短編2
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お地蔵さん

ほぼ毎日通る道、線路のそばに数体のお地蔵さんが祀ってある

その目の前、道を一本挟んだ所に、廃れてボロボロの運送屋がある

そこの入口にも、とても小さなお地蔵さんがいる

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とても近接した距離に配置されてるので、どちらのお地蔵さんが願いを叶えてくれてるのか分からないが

お願い事をよく叶えてくれる(気がする)

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ほんと些細な事だけど『ちょびっとお金くれー』とか

『ちょびっと良いこと起これー』とか願うと

けっこうすぐ少額のお金が入ってきたり、嫌な人に出会わず、良い人と接する事が出来たりで

思い込みかもだけど、お地蔵さんのおかげかしら?と思うような事が多々ある

時折感謝の意味も込めて、お地蔵さんに御供え物をしたりもする

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で、余りにも私利私欲に走ったお願いをしてしまった次の日

重い風邪をひいてしまった

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耳が聴こえず、お陰で頭がボーっとし身体全部がダルく

喉が痛すぎて、滅多に泣かない私だが、泣きそうになっていた

それでも子供の面倒は見なくてはならないので、買い物に行ったりする際に

『すいませんでした、調子ぶっこきました』とお地蔵さんに謝罪したりしてた

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それでも耳だけが治らず、詰まった感じで音が聴こえにくく

常に低い『ゥオーーーン』といった耳鳴りが鳴っている感覚で、ほとほと困っていた

喉やその他の症状はほぼ、治まっていただけに耳の症状は

鬱陶しい事この上無かった

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二女と買い物帰り、二女が運送屋そばのお地蔵さんを見て

『かみさま、かみさま』と言う

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いつも見てるくせにいきなりなんだ?と思いつつも

『ここの神様は良い神様だから怖くないよね』と応えたその瞬間

耳がパカッと音をたて、通じるようになった

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ほんと言ったその瞬間に通じた

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かなりビビったが、耳が通じた時の清々しさったら・・・

やはり健康って素晴らしいと切に感じた

そして同時に、私利私欲に走ったお願いをした自分を恥じもした

『近所にTSUTAYAできますよーに』って調子こいた私に

戒めを与えてくださったんですよね、分かります

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今日、感謝の御供え物をしたいと思う

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なんかイイ話でしたねえ。
「調子ぶっこきました」って、それ謝ってへん謝ってへん(笑)
まあ、風邪のせいで鼻炎症状から中耳炎みたいになる事もあるし、
止まない耳鳴りは厄介でしたね。
だけど、いきなり「パカッ」って治るというのは、やっぱりお地蔵さんの御力だったんでしょうかね。

お地蔵さんは、56億7000万年後(どんだけ先やねん!)に弥勒菩薩が現れるまで、現世で衆生を守ってくださる菩薩様ですが、子供の守り神でもあります。
例えば、親より先に死んだりして賽の河原で迷っている子供の魂を救って、極楽に連れて行ってくれたりとか。
なので、娘さんが「かみさま」と讃え、坂東英土さんが「良い神様だよね」と応えたので、きっと気を良くされたのかもしれませんね。

いやあ、なんかイイ話でした。別に怖くなかったけど、応援的意味合いでぽちっと。
近所にツタヤ出来るといいですね(笑)

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