うざかったんだ。あいつ。僕の欲しいものを買ってくれなかった。

でも、今じゃあ後悔している。なんであんなこと言ったんだろうって。

「死ね!」なんて。本当はそんなこと言いたくなかった。

あの、お爺ちゃんの残念そうな顔。

「かずきや。かずき。不満があるなら、お婆ちゃんに言っておくれ」

厭だよ。きもいきもいきもいきもい。

お前に何を言っても、本当にそうするじゃないか。

それが厭なんだよ。

買ってくれって言ったら、本当に買ってくる。

食べさせてくれって言ったら、何でも用意する。

怖いんだよ。

友達に話しても羨ましい。羨ましい。の一言だけど。僕は厭なんだ。

何でもするって言うのは決していいことじゃない。

子供の我儘を全部聞くってことは駄目なことだよ。

なのに。あいつは・・・。

僕は躓く。

「いた!」

そのとき、ふと、部屋が目に付いた。

障子が開いていて、中が丸見えだ。

だけど。そこじゃない。僕は一点に釘付けになった。

箪笥の後ろ。

――ぺらぺらなお爺ちゃんがいた。

紙みたいにぺらぺらになったお爺ちゃんは、目をぎょろりと動かし僕を見た。

なんだ。あれは・・・。

口をぱくぱくと動かしている。

「厭だ。厭だ。こんな家に来させて。あのクソ親ども!死ね!怖いよ!なんだよあれ!」

「かずきいいい」

ギシギシ

誰かが僕を見下ろしている。転んだ僕を。

「私はかずきが望めばなんでもするよお」

そうか。やっぱり、お爺ちゃんを殺したのはこいつだ。

そして、今度はお父さんとお母さんが殺される。

そいつはニーと笑った。

嗚呼、何て。何て。

臭いんだ。

Concrete
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ペラペラなおじいちゃん..怖かったです..(。>д

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