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翌日から、俺は悶々とした時間を送っていた。
列車のせいで会うことができなかった二人。
その無念を晴らすには、いったいどうしたらいいのか。
列車は確実に毎週木曜日にやってくる。
むしろその列車にあわせてあの二人も現れるのだろう。
そして二人には直接関わることができない。
いったいどうしたらいいというのだろうか。
何も対応策が考え付かないまま、空しく2日が過ぎた。
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学食で昼飯のくたくたになった味噌カツをつついていると、ブラウン管のテレビが昼のニュースを流しているのが聞くともなしに耳に入ってきた。
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「え、さて、次のニュースです。
今日午前10時ごろ、名鉄瀬戸線尾張旭駅付近の踏み切りで、下り線の特急電車に女性が轢かれる人身事故が起きました。
女性は即死でした。
この事故で、名鉄瀬戸線のダイヤに30分程度の遅れが生じています」
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以前なら見るともなしに見ていたどこにでもある事故の報道。
しかしこの一つ一つの死の情報の影に、その人の人生、その人に関わってきた人たちの思いがあるのだ。
俺は思わず天井からぶら下がる古ぼけたテレビを眺めた。
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埃が油で膜のように張り付いた灰色の画面には、いかにも迷惑そうな顔でホームを歩く乗客たちの画面や、停車した電車の引きの画面などが映し出されている。
「運転手が踏切内にいる女性に気付き、急ブレーキをかけたが間に合わなかったということです。
警察では、事件の可能性は低いと見て、調べを進めています。
え、さて、次のニュースです。東山動植物園で、4月に生まれたホッキョクグマの赤ちゃんが一般に公開され、訪れた家族づれなどに愛らしいすがたを……」
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テレビは次のニュースへと続いている。しかし俺の頭には電流のような衝撃が走り、箸で味噌がついた衣を持ったまま、しばらく動くことが出来なかった。
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shake
(なんだって?)
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これはひょっとして、ひょっとしたら…。
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様々な条件が俺の脳の中を錯綜し、爆発するようにスパークしながらある一つの結論を導き出す。
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……………その手があった。いや、しかし、それはいくらなんでも……。
リスクがでかい。しかし、俺達が打てる手は、これしかないような気がする。だがこれをもし実行してしまったら……。
俺の頭を同じような考えが堂々巡りする。
果たしてこの方法は実行してよいものだろうか。
俺はテレビがニュースを終え、昼のバラエティ番組に代わったことにも気付かず、カツの残骸をつまんだまま硬直していた。
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「うーん」
俺とチカとユウヤは3人で道具室の中にいた。
俺の考えたアイデアを実行してもいいものかどうか、相談したかったのだ。
チカは小さいうなり声を上げながら、先程から難しい顔をして下唇を人差し指でぷにぷにと押している。考え込むときの癖らしい。
ユウヤは、さっきから
「やべえだろ、それやべえだろ」
を繰り返していた。
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「たぶん、いけると思います」
かなり時間がたってからチカが口を開いた。
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「いえ、状況を考えれば確かにそれしかないと思います。
大丈夫。多分、アキラさんが考えているような事態にはならないと思いますよ」
そして、今まで見たことがない謎めいた微笑みを浮かべた。
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「父を、使います」
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少し寂しそうな微笑だった。
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そして3度目の木曜日の夜がやってきた。
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俺は踏み切りの目の前に立ち、「その時」を待っていた。
耳に当てた携帯から、ユウヤの声が聞こえてくる。
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「もしもーし、どうよ。聞こえるー?」
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相変わらず緊張感がないやつだ。俺は適当に相槌を打ちながら、腕時計で時刻を確認する。
事前にダイヤは確認してある。ユウヤのところに電車が通るまで、それほど時間がない。
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遠くの茂みの中から、青白い光が漂ってくるのが見えた。
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ーセンカさんー
この地に未練を残し、自縛霊となって毎週毎週、死の瞬間を繰り返す存在。
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(もうこれで終わりにしよう。その未練、執念を、ここで俺達が晴らす。)
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俺は傍らにに立つ、チカに目をやった。
右手を強く握り締めた彼女は、はじめてみるセンカさんに気をとられながらも、俺の視線に気がつくと、まっすぐ俺を見つめて、深くうなづいた。
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俺は少し気が楽になった。
タイミングは一瞬。そして1回。
事前にシミュレーションを繰り返しているが、実際のところぶっつけ本番だ。
俺は深く息をついた。そろそろ……時間だ。
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「ユウヤ、ぼちぼち……」
「お、きたきたきたきたきた」
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俺が携帯に話しかけるとほぼ同時に、携帯からユウヤの声と、プアアアアンという警笛の音が聞こえる。
「よし、きた、行くぞアキラ、カウントダウン、10、9、8……」
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カン!カン!カン!カン!カン!カン!カン!カン!
