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中編3
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恨み

 これは幼馴染であるオオタの知り合いであるHさんに起こった話。

 Hさんは妻、娘の三人家族で、念願のマイホームを手に入れたところから話は始まる。

 マイホームを手に入れた頃、Hさんは頻繁に妙な夢を見たという。その夢とは、傷だらけでボロボロになった犬が必死に檻から出ようとしている夢だった。

 ある日のこと、何の気なしに夢のことを妻に話した。すると妻も同じような夢を見ており、それだけでなく娘もそれらしい夢を見ているということが妻の話から分かった。

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 これは妙だと思ったHさんは、こういう不思議な話が好物である叔母に話し、どうするべきか尋ねた。叔母が言うには、自分の知り合いに心霊現象絡みのトラブルを解決してきた、とても有能な霊能力者Rさんがいるので彼を紹介するとのことであった。

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 RさんがHさんの家に訪ねてきた日、Rさんは脇目も振らず裏庭にある祠まで歩いて行った。この祠は昔からあるものと聞かされていて、確かに何かありそうな雰囲気は漂っていた。

 祠の前に着いたRさんは早速祠を手当たり次第調べ始めた。

 「この祠から強烈な負の気が出ています。特に祠の下の方からそれを強く感じます。気の感じ方からして、この祠の地下には空間があり、そこに間違いなく負の気の発生源があるはずです」

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 祠の床を詳しく調べていくうちに、床が隠し扉のような形状になっていることを突き止めRさんはそこを開けてみた。

 そこは人ひとり入れるぐらいのスペースがある地下室のような作りになっており、その真ん中に犬のミイラのようなものが置かれていた。

 Hさんも暗くてよく見えないからとライトを犬のミイラに当てた途端あまりの恐怖にライトを落としそうになったという。

 そのミイラは身体のあらゆるところに異様な大きさの釘が刺さっていて、ミイラになってもまだ動けないようにする意思を感じた。その異常な姿はまともな人間のすることではないと後にHさんは語った。

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 「確かにこれだけの仕打ちを受ければ強烈な負の気が発生してもおかしくない」

 Rさんは犬のミイラを手厚く葬ればこの怪異は収まるといい、犬のミイラを預かってくれることになった。Hさんはこれで全てが収まると安堵していた、この時までは。

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 数日後、Hさんが家にいるとき気分転換に背伸びをしてみた。その瞬間激しい痛みが足に走り、救急車を呼ぶ事態になった。

 医師の診察の結果、足の骨の最も治療がしにくい部分が綺麗に折れている。背伸び程度ではこんな風には折れないと医師も首を傾げていた。そしてこれが始まりとなり次々とHさん周辺に不幸が舞い込むこととなる。

 詳しくはオオタに教えてもらえなかったが数か月の間で家にHさん以外いなくなったという。

 これだけのことが起きたことに恐怖していたHさんにRさんからの手紙があった。

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 「怪異を収めるために今まで様々なことをしてきましたが、私自身があれに目を付けられたのでもう駄目でしょう。あれは純粋な恨みそのもので、それを無理やり封印していたものでした。私の手にはとても負えない代物、でもHさんだけは救いたい、解決の手掛かりになりそうなことを全て書き残しておきます」

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 ここでオオタのHさんに纏わる話は終了した。しかしこの中途半端なところでの終わり方にもどかしさを感じ、この後何があったのかをオオタに尋ねた。

 オオタは困った顔をした後にこう言った。

「この話を聞いてから一か月後ぐらいにHから電話があったんだ。Hの話だと自分は今四国に来ている、ここで上手くいけば全てが解決する。死んだ妻も娘も戻ってくる」

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 しかしこの電話があってから今までHさんの姿は見えないという。

 そしてHさんから電話があって数日後に空き家になっていたHさん宅から、何故か火が出て家は全焼してしまい今では何も残ってないという。

Concrete
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Hさんは以前あった某映画の登場人物のように四国に「逆打ち」しにいったって事ですかね。

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これ実話やったらニュースなってるやろ!

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実話をベースにした創作ってこれ恐すぎでしょ!!

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