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僕はあの有名な怪談師のつまみ枝豆さんの知り合いで、この前聞いた話し。
(ここからは枝豆さん口調で書きます。)
我々の業界だと営業と言ってテレビやラジオの仕事ではなくてイベントの仕事でね
新潟の燕三条駅ってのがあるんだけど、そこから降りてタクシーで40分ぐらい行ったところに、ある大手の電機メーカーの工場があるんだけどね
工場全部を休みにして働いている人の家族とかを楽しませるってのがあって、グラウンドにはブースとか体育館でイベントをやると、そのイベントにはモノマネの人がいて、僕はMCで行ったんだけどね
そこには楽屋がないから、案内してる人が「すいません、楽屋がなくて工場が休みなんで工場長の部屋に行ってもらえます?」て言われたんで、「いいですよ」って言ったんだよね
若い男の子が案内してくれて、やっぱ工場入るとでかくて休みだから薄気味悪い状態ではあったんだけど
まぁ工場長の部屋に入ればソファーがあって
若い男の子が「すいません、ここで待機してもらっても良いですか?」
僕は「あ、わかりました」って言って、お弁当が置いてあったんだよね
男の子が「なんかあったら、声かけてください。」て言って、入口の前にいたんだけどね
まぁ〜久しぶりにご飯食べて時計を見たらまだ時間あるしトイレ行って来ようかなと思って立ち上がって入口のドアを開けたら
男の子「なんでしょう?」
僕「いや、ちょとトイレに行きたいんだけど」
男の子「あ、それじゃ案内します」
僕「あ、ほんと」
と言って、横を見るとそこに「WC」て書いてある看板があってね、「WC」てのは昔で言うトイレだよね
僕「そこ、トイレだよね?」
男の子「まぁーそうですけど。あっちにもっと新しいトイレがあるんですけど。」
後から考えるとおかしいんだけど、
僕「え、使えないの?」て言ったんだよね
男の子「使えないと言うことは無いと思いますが・・・」
僕「いいよ、僕、小なんで」
男の子「あ、そうですか」と言って一緒に行ったんだけど
昔のトイレだから入口が「バターン」と開けるドアだったからね
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で、「バターン」と開けたらタイルがしらっちゃけてたのね
使って無いような感じで、右側にモップが置いてあるところがあって、そこから小用の便器が4つ並んであって左側には洗面台、奥には大用の便器が2つあったんだよ
中入った時に、やっぱり気配があったんで早く済ませようと思って、1番手前のところで用をたそうと思って前に立ったんだよ
用を足し出した時に自分から左側、ようは4番目のトイレだよね
そこから気配がして、視線をちょとずらしてたら、男が立ってたんだよ
僕「あれ、いるわ」と思って少しわかったのが青いズボンと白いシャツ
ちょと怖いから早く済ませようとボタンを押して小を流して、反対側から洗面台の方に行って「パッ」と見たらいなかったんだよね
僕「あ、気のせいかー」て思って、洗面台で手を洗って目の前の鏡を見ると4番目のトイレに男がいたんだよ
僕「あ、いた」と思ったら鏡越しの男がこっち向かって振り向きはじめたんだよ
怖いからすぐ水道を止めて「ババババッ!」とドア開けて前に立ってた男の子が
男の子「どうしました?」
僕「俺しか入って無いよね?」
男の子「そうですよ」
僕「え、誰も入ってない?」
男の子「やめてくださいよ。僕ここにいたし、今日工場休みですから。枝豆さんしか入ってないじゃないですか」
僕「中に人がいるんだよね」
男の子「やめてくださいよ。」
僕「ちょと覗いてみて。トイレの1番端」
男の子は恐る恐るドアを押して見たの
男の子「いませんよ。」
そこで思ったのが、「鏡越しだ」
鏡に写り込んだから鏡越しに見えるかもしれないと思って
僕「鏡越しに見て」
男の子「え〜」て言って、無理やり押し込んだだよ
押し込んでから2、3秒
shake
「バババババババッ!」って帰ってきて、
僕「どうだった⁉︎」
男の子「枝豆さん・・・。あそこ鏡が無いんですよ‼︎」
僕「えー‼︎そんなことない、ちゃんと鏡越しに見たんだよ」と言って「スーッ」と全開してくれたの
鏡が付いていた跡はあるの
でも、鏡がないの
これは、後にも先にも不思議な話だと言ってました。
作者ゆたぽん