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ユウヤの声とほぼ同時に踏切がけたたましい警告音を上げる。同時に警告ランプが周囲を赤く染め上げた。
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電車が近い。
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俺は震える指を上げた。この期に及んでまだ迷いが生じてくる。
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「5、4、3……」
ユウヤのカウントダウンが進む。やるしかない。大丈夫だ。チカもいけると言ってくれた。だが、しかし……
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「2、1、ゼロ、よし、いけええええ!!」
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電車の音に消されまいと、ユウヤが絶叫に近い声を上げる。だが俺はまるで凍えたようにぶるぶると震えたまま、動くことが出来なくなっていた。
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「おい、どうだ。やったか?」
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携帯の向こうから聞こえる声が、やけに遠く感じる。
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「おい、どうした。なにも起きないぞ。おい、おい!」
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俺は携帯を耳から離し、手を下に下ろした。駄目だ。できない。俺には……。
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「アキラさん!」
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空気を切り裂くような声に、俺ははっとして振り返った。俺の後ろでまっすぐに俺を見つめるチカの瞳と、そしてその後ろから、鮮血にまみれたセンカさんが今にも崩れそうになりながらこちらに向かってくる姿が見えた。
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センカさん
この先にあるのは絶望だ。彼女の消えそうな命をもぎ取る不条理な鉄槌だ。
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だが今なら…俺なら、それを変えられる。
「うう…」
俺の口から自然にうなり声が搾り出される。
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「うわああああ!!」
俺はわめきながら右手を前に出し、目の前の踏み切りのボタンに指をたたきつけた。
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ぱき
一瞬ボタンを覆うプラスチックケースが割れる音がした。と、次の瞬間
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shake
「ジリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリ!!!!」
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けたたましい非常警報があたりに響いた。
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ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア
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遠くに見える貨物列車が、まるで怪物の叫び声のような音を立てながら、火車のように車輪から火を吹いて近づいてくる。
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そう、俺が押したのは踏み切りの非常停止ボタン。
それに気がついた貨物列車が急ブレーキをかけたのだ。
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俺達が直接センカさんたちを手助けすることは出来ない。
だが、センカさんの命を奪い、ナンブさんとの出会いを妨げたこの電車を、もし止めることが出来たのなら…。
俺の考えはそれだった。
もしも電車がセンカさんを轢くことがなかったら、二人は出会い、この世に未練を残すことが無くなるのではないか?
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だが、確実にそれで二人がこの世に未練を残さなくなる保証はない。
結局それは俺の賭けだった。
そして、別の角度で問題なのが、現実には電車を止める行為は確実に悪質な業務妨害であるということだ。
俺は社会的地位を失うだけでなく、鉄道会社から一生かけても返済できない負債を負うことになる。
事実上、それは俺自身の人生の破綻をも意味していた。
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そして、それよりー
俺は思わず下唇をかんだ。
数秒のことだったが、タイミングがずれた。地方の鈍行貨物列車とはいえ、秒速にしても10メートルは超える。
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しまった。ここでミスをしたら洒落にもなんにもならない。
俺は永遠に返せない借金を背負い、電車を止める手段を失い、悲劇は繰り返され、2度とセンカさんたちを助けることは出来なくなる。
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shake
ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!
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電車が近づいてくる。
速度は落ちているはずなのに、遠くにいた電車がこちらに近づくにつれ、加速度を増して視界に映るその車体が大きくなる。
すさまじいブレーキ音に、警報機の音すらかき消される。
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センカさんが這いずりながら遮断機をくぐっていく。
「やめろ……行くな……」
無駄だと思いながらも、言葉が自然に俺の口をついた。だが、もちろん彼女の耳には届かない。
shake
「やめろおお!!!」
眼前に迫った貨物列車の黒いシルエットから、白い光が俺の両目を射抜き、俺は固く目を閉じた。
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ギャアアアアアアアイイイイイイイイイイイイイインンンンンンンンンンン………………
鼓膜を切り裂くような甲高いブレーキ音が、急速にその音を小さくしていった。
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俺は一瞬本当に自分の鼓膜が破れたかと思ったが、風に揺れる茂みの音がわずかに聞こえたので、かろうじてまだ耳が聞こえていることがわかった。
何度か目をしばたかせながら、やっと細目を開けることが出来た。
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電車は、俺達のほんの数メートル前まで、踏み切りの少し中まで入ってきていた。
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そして、その踏切の中心で、全身を紅く染めながら蠢くセンカさんの姿があった。
轢かれていない。間に合ったんだ。
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俺の肩から、全身の力が抜けていくような気がした。
彼女の差し伸べる右手の先、踏み切りの向こうには、青白く佇む影があった。
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ナンブさん。
呆然とした顔でセンカさんを見つめていたが、ふいに顔を歪め、踏み切りに向かって風のように走り出した。
ナンブさんは踏み切りをすり抜けると、差し伸べられたセンカさんの右手を掴み……
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一瞬、貨物列車のライトが大きくなったような気がした。
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俺は目が眩んで細く空けた目を閉じて----------再び目を開けたとき、そこに二人の姿は無かった。
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終わった。のだろうか?
