テンシの男 Ⅳ 再会〜最終章
もし生まれ変わりがあるなら…
もう一度、生まれ変わって
君に会いたい…。
私には愛する彼女がいる。
付き合って10年の月日が経った。
私は彼女にプロポーズをいつしようかと考えていた。サプライズを考えながら悩んでいると、彼女が私の顔を覗いてきて「なーに考えてるの?またイヤラシイ事でも考えてるんでしょ〜ヤラシー!笑」
私は首を横に振った「違うよーだ!なんでもないよ笑」
そんな何気ない会話が楽しかった。
彼女とBARに行って朝まで飲んだり、喉が枯れるまで好きなバンドのライブに出陣したり。
そしてあの運命の瞬間が訪れた。
彼女の誕生日にプロポーズをすると決めた日。私は彼女を先に高級レストランに待たせ、私は薔薇の花束を買ってレストランに向かう途中、私は冷たいコンクリートの上に倒れた。
〜意識が朦朧とする…レストランは目の前なのに…〜
彼女は外で倒れている私を見つけ、店員に救急車を呼ぶように言った。
彼女が私のそばに駆けつけて来た。
涙で崩れた化粧、私の体を抱き寄せ叫んでいる…。「さとし君!ねぇ!起きてよ!」私は途切れそうな声で呟いた。「プロポーズ作戦…失敗だな。ごめんな…体が動かないんだ」
彼女は私の体が冷たくなるのを感じていた。
ココハ…ドコダ?
真っ暗な部屋?
なんの音も感触も無い。
「俺は死んだのか?」
意識だけが残っている。
その時、何処かに導くように光が現れた。
その頃、私は彼の体をきつく抱きしめていた。その時だった、白衣を着た男が後ろから話しかけてきた。
「彼は!?まずいな…これは救いようが…君は紗栄子!?」
私の顔を見て驚いて紗栄子という名前で呼んだ。しかし、男は悟るように「君は紗栄子じゃないよな…5年前に死んだからな…」
男は彼の胸に両手を当てて目を閉じた。「彼は助かるの!?」
男は人差し指を立てて「少し静かにしていてくれ」
男の手は眩しく輝き出した。
それを見守る野次馬達は驚いていた。「君は幸せになるべきだ!彼女を残して死ぬな!」男の手はより一層輝き出した。
男は涙を流しながら彼の胸に手を当て続ける。
アタタカイ…コノママ身を任せよう
「…!死ぬな!彼女を一人にするな!帰ってこい!」
ナンダ?反対から声が聞こえる…
男は彼を抱きしめている私に言う
「君も彼に話しかけるんだ!」
私は冷たい彼に精一杯の声で話しかけた。「さとし君!帰ってきて!素敵なプロポーズしてよ!一人にしないで…」
ナオミ?何処にいるんだ!どこだ!
ナオミー!
「こっちだ!声がする方へ!」
私は微かに漏れている光の方へ腕を伸ばした。
目を開けると泣いている彼女が目の前にいた。「な、おみ?なんか寒いな…」
両手を当てていた男はホットした表情で微笑んだ。「あなたは?」
「私は飯島なぐさ。」
飯島はそっと立って力無く崩れた。
彼女は「飯島さん?飯島さん!」
飯島は微笑みながら呟く
「紗栄子…もうすぐ俺もそっちに行くからな…。」飯島は微笑みながらゆっくり目を閉じた。そこに救急車が到着し、彼と飯島が運ばれた。
2時間後〜私は回復したが、飯島は謎の死を遂げた。
飯島の背中には天使のような翼の手形があったらしい。だが、それが消えたと看護師たちが話していた。
無事、私は彼女にプロポーズした。
翌日、私の背中には手形が浮かびあがった。
それは天使の翼のように…
作者SIYO