短編2
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浮遊人-暗転後-

※浮遊人の続きとなります。前作を読んでいない方は、そちらを先に読むことをお勧めします。

俺の世界が暗転してどれくらいたっただろうか

黒くなった俺にあるのは、モノクロの世界だ

何もかもが暗い

そして静まり返っている

他の浮遊人達はどうしているのだろうか…

物音ひとつしない

人も動物も見かけない

この世界は現実世界と繋がっているのだろうか

それとも死後の世界なのだろうか

最初は自分の部屋に留まっていた

もしかしたら戻れるかもしれないという淡い期待を抱いて

だが、戻ることはなかった

俺は途方もない闇をゆっくりとさ迷い始めた

そんな中で2つ気づいたことがある

1つは、俺から伸びる糸が日に日に短くなっていっているということ

もう1つは、時より真っ白い光が見えることがあるということだ

他になにもなかった俺は、光が現れるのを待っては光を頼りに少しずつ動き出した

遠くの空に見えていた白い光

近づいてみると、線のように見える

俺は薄々気づいていた

それが、俺から伸びるのと同じような糸であることに

俺の糸はもうあまり長くはないが、焦ってはダメだ

出来るだけ慎重に、糸が長く延びている時だけを狙って素早く動く

そして、辿り着いた

白い糸の先

糸を両手で持ち、思いきって引っ張る

思っていたより簡単に切れた

切れると同時に糸の先に寝ている女性がぼんやりと白く浮かび上がる

なるほど、糸が切れると身体も不安定になるのか

とりあえず、俺の糸を結びつければ俺は…

………

だが、出来なかった

「なにやってんだか」

彼女の糸を結ぶと、何事もなかったかのようにもとに戻った

確かに、まだやりたいことはあった

でも今、俺がこの子の身体を奪ったら、この子の世界が暗転するだろう

人の人生を奪って生きることは、俺には出来なかった

のんびりと外を歩く

気づくと足は自然と自分の部屋に向かっていた

白い光が見える

あぁ、この辺にも浮遊人がいたのか…

そう思いながら眺めていて気づいた

あの糸の先は……

急いで部屋へ戻る

当たりだ

糸の先は俺の部屋にあった

急いで糸を引きちぎる

ぼんやりと光る俺の身体

素早く糸を結びつけると、暗転した世界がもとに戻り、黒くなっていた浮遊人の俺も白く戻った

ふと顔をあげると、あの時の奴がいた

悔しそうな、悲しそうな、複雑な表情をしている

「悪いが返してもらうよ」

そう言って、俺は目を覚ました

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mamiさん
どうしたらいいかわからなくなりますからね

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いつ戻れるか分からない暗闇って怖いですよね。

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