警報はいつの間にかやんでいる。耳が痛いほどの静寂の中、遮断機の点滅だけが時の流れを伝えている。
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「終わった、んですね」
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背後からの声に振り返ると、チカが感慨深げに空を眺めていた。
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チカの視線の先に目を向けると、星空のなかに、少しだけ青白い流れ星が二つ、夜の闇に吸い込まれていった、ような気がした。
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「おーい、どうよ、間に合ったあー?
だめ?アウト?セーフ?
おーい、おーいってば、おーい」
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左手に持つ携帯から、かすかにユウヤの声が聞こえていた。
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あの一夜から明けた翌日、俺達は再び道具室の中にいた。
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俺は電車を止めたことで、自分の人生が終わったと思ったが、意外なことに始末書一枚を書くだけで、親にも大学にも連絡が行くことは無く、それ以上のことはなにも無いまま鉄道会社との件は終了した。
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実はこれには裏があって、チカが自分の父親である警察を通して、鉄道会社にあらかじめ連絡をしてあったのだそうだ。
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長くなるのでなるべく端折るが、心霊がらみの事故や、いわくつきの怪奇現象が起きる場所、もしくは物の事を、この業界では「ゼロ号物件」と呼んでいて、決して珍しいものではないらしい。
(幽霊のレイと、数字のゼロをかけたものだと思われる)
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鉄道会社としても、以前から木曜日の深夜の貨物列車の運転手がノイローゼ状態になり、この路線の運転をやめたがってしまう事態が続いていて、頭を悩ませていたようだ。
そこでチカの父親からの申し出があり、割とすんなりと協力をしてくれたらしい。
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以上のことはあまり公にしてはいけない話らしく、チカが教えてくれたのは、なんと俺達が社会人になってからのことだった。
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さて、今日俺達をここに集めたのは、そのチカだった。
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「実は、気になることがあったんです」
道具室の中に漂う異様な雰囲気に、俺とユウヤは、言葉を出すことも出来ずに重々しく頷く。
「昨日、初めてセンカさんの動きを見ました。お二人とも気がついているかもしれませんが、センカさんは列車に轢かれる前に、全身に傷を負っています。恐らく、命に関わるほどの。
お二人はあの踏み切り、もしくはその近くで会う予定だった。しかし何者がセンカさんを襲い、二人が出会う寸前でセンカさんの命が断たれた。
ナンブさんは絶望し、自ら命を絶った。それが今回の事件の一連の流れです。
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しかし、センカさんを襲ったもの、それはあの場所にはいませんでした。
そのことが示すこと、それは、センカさんを襲ったものがまだ生きているということ。ここまでの罪を償わずに、のうのうと生活しているということです」
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いつに無く強い言葉を出すチカ。かなりの憤りがあるのだろう。俺の額から冷たい汗が流れ、頬を伝って落ちていった。
「これから、その犯人に、それなりの償いをして貰います。センカさんに心当たりがあるようですので、比較的簡単にいくと思います。センカさん、協力してくれますね」
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チカの傍らに浮かんだセンカさんの生首は、黄色い髄液を首の骨から滴らせながら、白濁した目を細め、にっこりと微笑んだ。
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…
……
………シュールすぎる。
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いや、多分、説明したほうがいいのだろう。
俺もあっちの世界のルールのことはよくわからないが。
センカさんたちは、昨日まで、この世に未練を残した地縛霊だった。
それが昨夜で未練を残すことがなくなり、「地縛霊」から「浮遊霊」になったそうだ。
浮遊霊は、未練に縛られることはないが、いまだに成仏できない状態の魂らしい。
で、その特徴が、「この世での最後の姿」をとることが多いらしいのだ。
例外もあるらしいが、その辺りの事を書き出したら広辞苑ぐらいの厚さの本になるらしい。
と、いうわけで、二人はこの世での最後の姿、「轢死体の生首」と、「首吊り」の状態をデフォルトにして、この世にとどまっている。
まあ、とにかく二人とも幸せそうなのだが、なにせチカの後ろで生首状態のセンカさんはふよふよするわ。
首吊り状態のナンブさんは大道具からぶら下がってみるわ。
道具室内がちょっとした幽霊屋敷なのだった。
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「と、言うわけで」
チカがぴしっと人差し指を立てた。
「後のことは私に任せていただけますか?」
俺と、肩に爪先立ちするナンブさんを乗せたユウヤは、ただただ黙って頷いたのだった。
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それから、約一週間後、1人の男が警察に出頭した。
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いわずと知れたセンカさんを殺害した男だった。
今から約20年ぐらい前の事件で、出頭の理由を「殺した女が夜な夜な枕元に立つから」という供述をした印象的な事件なので、ひょっとしたらご記憶の方もいるかもしれない。
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男はセンカさんが通う専門学校の講師で、一目ぼれしたセンカさんに付きまとい、相手にされないとわかると、異様な執着心で付きまといをエスカレートさせ、ついにはアパートに侵入しようとするにいたった。
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身の危険を感じたセンカさんが、当時付き合っていたナンブさんに電話で相談しているところ、それを盗聴していた男が逆上し、センカさんに危害を加えようとした。
センカさんはナンブさんに助けを求め、二人で会おうとしたが、間に合わなかったようだ。
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なにせ当時はストーカーという言葉がまだ認知され始めた頃。ナンブさんはそれほど危機感を感じていなかった節がある。
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警察を呼ぶなどの手を打たず、最悪の結果を招いたことに自責の念を感じたナンブさんは、結局自ら命を絶ってしまう。
このとき警察を呼んでいれば、少なくとも殺人事件として捜査はされたのだろうと思うと悔やまれるが、しかしこのときの彼の心境は事件当事者でないとわからないだろう。
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ともあれ、これで一連の事件は終結を迎えた。
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犯人逮捕からしばらくして、ユウヤは大学を休学し、実家の寺で一年間修行をすることにした。
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そして見事に落ちこぼれ大学を留年した俺と、
順調にオカルト力を伸ばしたチカと、
復学したユウヤは同じ学年となり、再び忘れられない体験をすることになるのだが、それは少し先の話だ。
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「父を使います」といったときのチカの謎めいた微笑みの意味を俺が知るのも、その時のことになる。
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センカさん達は、浮遊霊ライフをそれなりに満喫しているらしく、俺達の前にたまに遊びに来てくれるようになった。
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俺達以外には見えないようだが、あるとき後輩の感受性の強い子の前に突然現れてしまい、派手に卒倒させたことがあるぐらいで、あとはまあまあ仲良くやっている。
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彼女達のおかげで、俺の大学時代は一般的にはなかなか味わえないものになったと思っている。
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大学を卒業してから、ユウヤは本格的に仏門に入った。
そして数年の後、センカさんたちは、修行を修めたユウヤの手によって手厚く供養されることになる。
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あの夜の後、踏み切りで幽霊を見るという噂は聞かれなくなった。
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あれから数年の後、センカさんたちの供養が終わってから、俺は再びあの踏み切りに足を伸ばしてみたことがある。
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陽光に照らされた踏み切りは、もう木曜日の夜が来ても血に染まることはない。
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ふとみると、踏切の傍らには、小さな花束が手向けられていた。
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俺達が初めて訪れたときからある花束だ。いまだに誰かが交換に来ているらしい。
ご遺族の方だろうか、それとも、新たな事故があったのか。それともー
俺はチカの資料の中にあった写真を思い出した。
遊園地の中で、友達と撮った楽しそうなセンカさんの写真。ひょっとして、花束の主はその中の1人かもしれない。
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俺はいつかその人にめぐり合ったら、伝えたいと思う。
センカさん達は、この踏み切りから解き放たれ、無事、二人で旅立つことが出来たということを。
作者修行者
どうにかこうにか完結です。
応援していただいた皆様。コメントいただいた皆様(特に奥様)、相手をしていただいてありがとうございました。
結末が皆様のお気に召すものでありますかどうか。
解釈は人それぞれにあるかと思いますが、楽しんでいただけたら幸いです。
ではまた次の機会に・・・